ヴィオラ奏者・小峰航一よりコメント到着 CD発売記念としてやりたい放題・好きな作品を集めた演奏会を開催
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小峰航一
2022年12月7日(水)京都市北文化会館にて、小峰航一(ヴィオラ)CD発売記念『Carte Blanche!』が開催される。この度、小峰航一よりコメントが届いたので紹介する。
【コメント到着】小峰航一(ヴィオラ) CD発売記念 Carte Blanche!
ヴィオラ奏者の小峰航一は、6歳よりヴァイオリンを宮澤健一氏に師事。11歳でヴィオラに転向し東京藝術大学附属高校、同大を経てパリ国立高等音楽院を最高位の成績で卒業する。2007年には日本演奏連盟主催のデビューリサイタルを東京文化会館にて開催し、音楽現代等各紙で好評を得た。同年国際ラヴェルアカデミーより「ボナ美術館賞」を贈られ、同アカデミーより『レシタル・ドゥ・プランタン』(春のリサイタル)に招かれラヴェルの生地でリサイタルを開催する。
その後、数々の公演に出演し、2012年には「関西弦楽四重奏団」を結成。ベートーヴェンを中心に様々な弦楽四重奏の演奏を展開し、定期的な演奏活動に加えてTV番組などにも出演している。
そんな小峰航一が関西弦楽四重奏団とともに、CD発売記念となる演奏会『Carte Blanche!』を行う。公演タイトルの『Carte Blanche!』はフランス語で「白紙委任」の意味。「やりたい放題」というテーマで行われるプログラムはどんな公演になるのか、期待しよう。
小峰航一 コメント
~コンサートに寄せて~
留学時にフランスでよく目にした「カルト・ブランシュ」なる言葉は、クラシック音楽だけでなく様々なジャンルの音楽家が好き放題やる企画のイヴェント名であったり、はたまた自由な創作料理名だったり、個性的なお店の名前だったり、兎にも角にも「やりたい放題」の意を持つ言葉です。
私、小峰航一の「カルト・ブランシュ」では何をやりたいか? 言えば、やはり敬愛するヒンデミットと大好きな弦楽四重奏につきます。そしてそのヒンデミットと弦楽四重奏が組み合わさった問題作も…2作目のCD「ダイアローグ」発売記念としまして、やりたい放題、好きな作品を集めた演奏会を開催したいと思います!
1作目「モノローグ」に続き、こんなに早く2作目のソロCDとなる「ダイアローグ」を完成させられるとは思ってもみませんでした。レコーディングは演奏会とはまた違った集中力と緊張感があり、この経験を経た後には自分の演奏や曲に向かう姿勢が大きく変わっていく感覚を持ちます。前回同様1日10時間位の演奏し録音し続ける長時間だった今回のヒンデミットのレコーディングでは、途中何かヒンデミットから語りかけられているような、不思議な感覚を持ちました。これは普段から仲間や生徒に語っていることですが、ヴィオラの達人であったヒンデミットの作品を演奏すると確実に楽器が鳴るようになります。それは作品と集中して向き合う時に、自然と演奏法をヴィオラの達人であった作曲家が教えてくれるからなのでしょう。レコーディングの最中でも、演奏中に数多くの改善点が見つかったり、今まで見えてこなかったような隠されたフレージングが見つけられたり、そしてレコーディングの後、尚一層ヒンデミット作品に深く向かい合えている自分に気付きます。これから先ももっともっと、そしてずっと弾いていきたいヒンデミットの無伴奏ソナタです。
関西弦楽四重奏団にて演奏するのは、フーゴー・ヴォルフの「イタリアン・セレナーデ」とベートーヴェンの「大フーガ」。何度も演奏している大好きな作品ですし、両名ともヒンデミットに大きく影響を与えている作曲家です。ちなみにヴォルフの「イタリアン・セレナーデ」はレーガーが管弦楽版に編曲していて、それには長大なヴィオラ・ソロの指定がありほぼ協奏曲のような編曲になっています。いつか演奏してみたい… 「大フーガ」は説明不要の名曲ですが、かのグレン・グールドをして「20世紀における対位法のの達人」と言わしめたヒンデミットの作品との組み合わせは、どんな化学反応が起こるのか楽しみです。
そしてヒンデミットの問題作「朝7時に湯治場で2流のオーケストラによって初見で演奏された『さまよえるオランダ人』序曲」。題名からふざけていますが、内容もこれでもかというほどふざけきっています!!! 乞うご期待。
好きな作曲家の好きな作品を組み合わせて好き放題のプログラムを考えるのは何にも増して楽しいものでした。ご来場の皆様にもその楽しさが伝わるよう精一杯演奏したいと思っております!
公演情報
会場:京都市北文化会館 (京都市営地下鉄烏丸線「北大路」駅下車1番出口直結)
ヴォルフ:イタリアン・セレナーデ(1892) 演奏:関西弦楽四重奏団
レーガー:無伴奏ヴィオラ組曲 第3番 ホ短調 op.131d-3(1915)
ヒンデミット : 無伴奏ヴィオラ・ソナタop.11-5(1919)
ヒンデミット:朝7時に湯治場で二流のオーケストラによって初見で演奏された
「さまよえるオランダ人」序曲(1925) 演奏:関西弦楽四重奏団
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラ・ ソナタ(1937)
ベートーヴェン:大フーガ 変ロ長調 op.133(1826) 演奏:関西弦楽四重奏団
全席自由:\3,000 当日:\4,000