舞台『ブルーロック』竹中凌平(潔世一役)×佐藤信長(蜂楽廻役)、俳優としてのエゴが覚醒する瞬間「嫉妬も原動力のひとつ」
-
ポスト -
シェア - 送る
竹中凌平、佐藤信長 撮影=福家信哉
人気漫画を舞台化した『ブルーロック』が5月4日(木)〜7日(日)にサンケイホールブリーゼ(大阪)、5月11日(木)〜14日(日)にサンシャイン劇場(東京)にて上演される。公演を前に潔世一(いさぎよいち)役の竹中凌平、蜂楽廻(ばちらめぐる)役の佐藤信長が、それぞれの「エゴ」を語った。
竹中凌平、佐藤信長
同作は、全国の優秀なストライカー300人が「ブルーロック」と呼ばれる施設のなかで数々の試練に直面しながら、サッカーの日本代表選手を目指すデスゲーム型の物語。挫折から這い上がるために「ブルーロック」に参加する主人公、潔世一(いさぎよいち)を演じるのが、『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGEに出演した竹中凌平、自由奔放だがサッカーセンスが抜群の蜂楽廻(ばちらめぐる)に扮するのが、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズに出演の佐藤信長。
吹田Gステージでのトークイベントの様子
竹中、佐藤は4月9日(日)、パナソニックスタジアム吹田でひらかれたJ1リーグ、ガンバ大阪対川崎フロンターレの試合前、吹田Gステージでのトークイベントに登壇。「ピッチも見せていただいて、すごく広いなと驚きました」(竹中)、「これからプロの選手の試合が観られるので、いろんな引き出しが増えると思います」(佐藤)と胸を高鳴らせた。
ハーフタイム中のビジョン出演の様子
ハーフタイム中にはビジョンに出演して「試合前からお客さんの熱気が伝わってきて、試合が始まってから圧倒されています」(竹中)、「体に響くものがあります」(佐藤)とゲームの感動を口にした。
さらにふたりは単独インタビューにもこたえ、『ブルーロック』の見どころなどを語ってくれた。
竹中凌平
――作品には個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、ご自身と役の共通点はなにかありますか。
竹中:僕は学生時代、卓球で全国大会出場をあと1点のところで逃してしまって。それは、潔世一が初試合で経験する悔しい気持ちと似ている部分があるんです。僕はそこで卓球を辞めてしまったこともあり、今回の役が過去の自分を背負ってくれているところもあります。だから、舞台の上で潔くんと一緒に戦っていけるのが嬉しいです。他人事とは思えず、共感できる点がたくさんあります。
佐藤:蜂楽廻に「絶体絶命ってやつはビビる局面(とこ)じゃない! ワクワクする舞台(とこ)」という台詞があるのですが、僕自身、本番前の緊張を楽しめるタイプなんです。そこが役と共通する部分です。それに蜂楽廻は、作品のなかでも一番自由でトリッキー。すごくおもしろいキャラクターなので、ステージでは暴れ回りたいですね。
佐藤信長
――各登場人物は作品のなかで数々の試練に見舞われ、それをどう乗り越えていくのかがポイントになります。
竹中:特に1次セレクションは全部が壁になっています。「次、負けたら終わり」という状況が続きますし、それは彼らにとって大きな試練。演じる側としてもメンタルがどんどん削られていくストーリー展開になっています。
佐藤:ルール的に「脱落したら日本代表に入れない」ということも大きなプレッシャーになります。だからこそ自分と合うチームメイトを選んで勝ち上がっていくしかない。日本代表になりたい選手が300人も集まっているのに、そのなかから299人がなれないというのはすごく厳しい試練ですよね。
竹中凌平
――そういった物語の設定に重ねておふたりにお伺いしたいのですが、俳優として生き残る術はなにかありますか。
竹中:よく「俳優には勝ち負けがない」と言われますが、でも生き残りはある気がしているんです。たしかに正解、不正解はありません。ただ、オーディションでは絶対に合否が下されますし、白黒がはっきりする世界。じゃあそのなかでどう勝ち残るのかというのは、それこそ答えが見つからない難しい話ではあります。
佐藤:作品一つひとつに真摯に向かい合うしかないですよね。そしてスタッフさん、お客様から信頼を得なければいけない。
竹中:結果がすべてだけど、でも運も間違いなくあると思います。努力は必要だけど、それだけでは語れない。若い頃には「自分に運が巡ってきていないな」と感じたとき、周りをうらやむこともありました。現在でも良い意味で、嫉妬をすることがあります。むしろ、それがないとだめな気がするんです。決して満足してはいけないというか。
