​​HYDEがFM802の公開収録に登場ーー「人生はあっという間。迷ってる暇はない。やりたいことは食い気味にやらないと」音楽活動に懸ける熱い想いを告白

2022.9.16
レポート
音楽

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』 写真=FM802提供

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FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS-MORNING EDITION-』公開収録 2022.9.14(WED)大阪・うめきたSHIPホール

9月14日(水)、大阪・梅田にある「うめきたSHIPホール」にて、HYDEが大阪のラジオ局・FM802の番組『SATURDAY AMUSIC ISLANDS-MORNING EDITION-』の公開収録に登場。イベントはソロデビュー20周年を迎えてリリースされた『HYDE 20th Anniversary ROENTGEN Concert2021 Complete Box』『HYDE COMPLETE BOX 2001-2003』を記念して行われたもので、会場にはこの2作品の購入者の中から抽選で約150名のファンとFM802のリスナー50名が招待され、来場者からの質問に答えるなど貴重な時間をともに過ごした。

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』

イベント開演時間を迎え、ファンからの手拍子が一層大きく響くなか、「天ぷらを揚げてるみたいな音だね」とおどけた表情を見せながらHYDEが登場。HYDEをイメージして用意したというハートの形をした皮張りのラグジュアリーなイスが置かれているのを見て、「ウチから持ってきたのかなと思った」とイベント開始早々、司会のDJ・仁井聡子と会場を沸かす。

地元関西でのトークイベントということもあり、まずは出身地である和歌山県についての話に。生まれ育った地・加太にある神社や公園については、ファンにとっては聖地巡礼でおなじみの場所でもあるようで、頷きながら夢中になって話に聞き入る来場者の姿も。さらに、音楽活動を始めた学生時代の貴重なエピソードも披露。当時から今も憧れのバンドで、自身の音楽の原点とも語り、今年7月には自身のツアーで対バンも行ったヘヴィロックシーンの雄・GASTUNKへの想い。さらに、THE ORAL CIGARETTESなど、HYDEやL’Arc-en-Cielに憧れてバンドを始めた若手ミュージシャンとの競演については「恐ろしいね……、そんなに(長い)時代を過ごしてきたのかと思うと」と語りつつも「(若手には)なかなか席は譲れません!」と、ロックシーンの最前線を走り続ける自負についても強い言葉を投げかけた。

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』 写真=FM802提供

イベントの合間には「HYDEのことをもっと知りたい!」と、集まった来場者からの質問に答える時間も。質問を投げかけるファンの表情を見ようと、イスから立ち上がり、手すりに腰掛けて一段高い場所から会場を見渡すHYDE。「音楽フェスに遊びに行くときにオススメの服装は?」の質問には「露出が多ければ多いほどいいですね。水着とか」とニヤリ。さらに、今週末に開催される『氣志團万博2022 ~房総魂~』に出演予定の彼。「そこでしかやらない曲をやろうと思う」と、気になる発言も飛び出した。それぞれの来場者とのトークの締めには、それぞれが選んだ大好きな曲への思い入れを伝えるシーンも。「BELIEVING IN MY SELF」は「東京マラソン2020」のイメージソングに選ばれた楽曲。「くじけそうになったときにこの曲を聴いて、前向きになってもらえたら。(ファンからの)そういう話を聞くたびに自分が歌うときに、より思いが強くなる。あと、人生はあっという間。迷ってる暇はない。やりたいことは食い気味にやらないと」と、楽曲に込めた想いはもちろん、自身の音楽人生に懸ける思いについても語ってくれた。

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』

さらに、ドラムを始めたばかりだという来場者から楽器上達のアドバイスを求められると、ボーカリスト・HYDEからまさかの思い出エピソードが飛び出した。地元・和歌山にある音楽スタジオと楽器店でアルバイトをしていた頃、子供にドラムを教えていたことがあったとか。そして「どんな楽器も同じ、楽しくないと続かない。好きな曲を練習する、その楽しさで上手くなるはず」とアドバイス。さらに、L’Arc-en-Cielの楽曲「I’m so Happy」は叩きやすくて楽しいはずと、オススメの練習曲も伝授。

質問コーナーに登場した来場者たちはみなそろって「大好きです」と、HYDEへの大きな愛を言葉にして伝える。そして、「高みを目指して挑戦する姿がカッコいい!」というメッセージには、「守りに入るのは面白くない。負けてもいいから戦いたい。ダメになってもいいから、とにかく前へ進む姿が面白いと思ってもらいたい」と、自身の音楽活動に懸ける想いを語る。「売れる方法を考えたり、ニーズに応えるのは普通のこと。挑戦するからこそ、次の景色が、アーティスト像が生まれるはず」と熱弁。

