ストレイテナー『RUSH BALL 2022』ライブレポートーー『ラシュボ』の「顔」が放つ静と動の夏、来年への約束も
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ストレイテナー 撮影=渡邉一生
『RUSH BALL 2022』ストレイテナー
SEと共にステージに登場したメンバーがそれぞれの楽器を持つ中、ナカヤマシンペイ(Dr)がドラムセットの上に立ち、会場を見渡している。その姿を讃えるように、場内から「yeah!」という歓声が響く。そして、「Melodic Storm」、「From Noon Till Dawn」と、軽快かつアグレッシブなライブチューンを立て続けに披露した後、ホリエアツシ(Vo.Gt)がオーディエンスに向かって笑顔で言う。
「出囃子がかかって、yeah! なんて歓声、10年ぶりに聞いた感じだわ」
この2年、確かに私たちは音楽の喜びや楽しさや興奮を「声」で表すことを封印し続けてきた。その代わり、手拍子やジャンプや拳を突き上げたりといった手段を存分に楽しんできた……つもりだった。しかし、コール&レスポンスが可能になり、ホリエがキーボードを演奏して歌う「Braver」の力強いグルーヴに身体を揺らしているオーディエンスの姿は、やはりとても楽しそうだ。
ストレイテナー
「俺たちは、『RUSH BALL』に出て今年で19年なんですよ。来年出れたら20周年になるんで、来年絶対呼んで下さい。『RUSH BALL』がないと俺たちも夏、終われないんで」と、ホリエが『RUSH BALL』への熱い想いを語った後、夏の終わりを惜しむように披露されたナンバーは、「シーグラス」。'03年の初出演以来『RUSH BALL』に出続けてきた筋金入りの常連バンドは、来年への約束も曲への導入も、ずるいぐらい見事だ。
「ありがとう大阪。また会いましょう。最後、再会の曲です、「彩雲」」
声を封印された去年の夏も披露された名曲だが、今年は昨年よりも力強く、美しく聴こえたのは気のせいだったのだろうか。演奏後、メンバー全員で肩を組み、頭を下げる。来年、25周年を迎える『RUSH BALL』。果たしてその記念すべきステージで、ストレイテナーの勇姿は目撃出来るのだろうか。
ストレイテナー
取材・文=早川加奈子 撮影=渡邉一生
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