『クレフェス』ジャンルを超えた強烈な個性を放つ5組がぶつかり合った最高の空間をレポート

レポート
音楽
2022.10.3
クレフェス

クレフェス

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クレフェス 2022.09.01(thu) SpotifyO-EAST

今年1月に開催予定だったが、新型コロナ感染拡大の影響で発表されていた出演者が揃うことが叶わなくなってしまい、開催延期となっていた『クレフェス』が7ヶ月の時を経て、ついに開催。強烈な個性を放つ5組が集結し、ロックバンド、アイドルとジャンルの枠を超えて、バチバチにぶつかり合ったこの日の様子をレポートする。開催を待ちわびた観客の楽しもうという気持ちや、熱気も凄かったです!

ENTH

ENTH

ENTH

ENTH

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身構えることのない自然体のステージで始まり、ゆるりと楽しい雰囲気で『クレフェス』の幕を開けたのはENTH。「クレフェス、開催出来て良かった~!」と喜びを告げたダト・ダト・カイキ・カイキ(Vo&Ba)。バニーガールならぬ、バニーボーイが運んできたショットグラスで乾杯するとバシッとギアを上げ、「HANGOVER」、「”TH”」、「WHATEVER」と激しく勢いよくぶっ放す。Takumi(Dr)の力強く正確なビートにNaoki(Gt)の攻撃的なギター、ダト・ダト・カイキ・カイキの重厚かつ軽快なベースボーカルと、荒々しくも巧みで絶妙なバランス感を持つスリーピースの歌と演奏でフロアの熱を上げると、「フェスなんでね。クソほど酒飲んで、やりたいことやっていきましょう」と笑い、「M.I.P.S」をヘヴィでダイナミックな演奏で魅せる。

ENTH

ENTH

ENTH

ENTH

続いて、疾走感ある「ムーンレイカー」で再び加速すると、早くも終盤戦。「気持ちいいですね、EAST! 楽しい!!」とミディアムテンポな「BOW!!」をのびのびした歌と演奏で聴かせ、ラストは「速いの行きます」と「BLESS」、「Get Started Together」と畳み込む。「やりたいことやっていきましょう」と語るMC通りの自由度の高いステージ、初めて観るであろう観客がルール無用で楽しむ姿は、『クレフェス』の魅力や面白さを早くも表現していた。

PIGGS

PIGGS

PIGGS

PIGGS 

PIGGS 

自身のテーマ曲的なOPナンバー「KICKS」からキュートに楽しく勇ましく、前へ前への攻めのステージでフロアをブチアゲたのはPIGGS。会場中がクラップを合わせた「とらえる」、勇ましい掛け声に拳が上がった「モナリザ」とアップテンポな曲が間髪入れずに続き、ライブが進むほどに勢いを増すばかり5人の歌とパフォーマンス。キュートで楽しく、アグレッシブで高揚感あるパフォーマンスはテンションが上がるばかり。新曲(タイトル未公開)は<My Name is PIGGS 全身全霊アイドル!>と力強く宣言する、メンバーそれぞれの個性を活かした自己紹介ソング。

PIGGS

PIGGS

PIGGS

PIGGS

強烈な個性を放つ一人ひとりに注目しても楽しいし、グループ全体を見ても楽しいしと、PIGGSの楽しみ方を丁寧にレクチャーする曲で、初めて観る人の心もしっかり掴んだ彼女ら。スリリングな曲調にサイレンの音や熱い咆哮が心揺さぶる「VISITOR」で会場の雰囲気を変えると、SHELLMEが「渋谷! もっともっとバイブス上げて行こうぜ!」とフロアを煽って、「LINK EMOTION」、「小さな叫び」と再びアップテンポな曲でライブを駆け抜ける。MCナシ、終始全力疾走の全身全霊で走り抜けたPIGGSの熱く楽しいステージは、観る者に強烈なインパクトを残した。

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

「始めよかーー!?」とあやぺた(Vo&Gt)が元気に叫び、軽快に疾走感ある「Joking」でど頭からフロアを煽りまくったDizzy Sunfist。「No Answer」、「Someday」とハイテンションにぶっ飛ばした序盤戦を経て、「今日はめちゃくちゃ楽しみに待ってた、クレフェスだぞーー!」と始まったMCでは、「今日、メイちゃんの誕生日でーーす!」とメイ子(Ba)の誕生日であることを告げ、彼女のイメージカラーだという青の光を観客にリクエスト。ペンライトの青の光がフロアに灯る中、あやぺたが弾き語りで「Happu Birthday」をプレゼントする。ほっこりした雰囲気から、「Life Is A Suspense」で始まった中盤戦は、パワフルでキャッチーな「ANDY」に拳が上がり、「Hey! Stay by my side!」の心躍るビートで体を揺らしてと、巧みなライブ運びでフロアを沸かせた彼女ら。

