マンウィズ、ホルモン、Vaundyら多彩な面々が集結 オーラル主催『PARASITE DEJAVU 2022』2日目レポ

2022.10.28
レポート
音楽

THE ORAL CIGARETTES 撮影=Ryotaro Kawashima

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THE ORAL CIGARETTES主催のイベント『PARASITE DEJAVU 2022 ~2DAYS ARENA SHOW in SAITAMA~』が10月22・23日、さいたまスーパーアリーナで開催された。THE ORAL CIGARETTESが『PARASITE DEJAVU』を開催するのは、2019年9月の大阪・泉大津公演以来3年ぶり2度目。1日目はTHE ORAL CIGARETTESのワンマンショウ、2日目はオーラル含む計8組のアーティストが集結するオムニバスショウで、各日約1万5千人が来場、大盛況のうちに幕を閉じた。

この記事では2日目の模様をレポート。開演前にはオーラルのメンバー4人が登場し、集まった観客に挨拶した。あきらかにあきら(Ba/Cho)は「今日は長丁場なので無理しすぎず、でも最大限楽しんで、今年一番と言っても過言ではない日にしましょう!」と伝え、寝起きのコーヒーがマイブームだが腸が弱い鈴木重伸(Gt)は、こまめな水分補給を促す。中西雅哉(Dr)は、物販紹介コーナー“まさやんショッピング”の時のような高い声で「『PARASITE DEJAVU 2022』DAY2、開演いたしまーす!」と開幕宣言を行った。

CVLTE 撮影=スズキコウヘイ

「それではみなさん、ルールを守って楽しんでください。1バンド目、CVLTEです!」と山中拓也(Vo/Gt)に呼び込まれ、トップバッターのCVLTEが登場。ロックともクラブミュージックとも接続するジャンルレスなバンドだが、壮大なサウンドスケープが持ち味だけに、アリーナもよく似合う。物怖じしない姿は大物になりそうな予感。広いステージをしっかり生かしたメンバーの華やかな振る舞いにも目を奪われた。彼らは新曲の「memento molly.」をはじめ10曲を披露。aviel kaei(Vo)の言う通り、多様な要素を内包するバンドの全容が知りたい人は、ぜひワンマンへ。もちろんそれは全アーティストに言えることであり、主催のオーラルもライブハウスと地続きのイベントになることをきっと望んでいるはずだ。

CVLTE 撮影=スズキコウヘイ

Vaundy 撮影=ハタサトシ

2組目はVaundy。現役大学生で出演者中唯一のソロアーティストだが、手練れのサポートメンバーが鳴らすバンドサウンドはどこまでも肉体的。そのグルーヴに乗って、ステップを踏み、歌い始めたVaundyの姿はもはや音楽そのものといった印象だ。「不可幸力」や「踊り子」、「裸の勇者」に「怪獣の花唄」など8曲を披露するなかで、囁いたりダイナミックに歌い上げたりと声の扱いも自由自在。半分を終えた時点で「疲れちゃった」と打ち明けるなどおちゃめなキャラクターも覗かせたが、そんな発言も飛び出すのも納得できるほど終始全力のパフォーマンスだ。ボーカリストとしての度量の広さと飾らない語り口から見える人間性に、この場にいる全員が惹かれたことだろう。

Vaundy 撮影=ハタサトシ

KEYTALK 撮影=Ryotaro Kawashima

3組目はKEYTALK。オーラルとは10年以上の仲だけに募る想いもあるのだろう。メンバーの気合いの入りようが演奏から伝わってくる。「みんなテンション高いね! これはオーラルへの愛ですね。そしてオーラルからの愛だと思います」という寺中友将(Vo/Gt)の言葉はそのまま彼らに跳ね返るものだ。4人とも抜群のプレイだが、オーラルあきらのように脚を高く上げてギターを弾く小野武正(Gt/Cho)の姿は特に目を引く。「MONSTER DANCE」に「Summer Venus」を重ねて初っ端から盛り上げつつ、オーラルもよく知る初期曲や“4本打ち”も披露、新曲「夜の蝶」で“今”を提示して去る構成から受け取れたメッセージも多かった。

