劇団昴が千葉哲也と初タッグ　舞台『WE HAPPY FEW われら幸運な少数』上演決定

2023年5月20日(土)～6月4日(日)Pit昴／サイスタジオ大山第一にて、 劇団昴『WE HAPPY FEW われら幸運な少数』の上演が決定した。

本公演では、湯屋敦子（名探偵コナンの佐藤刑事役でお馴染み）と高山佳音里、他劇団昴の女性陣を中心としたアンサンブルで上演される。

第二次世界大戦下のロンドンに誕生した実在の女性だけのツアー劇団、オシリス・プレイヤーズ。物語では「アルテミス・プレイヤーズ」と名前を変えて描く。

シェイクスピア、バーナード・ショウ…イギリス演劇を多くの国民に観てもらうため、戦時中の娯楽の乏しさを認めた政府からガソリンの割当てを得て、国内各地、時には村の牧草地も舞台にし、1500回もの公演を実現したその情熱、劇団を主催するヘレンから周囲の人々に感染するその情熱はそのまま舞台を通して観客に伝わっていく。昴と初タッグとなる千葉哲也が演出を手掛け、共にPit昴という濃密な空間で描く。

この作品のタイトル「WE HAPPY FEWわれら幸運な少数」はシェイクスピアの「ヘンリー五世」の台詞から。ヘンリー五世が戦いを前に兵士達に演説した言葉、”我ら少数の軍隊で大軍と戦わなくてはならない、われら幸運な少数の者たちよ”と兵士を鼓舞。

さまざまな問題を切り抜け、「血と汗と涙と重労働」（作者の言葉より）を重ね、旅公演に彼女たちが突き進む姿をタイトルは表す。またコロナ禍での活動自粛や制限を受けた状況の中の世界の舞台関係者へのエールにも聞こえるヘティの台詞、「芸術は魂を養うんです」に戦時下の彼女たちの心意気を感じる作品となる。

●演出家／千葉哲也　ちばてつや

俳優・演出家。演劇企画集団THE・ガジラの中心的な俳優として多くの作品に出演。読売演劇対象優秀男優賞や紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞し、舞台やテレビドラマ、映画等その活動は多岐にわたる。(23年NHK大河ドラマ「どうする家康」に大鼠役で出演)更に演出家としても読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞する等評価は高い。最近の演出作品に『A WALK IN THE WOODS─森の中で─』(まつもと市民芸術館)、『マヌエラ』((株)パルコ)等。劇団昴とは初タッグとなる。

●出演者紹介

フローラ／湯屋敦子（ゆやあつこ）

平成4年より所属。劇団昴では『テムペスト』(ミランダ)、『アルジャーノンに花束を』(アリス・キニアン)、『嘆きの天使』(ローザ)、『夏の夜の夢』(ヘレナ)等数々のヒロイン役を演じてきたが、子育ての為舞台出演を休み、育児に専念。今回「ママの舞台観てみたい」という娘さんの声援を受け座内のオーディションへ応募、この役を掴んだ。ヘティ役の高山と二人、物語の中心を生きる女性フローラを演じる。久しぶりの舞台復帰に劇団内外の期待は高い。　舞台以外に、アンジェリーナ・ジョリーの声の吹替えをはじめ「BONES」（テンペランス・ブレナン）、「バイオハザード」シリーズでは ジル・バレンタイン役を担当、アニメ「名探偵コナン」では佐藤美和子刑事の声の出演をする等、数々の作品で大活躍中。

ヘティ／高山佳音里（こうやまかおり）

平成5年より所属。最近の舞台出演に劇団昴では『汚れた手』（オルガ／森新太郎演出、読売演劇大賞最優秀演出家賞受賞作）、『評決The Verdict』(ルーニー看護師)、昴ザ・サード・ステージ作品では『THE GREEKS』（アンドロマケ）、『8月のオーセージ』(バーバラ)など。他に「ER緊急救命室シーズン５」、「ザ・プラクティス～ボストン弁護士ファイル」「マッドバウンド 哀しき友情」（Netflix）、「デス・プルーフinグラインドハウス」「Ray/レイ」等海外ドラマの吹替えにも活躍。また映画「その音がきこえたら」(霊能者七尾里朱)への出演、専門学校の講師を務め演劇教育にも携わる等、多岐に渡り活躍の場を広げている。この作品を十年以上も前から注目していた高山。アルテミス・プレイヤーズの中心人物、ヘティを演じる意気込みは並大抵のものではない。ヘティの情熱を自身とも重ね合せて演じる。