吉右衛門の数々の当たり役を様々なメディアで楽しむ　二世中村吉右衛門一周忌追善「映像で偲ぶ、中村吉右衛門（はりまや）至高の芸」特集が実地

2022年9月1日（木）から行われる、松竹公式動画配信サービス「歌舞伎オンデマンド」の配信を皮切りに、10月には、CS放送「衛星劇場」、BS放送「BS松竹東急」でのテレビ放送、そして、東銀座・東劇でのシネマ歌舞伎『熊谷陣屋（くまがいじんや』の上映と、中村吉右衛門の数々の当たり役を一挙に様々なメディアで楽しむことができる、二世中村吉右衛門一周忌追善「映像で偲ぶ、中村吉右衛門（はりまや）至高の芸」特集の実施が決定した。

深い人物造形と巧みなせりふ術で観客を魅了しつづけた歌舞伎界を代表する屈指の名優、二代目中村吉右衛門。2011年には人間国宝に認定されたほか、テレビ・映画でも活躍した。そして、ゆかりの俳優と演目が並んだ、二世中村吉右衛門一周忌追善『秀山祭九月大歌舞伎』がまもなく9月4日（日）に歌舞伎座で公演初日を迎える。歌舞伎座の公演情報が解禁されると、映像で中村吉右衛門の舞台姿を観たいという声が多数寄せられたこともあり、今回の企画が行われることとなった。

「歌舞伎オンデマンド」では9月と10月の2カ月にわたり全6コンテンツの特集配信を実施。第一弾の9月は、コロナ禍に無観客で収録し、松貫四（まつかんし）の筆名で吉右衛門自らが書き下ろし、作・演出・出演をつとめた渾身のひとり舞台、配信特別公演『須磨浦（すまのうら）』の他、『一條大蔵譚 檜垣・奥殿（いちじょうおおくらものがたりひがきおくでん）』、『伊賀越道中双六 沼津（いがごえどうちゅうすごろくぬまづ』の3作品を配信。

続く第二弾となる10月は、明治時代から上演の絶えていた場面を百有余年ぶりに復活させ、発端より大詰までを通し上演し、話題となった世話物の人気狂言『籠釣瓶花街酔醒（かごつるべさとのえいざめ）』（発端～二幕目、三幕目～大詰に分けて配信）と新歌舞伎の傑作『元禄忠臣蔵 大石最後の一日（げんろくちゅうしんぐらおおいしさいごのいちにち）』を配信致する。

10月の「衛星劇場」の特集放送では、初代吉右衛門の得意芸を集めた家の芸「秀山十種」のひとつである『松浦の太鼓（まつうらのたいこ）』の他、『平家女護島 俊寛（へいけにょごのしましゅんかん）』、『御存 鈴ヶ森（ごぞんじすずがもり）』を放送。

歌舞伎立役の第一人者として、義太夫狂言、時代物、世話物から新歌舞伎まで幅広い役柄を演じた故人を偲び、数多くある代表作の中より選りすぐりの作品が揃った。これを機に堪能してみてはいかがだろうか。