KEYTALK 撮影=Ryotaro Kawashima

MY FIRST STORY 撮影=スズキコウヘイ

4組目はMY FIRST STORY。声は出せずとも本気でかかってこいと伝えるHiro(Vo)の覚醒のスクリーム、そして怒涛のバンドサウンドによる攻めのターンだ。「オーラルとしては火付け役をやってほしいんだと思います。みんなで一つになってくれますか、騒いでくれますか、一緒に踊ろうか!」と嵐のように激しい演奏で以って全8曲を鳴らした。Hiroが限界まで言葉を詰め込んでメッセージを伝えた「With You」から感じられたのは、オーラルにも通ずる“ロックとは弱い人間のとる武器だ”という精神性であり、自身のルーツとリスペクトを含んだオマージュ的な表現も。これは完全に本気のマイファス。全曲を終えたあと、メンバーは肩で息をしていた。

MY FIRST STORY 撮影=スズキコウヘイ

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

5組目はマキシマム ザ ホルモン。「maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」で始まり「恋のスペルマ」で終わる、上げた腕を下ろさせない、振った頭を止まらせない黄金のセットリストだ。ポップだが目まぐるしい曲調に、超絶技巧の連続。さらにライブでは、映像演出も情報量の多さに拍車をかけてくる。快楽が中毒になり、観客たちは熱狂しっぱなしだ。MCでは、オーラルあきらの「ホルモン聴きながら数学やると速く解ける」発言を受け“あきらかにあきら=あきら100%”という方程式を打ち立てる一幕も。ダイスケはん(キャーキャーうるさい方)が「今日は間違いなく最後にあきら100%が見れるでしょう」と言ったあと、カメラはステージ袖で笑うあきらを一瞬映したが、果たして伏線は回収されるか。

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

凛として時雨 撮影=ハタサトシ

6組目は凛として時雨。ハイトーンボイスで歌いながら、技巧的なギターを弾くTK(Vo/Gt)。TK同様、歌いながら楽器もガシガシと鳴らす345(Vo/Ba)。腕2本、脚2本から繰り出しているとは思えないほど手数の多いピエール中野(Dr)。どうしたら3人でこんな音が鳴らせるのかと感嘆せざるを得ないアンサンブルは、観客一人ひとりを刺しては仕留めるような、鬼気迫るものが感じられて最高だ。これまでとは全く違う空気が場内に流れる。彼らは「今日はオーラルとここに来ているみなさんに全てを捧げるために来ました」と挨拶しつつ、8曲を披露。TKがギターを衝動的に掻き鳴らしたあと、残響音だけを残してステージを去る「傍観」ラストシーンは、観る人に鮮烈な印象を残したことだろう。

凛として時雨 撮影=ハタサトシ

MAN WITH A MISSION 撮影=Ryotaro Kawashima

7組目はMAN WITH A MISSION。ギターリフのカッコよさで攻める「Get Off of My Way」、心で歌いたくなる「Emotions」などロックの精神を主軸にしつつ、グラデーションを描くように音像が変化する「INTO THE DEEP」に象徴されるように、様々な進化と革新を経た上でスタジアムロックを鳴らす彼ら。その壮大なサウンドによって、アリーナはあっという間に一体感に包まれた。ジャンケン・ジョニー(Gt/Vo/Raps)のMCでは、マンウィズのツアーにオーラルが参加した6年前以来、なかなか対バンする機会がなかったが、オーラルあきらが犬アレルギーだからしょうがない、命にかかわるから、というエピソードで場を和ませる一幕も。みんな大好き「FLY AGAIN -Hero’s Anthem-」の盛り上がりで締め、オーラルにバトンを渡した。

MAN WITH A MISSION 撮影=Ryotaro Kawashima

THE ORAL CIGARETTES 撮影=スズキコウヘイ

そしてTHE ORAL CIGARETTESは、前日と同じく「Red Criminal」でスタート。しかし前日よりもさらに逸る気持ちが形になったような演奏で、その変化が競演7組から受け取ったものを明確に物語っていた。ここで「初っ端から友達呼んで、思いっきり遊ぶぞ!」と早くもKamuiが登場。そして「ENEMY feat.Kamui」を披露。さらに「BUG」になだれ込むといういきなりトップスピードな展開だ。MCでは「どうも、ヘビースモーカーのみなさん(ホルモンメンバーがオーラルファンをこう命名)」と山中が挨拶し、あきらがあきら100%的な台詞を言い、「犬アレルギーだからかゆいわ」と笑うなど、早速すべての前フリを回収。「もう楽しくなってます。みなさんから愛をいただいて。めちゃめちゃ幸せだわ。マジありがと!」と山中が言うまでもなく、この2日間を心から楽しんだ4人の充実感は伝わってくる。「楽しかった?」という山中からの投げかけに対し、拍手で応えた観客も同じ幸福感を共有していたことだろう。

