ヤン・スンウォン(チェリスト)とエンリコ・パーチェ(ピアニスト)の演奏が堪能できる 『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲演奏会』が開催

2022.9.12
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クラシック

(右から)ヤン・スンウォン(チェロ)、エンリコ・パーチェ(ピアノ)

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2022年10月5日 (水)大阪 あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールにて、韓国を代表するチェリスト、ヤン・スンウォンと彼の信頼厚い共演者であるピアニストのエンリコ・パーチェによる、『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲演奏会』が開催される。

本公演は、二人の最新の成果を聴くことができ、ピアノと並んでベートーヴェンが重要視した楽器、チェロの魅力が存分に堪能できる演奏会だ。

ベートーヴェンは生涯に5曲のチェロ・ソナタを遺したと言われており、この分野における彼の革新は、チェロとピアノの二重奏という今日的な意味でのチェロ・ソナタに道を拓いたことである。独奏楽器として歴史の浅いチェロを存分に活躍させながら、ピアノもまた、通奏低音にとしての伴奏型を離れ、より自在にチェロと渡り合う。若い頃から優秀なチェロ奏者との交友に恵まれたベートーヴェンは1796年に書かれた第1番、第2番ですでにこの書法を確立。ともに2楽章形式という大胆な構成で当時最新の響きに挑んでいる。そして1808年には、彼の代表作に数えられるチェロ・ソナタ第3番を完成。精緻な対位法を駆使して描かれる世界がひとつの高みに達していると称されている。そして、1815年の第4番には充実の中に静かな内省が加わり、同年に書かれたその連作とも呼べる第5番では、バッハのフーガに回帰しつつロマン的な自由な響きも現れている。

今回の演奏会はこの5曲を1日で弾き切るもの。他の小品もまじえつつ2回に分けて行われることも多い「全曲演奏会」だが、5曲をまとめて聴くことにより見えてくるものは大きい。

ヤン・スンウォンは韓国、ソウル生まれ。パリ国立音楽院で学んだ後、渡米し、チェロ黄金時代の巨匠のひとりで、ヤーノシュ・シュタルケルに師事した。数多くの受賞歴を持ち、現在は延世大学チェロ科教授、英国王立大学客員教授として後進の指導にもあたっている。スケールが大きく、かつ繊細な表現は世界の音楽ファンからの注目を集めている。

またエンリコ・パーチェはイタリアのリミニ生まれ。1989年、フランツ・リスト国際ピアノコンクールに優勝し、そのキャリアを開始した。多くのチェリスト、ヴァイオリニストと共演を行い、ヤン・スンウォンとのコンビはすでに10年に及ぶ。この9月には、今回の5曲のソナタを中心とした彼らにとって2度目の録音となる『ベートーヴェン:チェロとピアノのための作品全集』のCDもリリース。高い評価に迎えられている。

円熟の境地を迎えたヤン・スンウォンとエンリコ・パーチェによる本公演。2人が豊かな感情と技巧で織りなすベートーヴェンの傑作群は、全編を聴き終えたあとの充実は格別なものとなるだろう。

公演情報

『ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全曲演奏会』
 
日程:2022年10月5日(水)
会場:あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール (大阪府)
 
出演:
ヤン・スンウォン(チェロ)&エンリコ・パーチェ(ピアノ)

曲目・演目:
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ
第1番 へ長調 op.5-1(1796)
第2番 ト短調 op.5-2(1796)
 
Intermission 15 min.
 
第3番 イ長調 op.69(1808)
 
Intermission 15 min.
 
第4番 ハ長調 op.102-1(1815)
第5番 二長調 op.102-2(1815)
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