かわいくてカラフルで、オシャレな写真が盛りだくさん! 『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』レポート
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『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』展覧会
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』が、5月26日(金)まで寺田倉庫G1ビルにて開催されている。独創的なストーリー、ユーモアに満ちた作風、洗練されたビジュアルにより、多くのファンに支持されている映画監督、ウェス・アンダーソン。本展は、そんなウェス・アンダーソンの世界を体現する風景写真を掲載するInstagramコミュニティ、《Accidentally Wes Anderson (AWA)》から厳選された300点余りの写真を、旅に関する10のキーワードで紹介するものだ。ここでは、プレス内覧会の様子を、展覧会アンバサダーを務める本田仁美(AKB48)も登壇したオープニングイベントとともに紹介しよう。
旅を連想する会場、ポップでカラフルな写真を満喫
ウェス・アンダーソンの映画作品、『ムーンライズ・キングダム』の主人公をイメージしたというパステルカラーの衣装で登場した本田。本展のテーマである「旅」に関して、「自分の足でその場に踏み込むのは刺激を受けるし、旅はきっかけやヒントをくれる」と語る。海外で訪問した場所としてはロサンゼルスが印象的だったそうで、今後行ってみたいのはヨーロッパなのだそう。なかでもパンやチーズやワインが好きなので、フランスに足を運んでみたいとのことだ。
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』展覧会アンバサダー・本田仁美(AKB48)
本展を鑑賞した感想は「知らなかった美しい場所があると感じることができるので、展覧会に足を運んで世界中の素敵な場所を発見してほしい」と話す。展示の10のキーワードの中では、自然の風景を集めたピンクの空間【Relax in Nature】が特に印象に残ったそうで、世界中の双眼鏡(観光望遠鏡)の写真がキャラクターの顔のようでかわいかったと述べた。そして「カラフルでオシャレな空間を、是非、友達や家族、大切な方と楽しんでほしい」という熱い言葉で締めくくった。
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』展覧会アンバサダー・本田仁美(AKB48)
本田仁美もお気に入り、【Relax in Nature】
Instagramコミュニティから書籍の出版、展覧会開催へ
本展の写真が掲載されているInstagramコミュニティ《Accidentally Wes Anderson (AWA)》は、アメリカ・ブルックリン在住のワリーとアマンダ・コーヴァル夫妻が、旅行計画のバケットリスト(死ぬまでにしたい100のこと)を構想して2017年に立ち上げたものだ。夫妻は行ってみたい場所をネット上で検索し、許可を得た上でAWAのアカウントに画像を投稿、後に自分たちでも投稿するようになる。ポップでカラフルな風景写真が並ぶAWAはみるみるうちに人気を博し、いまやフォロワー178万人を誇る人気コミュニティに発展(2023年4月18日時点)。本アカウントの投稿画像はウェス・アンダーソン公認の書籍『ウェス・アンダーソンの風景 Accidentally Wes Anderson 世界で見つけたノスタルジックでかわいい場所』としても出版。本書籍は2020年のニューヨークタイムズで発表されたベストセラー第4位に輝いた。そして書籍を見た韓国の方がウェス・アンダーソンの大ファンで、展覧会を開催する運びになったという。昨年韓国で開催された本展は、25万人もの観客を動員した。
展覧会冒頭、【Welcome Adventures】のゾーン
ウェス・アンダーソン作品の特徴は、独創的なストーリー展開と、ビジュアル的にもこだわり抜いている点にある。本展ではビジュアル面の「シンメトリー(左右対称)」「パステルカラーの多用」「デコラティブ(装飾的)」という3点に着目し、少なくともどれかひとつの特徴を備えた写真を展示している。いずれの写真もかわいらしくてユーモラスで、どことなくノスタルジックだ。魅力がダイレクトに伝わり、見ているだけで明るい気持ちになれるので、国境を越えて人気を博しているということも大いに納得できる。
ウェス・アンダーソン作品の特徴を備えた写真をたっぷり鑑賞
映画の中に入り込んだかのような空間
展示をより楽しめる仕掛けも
会場は、作品を紹介する10のキーワードに基づいてゾーンで分けられている。飛行機やバスなどの写真が集まる【Mind the Gap】は、ウェス・アンダーソンの映画『ダージリン急行』を想起させ、【Check in, Please】は同監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』の世界に入り込んだかのようだ。各ゾーンには趣向が凝らされてリアリティがあり、テンションが上がる。
【Mind the Gap】のゾーン。まるで車窓から見る風景のよう
【Mind the Gap】の作品の一部。一定時間で写真が切り替わっていく
【Check in, Please】は、まるでホテルのフロントそのもの
ベンチや浮き輪などが飾られ、ポップなプールサイドにいるような【Cool Pools】、ターコイズ・ブルーとピンクの写真が集結し、壁に国名が記載された【Colorful Collection】などは、足を踏み入れるだけでわくわくしてくる。ゾーンごとに雰囲気が異なるので、世界中のいろいろな都市や国を旅しているような気分になれるだろう。
ポップなプールサイドのような【Cool Pools】
【Colorful Collection】では、ターコイズ・ブルーとピンクの写真が集結
展示をより楽しめる、嬉しい仕掛けもある。最後のゾーン【Visitors Center】では、特製のボーディング
【Visitors Center】で、選択しながら入力すると……
ボーディングチケットを作成できます。展覧会の思い出に
写っている場所をより知りたくなる
想像力を刺激する写真と解説
本展の作品はすべて彩り豊かで美しく、場所の魅力を最大限に引き出している。鑑賞していると、この場所の歴史をもっと知りたい、この建物の実物を見てみたい、という気持ちになってくる。
場所の歴史や背景を、深く知りたくなる写真も
鑑賞していると、実物の建物も見てみたくなる
本展の300点余りの写真のうち、100点余りには解説がついており、各ゾーンの入り口に提示されたQRコードを読み取ることで、解説ページにアクセスすることができる。作品解説はAWAのスタッフの手によるもので、歴史的・文化的背景や短い物語からなり、通常の旅行ガイドとは異なる視点と独特の味わいがある。本展は、ビジュアル面のみならず、さまざまな方面の想像力や好奇心を刺激してくれるのだ。
解説ページがある写真も。解説は読み物としても充実している
物販も充実しており、本展開催のきっかけとなった書籍や、韓国・ソウル直輸入のグッズのほか、刺繍ハンドタオルやアクリルマグネットといった東京展のオリジナルグッズも販売されている。展覧会のイメージにあわせたポップでカラフルな物が多く、とてもかわいらしい。
物販コーナー
カラフルでオシャレな写真に囲まれ、映画を思わせるリアルなセットにテンションが上がる『ウェス・アンダーソンすぎる風景展』は、旅への前向きな好奇心が喚起される、楽しい展覧会だ。本展は写真撮影OKなので、カラフルな展示エリアで写真を撮るのも映えそうだ。足を踏み入れた瞬間に気持ちが上がる本展を、どうかお見逃しなく。
文・撮影=中野昭子
展覧会情報
会期:2023年4月5日(水)~5月26日(金) ※休館日なし
会場:東京・天王州 寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川2-6-4)
※毎週金・土曜、GW(4月30日~5月4日)、最終週(5月22日~25日)は、11時~20時
※状況により、会期・開館時間等が変更となる場合がございます
※本展は予約不要ですが、状況によりオンラインによる事前予約が必要となる場合がございます
※未就学児は無料、学生券購入時は、学生証を提示していただきます(小学生は除く)
※障がい者手帳の提示で、本人と付き添いの方1名は半額(一般1,000円、大学生750円、高校生以下500円)
後援:品川区
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)