佐藤信長
佐藤:たとえひとつの大ヒット作があったとしても、それに安心するとすぐに転げ落ちてしまうもの。だから努力し続けて、目の前のことに対して全力で挑んでいくしかないですよね。どれだけやったって、2年後にはどうなっているか分からないものですから。
竹中:コロナ禍になってから特にそう思うようになりましたよね。
佐藤:うん、続けたくてもそれができなくて辞めていった俳優仲間もたくさんいました。そんななかで、どうやって自分のモチベーションを保っていけるか。そのひとつとして、凌平くんが言ったように嫉妬を原動力にすることがあるかもしれません。僕も何度も嫉妬してきました。後輩が活躍するところを見るとやっぱり悔しい。それに、SNSでのいろんな数字を見ると現実をつけられることもある。ただ、それを活動のバネにできるかどうかが重要だと感じています。
竹中凌平、佐藤信長
――『ブルーロック』では登場人物たちがエゴを貫きながら、チームを勝利へと導いていきます。おふたりはこれまで、「こういうふうにして物事を成功に導いた」というエピソードはありますか。
竹中:以前「凌平は芝居がブレない」と言ってもらったことがあって。もしかすると、そういうブレなさがうまくいっていることもあるのかなと、今となって思うことはあります。ただ舞台はひとりで完成させることは絶対にできない。だからこそ、いかにみんなと一緒に頑張っていけるかどうかが重要ですよね。
佐藤:自分は、学生時代にバレーボールをやっていました。ひとつ上の先輩がいなくて2年生時も部員が6人ギリギリだったんですけど、地区大会では3年生チームが揃うなかで上位に食い込んだんです。ただ練習のやり方が分からず毎日同じことばかりやっていて、高いレベルのことに挑戦していなかった。そしていざ3年生になったとき、地区大会では優勝できず、県大会でもベスト8止まり。新しいことに挑戦しないと周りはすぐに追いつき、追い越していくもの。その経験があったからこそ、どんな仕事も自分なりに良い方向へ持っていけているのだと思います。
竹中凌平、佐藤信長
取材・文=田辺ユウキ 撮影=福家信哉
公演情報
『ブルーロック』(講談社「週刊少年マガジン」連載)
潔 世一:竹中凌平
蜂楽 廻:佐藤信長 國神錬介:松田昇大 千切豹馬:佐伯 亮
久遠 渉:佐織 迅 雷市陣吾:佐藤たかみち 我牙丸 吟:村松洸希 伊右衛門送人:澤田拓郎 五十嵐栗夢:書川勇輝
馬狼照英:井澤勇貴 二子一揮:坪倉康晴 鰐間淳壱:船木政秀 鰐間計助:川井雅弘
凪 誠士郎:小坂涼太郎 御影玲王:菊池修司 剣城斬鉄:益永拓弥 絵心甚八:横井翔二郎
アンサンブル:安藤勇雅 窪寺直 土居健蔵 中土井俊允 牧野裕夢
2023年5月4日(木)~7日(日)〈大阪〉
2023年5月11日(木)~14日(日)〈東京〉
サンケイホールブリーゼ〈大阪〉 〒530-0001 大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼタワー7F
サンシャイン劇場〈東京〉 〒170-8630東京都豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ 文化会館4F
【制作】Office ENDLESS(豊島区国際アート・カルチャー特命大使/SDGs特命大使)
【サッカー指導】エリース東京(豊島区国際アート・カルチャー特命大使/SDGs特命大使)
【公演のお問合せ】公演事務局: info@officeendless.com(平日10:00~17:00)
※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。
【
5月5日(金)17:30公演
登壇:竹中凌平(潔 世一)/佐藤信長(蜂楽 廻)/松田昇大(國神錬介)/佐伯 亮(千切豹馬)
5月6日(土)13:00公演
登壇:小坂涼太郎(凪 誠士郎)/菊池修司(御影玲王)/益永拓弥(剣城斬鉄)/横井翔二郎(絵心甚八)
5月6日(土)17:30公演
登壇:竹中凌平(潔 世一)/井澤勇貴(馬狼照英)/小坂涼太郎(凪 誠士郎)/菊池修司(御影玲王)
5月7日(日)13:00公演
登壇:佐藤信長(蜂楽 廻)/佐伯 亮(千切豹馬)/坪倉康晴(二子一揮)/益永拓弥(剣城斬鉄)
5月12日(金)14:00公演
登壇:竹中凌平(潔 世一)/佐藤信長(蜂楽 廻)/小坂涼太郎(凪 誠士郎)/菊池修司(御影玲王)
5月12日(金)18:30公演
登壇:松田昇大(國神錬介)/佐伯 亮(千切豹馬)/井澤勇貴(馬狼照英)/横井翔二郎(絵心甚八)
(c)金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』製作委員会