「生きていて良かったとも思う瞬間は?」という質問には、「何かひとつ乗り越えたときの景色は格別。面倒でも頑張ったあとの一杯のお酒がうまいとか、何でもないものより努力して得たもののほうが良い。何でも自分で負荷をかけるようにしている」と、今もなお努力を惜しまない生き方をしていると語る。さらに、全国各地を巡ってきたライブ活動については「(2022年のツアー)ライブも最初はこんなにもやるつもりはなかった。でもやりだしたら、お客さんにかっこいいステージを見せたいし、みんなの嬉しそうな笑顔を見たら、あぁやって良かったと思う」とも。

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』

トークイベント後半には今年1月にリリースされたアルバム『HYDE COMPLETE BOX 2001-2003』についてのトークも展開。ロンドンで行われた当時のレコーディングの模様など、懐かしい映像も収められた、完全生産限定盤の豪華な作品だ。HYDEは当時を振り返りつつ、「(デビュー当初は)全部が挑戦。自分で全部やらないといけないと思い込んで、作詞作曲だけじゃなく、プロデューサーとのやり取りも、ジャケットから何から何まで全部自分で考えるのが新鮮だった。大変だけど、ワクワクした」と語る。

来場者とのトークイベントでは、一番大好きな曲として「evergreen」が数多く挙げられていたが、この作品はソロデビューした2001年に発表された1stシングル。今となっては懐かしい8cmシングルで、当時のジャケットやCDケースは棺桶型という、凝りに凝ったデザインだった。そして、20年を経てリリースされた『HYDE COMPLETE BOX 2001-2003』も、同じ棺桶型のデザイン。HYDEは当時のシングル作品を手にしながら、「(いま見ても)めちゃめちゃ可愛いな!  L’Arc-en-Cielだと4人の意見が交錯して思い通りにならないこともあった。(ソロで)一人だと自由にできる。思い通りに作った作品」と、ジャケットデザインの細部にまでこだわっていたことを伝える。

もうひとつの作品、『HYDE 20th Anniversary ROENTGEN Concert2021 Complete Box』には2021年に開催された京都・平安神宮でのオーケストラコンサートのライブ映像などが収録されている。雨の中で開催された当時のコンサートを振り返りつつ、「オーケストラや雅楽も加わった壮大なコンサート。一生のいい思い出。初日は雨でもういいやと思ったけど、終わったときにはまたやってもいいかなって」と、期待の高まる言葉も飛び出した。

気になる今後の活動については、しばらくは制作期間に入るとのこと。この日のイベント前日もレコーディング作業を行っていたらしく、まだまだ多忙な日々が続くという。そして、10月21日(金)に配信リリースが決定している、2022年第一弾となる新曲「PANDORA」の情報についてもお知らせ。実はこの曲、イベント直前に出演したFM802の番組放送内で解禁になったばかり。会場ではさっそく、フル音源をHYDEと一緒に視聴するという貴重な時間も。しかも、「せっかくなんで、出し惜しみしないで。短い時間だし、最大限に楽しんでもらえたら」と、楽曲に合わせて生解説&生歌唱するというプチライブ状態に! 連日のライブとレコーディング作業の連続で声の調子は良くないと語っていたにも関わらず、さらりと美声を響かせるまさかのサプライズ。ファンは興奮を抑えきれず、ライブさながらに楽曲に合わせて体を揺らしていた。

イベントはその後も、誕生日を直前に控えた来場者にバースデーソングを生歌唱でプレゼントしたり、好きなアイスのフレーバーや大好きなイチゴ味のかき氷について熱弁したりと、終始アットホームな雰囲気に。最後には集まった来場者らに、ソロデビュー20周年を迎えたことについて「好きな音楽を作るために、好き勝手やってきた。けど、20年前に作った曲を今も好きと言ってくれて、当時は意識していなかったけど、すっごいうれしい。あの頃、音楽的には今の自分から思うと……って感じだけど、その時の作品はその時にしか作れないから。その時のことを今も好きって言ってもらえるのは、自分の人生は悪くないなって思える。想ってくれるファンがいるってことは幸せもんだなぁと思います」と、柔らかな表情で語ってくれた。

今後の活動予定について、まだ未発表のものが多いが「僕が楽しんで選んでいることなので、きっとみんなも喜んでもらえることになるんじゃないかな。これからも見守ってもらえたら。今日はありがとう」と、感謝の想いを伝え、1時間以上に渡って繰り広げられた公開収録はここで終了。

HYDE×FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS –MORNING EDITION-』

なお、収録の模様の一部は9月17日(土)にFM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS-MORNING EDITION-』(7:00~12:00)の番組内で放送されるので、気になる人はぜひチェックを。

取材・文=黒田奈保子 写真=FM802提供(撮影:渡邉一生)

放送情報

FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS -MORNING EDITION-』HYDE 公開収録
日程:9月14日(水)
場所:うめきたSHIPホール(会場名公表可)
ゲスト:HYDE
DJ:仁井聡子
 
▽収録模様の一部は以下の番組でオンエアされます。
9月17日(土) 7:00‐12:00
FM802『SATURDAY AMUSIC ISLANDS-MORNING EDITION-』(DJ=仁井聡子)番組内
https://funky802.com/saiam/
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