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfist

「ここにおるやつ全員、両手出してくれ!」と始まった「Tonight,Tonight,Tonight」では会場中が上下に手を振り合わせて、ワンマンさながらの盛り上がりを見せる。「みんなのおかげで最高の誕生日やな、おめでとう!」と笑顔を見せたあやぺたは、「バンドもアイドルもカッコ良かったら、ホンマにそれでいいと思ってる! ジャンルなんて、なんにも関係ない! ウチらも自分らでカッコいいと思うこと胸張ってやってるし、これからもやり続けます!!」と力強く告げると、「The Dream Is Not Dead」の堂々とした歌と演奏で魅せ、熱く拳を上げる観客と強い一体感を生む。自身が誰よりライブを楽しむ姿や、ライブバンドとしての誇りと自信に満ちた歌と演奏が観る者の心を動かし、会場に一体感が生まれていく様子がよく見えた、すごく良いライブだった。

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

バンドの爆音に迎えられ、4人がステージに登場。最新EP収録の新曲「Bite Off!!!!」でキュートにダンサブルに、ちょっぴり怪しくライブをスタートした我儘ラキア。「一緒に遊んでくれますか?」と観客のジャンプやヘドバンを誘うと、星熊南巫のボーカルがリードして「New World」へ。MIRIのクールなラップ、川﨑怜奈のエネルギッシュなダンス、海羽凜のセクシーさと、個々の魅力やカッコ良さもよく見えるこの曲でライブスキルの高さを見せると、「SWSW」では星熊が表現力豊かな歌唱力の高さを見せる。キュートさとたくましさを併せ持ち、ヘヴィな極悪バンドサウンドをポップにもロックにも聴かせる力を持つ彼女らの歌とパフォーマンス。

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

我儘ラキア

「Leaving」では楽しく手振りを合わせ、「SURVIVE」では胸に迫るパワフルなパフォーマンスに息を呑む観客。ラストは高揚感ある「Melody」から、「やっぱり音楽に壁がなかったことを一緒に証明してくれて、どうもありがとう。また辛くなったら、我儘ラキアのライブに遊びに来て下さい」と星熊が告げ、最新型のラキアが見える「GR4VITY G4ME」で力強くフィニッシュ。ジャンルの壁や垣根を楽々超えて、初めて観る人もブチアゲて、アイドルの強さを証明したラキア。短い時間だったが、彼女らの良いところがギュッと凝縮されていたこの日のステージは、“カッコ良ければなんでもアリ”の『クレフェス』の在り方や意義も体現していた。

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

♪毎日毎日、『クレフェス』はよぉ~! と、豊島”ペリー来航”渉(Vo&Gt)が「およげ!たいやきくん」の替え歌で『クレフェス』が無事開催されたことの喜びを歌い、突き上げるビートとでんでけあゆみ(Vo)の異常に打点の高いジャンプで観客をビビらせた「バズらせない天才」で勢いよくライブの幕を開けたのは、この日の大トリであるバックドロップシンデレラ。軽快なビートの「フェスだして」でフロアを問答無用で踊らせると、♪長い間、待たせてご~めんね!とアサヒキャナコ(Ba)が歌い、豊島の合図で観客が口をつぐんだハミング合唱を合わせてと、全員巻き込み型のライブで沸かせ、前半戦をかっ飛ばす。

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

バックドロップシンデレラ

MCでは「俺はクレフェスが何か分からない! たぶんクレフェスは、O-Crest店長のムロがコロナを経て、新しい時代のためのライブハウスを作るフェスだときっと思う」と豊島が自身の考えを語り、新しい時代に狼煙を上げるべく「台湾フォーチュン」で爆音を鳴らすと、「月あかりウンザウンザ」で会場中を踊らせ、負けじとでんでけがマンガみたいなヘンテコな踊りで対抗。「ライブハウスは踊らせるやつが偉いんじゃない、踊るやつが偉いんだ!」と観客を称えて送ったラストは、ロックンロールの祭ばやしに乗せた「さらば青春のパンク」。音楽を止めるな! なんてカッコいいことを言う気はないが。原始の時代から変わらず音を鳴らし踊り続けていた人間が、これからも音を鳴らし踊り続けることは間違いないと、彼らのライブを見て確信。新しい時代のライブハウスでウンザウンザを鳴らし、こんなハッピーな時間をもっともっとたくさんの人と共有出来れば良いなと心から思った。


取材・文=フジジュン 撮影=MASANORI FUJIKAWA

イベント情報

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我儘ラキア(BAND SET)
 
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