THE ORAL CIGARETTES / Kamui 撮影=ハタサトシ

THE ORAL CIGARETTES 撮影=Ryotaro Kawashima

中盤では「STAY ONE」、「N.I.R.A」、「通り過ぎた季節の空で」と初期曲を中心に披露。コンセプトを纏った前日のワンマンに比べ、今は仲間と楽しい時間を共にしている喜びをその演奏に乗せる4人だ。「5150」では「絶対に忘れません」と眼前の光景に目を細める。そして「友達呼んでます。悪魔、MAH!」とMAH (SiM)を呼び込んだのを皮切りにコラボタイムへ。同時にライブのクライマックスに突入だ。

THE ORAL CIGARETTES / MAH(SiM) 撮影=ハタサトシ

THE ORAL CIGARETTES / Hiro(MY FIRST STORY) 撮影=ハタサトシ

MAHと共演したのはもちろん「CATCH ME feat.MAH(SiM)」で、山中とMAHが一斉に声を張るオープニングから曲が終わるその瞬間まで刺激的なシーンの連続。続いてはHiroを招いての「BLACK MEMORY feat.Hiro (MY FIRST STORY)」。山中とHiroが向かい合ったり肩を組んだりしながら歌い繋ぐ中、鈴木は膝からスライディングし、花道に倒れ込みながらソロを炸裂させた。そんな鈴木のみならず、山中もあきらも中西もテンションの高いプレイを見せ、そのうえで「狂乱 Hey Kids!!」では「気持ちで、身体で来いよ!」と観客に投げかける。

THE ORAL CIGARETTES 撮影=スズキコウヘイ

THE ORAL CIGARETTES 撮影=スズキコウヘイ

「みんなに幸せいっぱいもらったわ! これからもこの幸せ共有しましょう!」と本編ラストに選ばれたのは「LOVE」。愛に満ちたこの空間でこれ以上にふさわしい選曲はないだろう。<一人で笑う事は出来ない>という実感とともに、晴れやかなバンドサウンドが鳴らされる。彼らの言う仲間とは、2日間ステージをともにしたアーティストたちだけではない。<共に歩む仲間信じて>と歌いながら山中がステージだけでなく客席も指していたように、ロックシーンの未来を信じる観客一人ひとりも彼らにとって大切な存在だ。あきら、鈴木、中西が満面の笑みでいる中、山中は「俺らと一緒に笑っていきましょう。俺らとバンドマンの仲間、全員ついてます」と伝えながら感極まった様子でしゃがみこんでしまっている。そんな温かい場面とともに本編は幕を閉じた。

THE ORAL CIGARETTES 撮影=Ryotaro Kawashima

THE ORAL CIGARETTES 撮影=Ryotaro Kawashima

そしてアンコールでは、来年2月より全国対バンツアー『COUPLING TOUR 2023』を開催することを発表し、「mist...」を演奏。「いつか歌える日が来ることを願って」という言葉を添えて未来へ繋げるとともに『PARASITE DEJAVU 2022』を締め括ったのだった。『COUPLING TOUR 2023』のガイドラインは開催時期の状況を鑑みて慎重に協議・決定していくが、メンバーには「一歩前に進めるようなツアーにしたい」という想いがあるとのこと。振り返れば、オーラルは2020年春に『COUPLING TOUR「Tonight the silence kills me with your fire」』をやむなく中断、振替を試みるも最終的に中止を決断しており、今度のツアーにはリベンジの意味合いも含まれるのだろう。信頼できる仲間とともに、心から笑える日々とロックシーンの未来を奪還していくTHE ORAL CIGARETTESの旅は、これからも続いていく。


取材・文=蜂須賀ちなみ  撮影=各写真のクレジット参照

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