【X Games】5分で分かるBMX フラットランドの魅力とは?
-
ポスト -
シェア - 送る
Brett Wilhelm / ESPN Images
『X Games Chiba 2023』が5月12日(金)~14日(日)、ZOZOマリンスタジアム(千葉県)で行われる。
BMXは大まかに分けるとレースとフリースタイルという2つのカテゴリーが存在する。このうち『X Games Chiba 2023』では、フリースタイルの競技から「ストリート」、「パーク」、「フラットランド」、「ベストトリック」の4つが実施される。
このうち、BMX フラットランドは“スピードを出して走る”ということがほぼなく、車体も少し違うなど、BMX フリースタイルの中でも特殊な種目だ。BMXとスペースがあればトリックを披露できるので、ショーなどでも取り入れやすく、商業施設などでもその様子を見ることができる。『ロサンゼルス2028 夏季オリンピック』では、BMX フラットランドが正式種目になるとの噂もあるようだ。
今回は、そんなBMX フラットランドについて、知っていると観戦がもっと楽しくなる情報をおさらいしておきしたい。
BMX フラットランドって、どんな競技?
BMX フラットランドはセクション(障害物)などを一切使用せず、平地でBMXの車体のみを使ってトリックを繰り出していく、パフォーマンス性の高い種目だ。イメージとしてはフィギュアスケートやダンスに近いだろう。使用するコースは『X Games Chiba 2023』の全競技の中でも最もコンパクト。観客はその様子を間近に見ることができるため、選手たちの熱量を感じやすい。
大会では基本的に1対1による、対バンのような形式で選手が対戦する。相手が繰り出したトリックに対して、自分がどう返すか。無難にプログラムをこなすのではなく、いかに観客を沸かせるかが、重要なポイントとなっている。このため、観客が声を上げればあげるほど、表彰台が近くなっていくと言えるだろう。
Hikaru Funyu / ESPN Images
『X Games Chiba 2023』では、8名のライダーが1対1の対戦を行うトーナメント方式で競技が行われる。各ライダーの持ち時間は90秒。トリックやルーティンを実行している間のみ、時間がカウントされていく。
審査の大きな基準となっているのが、やはりトリックだ。スピンをしたり、一輪で走るなど、回転や小回りを活かしたものが多い。中でも注目したいのが、昨年の『X Games Chiba 2022』で優勝した早川起生の得意技でもある「サーカス」。前輪だけを浮かせてくるくる回転するものだが、これを「何秒続けられるか?」と見ているだけでも面白い。
Hikaru Funyu / ESPN Images
前回の千葉大会では最年少の早川起生が優勝
昨年は19年ぶりに『X Games』でフラットランドが復活したということもあり、大きな注目を集めた。その中で当時20歳と最年少で金メダルを獲得したのが早川だ。
早川は元々補欠での登録だったため、出場できなくなったライダーへの思いを受け継ぐなど、通常とは異なるメンタルで大会に挑み、見事に結果を残した。試合後のインタビューで涙を流していたのも、単純に嬉しかっただけではないだろう。
その早川と対戦して銀メダルを獲得したのがアレックス・ジュメリン。45歳と早川とは二回り以上も離れているレジェンドだが、昨年は国内大会で優勝するなど未だ衰え知らずで、そのモチベーションの高さに驚かされる。
Brett Wilhelm / ESPN Images
今年の注目選手は?
『X Games Chiba 2023』のBMX フラットランドには、日本人ライダーが4名出場する。それぞれが特徴的なストーリーを持っているので、その背景を知った上で声援をおくりたい。
その中でも注目なのが、地元・千葉県出身の佐々木元だ。昨年は惜しくも銅メダルに終わったが、同年11月にUAEで開催した『2022 UCIアーバンサイクリング世界選手権』で悲願の世界選手権初優勝を飾るなど、非常に充実した時を過ごしている。今年3月の記者会見では「昨年で一番面白かった大会は『X Games Chiba 2022』」と話しており、やはり地元での大会は特別だったようだ。本人としては「楽しみながら金メダルを目指す」ことを掲げており、刺激的なトリックを期待したい。
Hikaru Funyu / ESPN Images
さらに、日本人最年長である内野洋平は、40歳にしてどのような境地を見せるのか? それとも、若手ホープの高校3年生で最年少の片桐悠が、新たな時代を切り開くのか? ディフェンディング チャンピオンの早川を含め、日本人選手の躍進に期待したい。
今年の大会スケジュールは?
『X Games Chiba 2023』のBMX フラットランドは、5月14日(日)に行われる。現在の出場予定は、日本人ライダー4名を含めた、国内外のトップ選手8名。彼らがどんな演技を見せてくれるのか、ぜひZOZOマリンスタジアムで確かめたい。