仲道郁代のモーツァルトで祝う新年

2016.1.6
ニュース
クラシック

寺神戸亮率いる「レ・ボレアード」と三つの協奏曲を

新年に聴くクラシックといえばシュトラウス・ファミリーのワルツ、ポルカがもはや定番、各地で数多くのコンサートが開かれているけれど、「他の音楽も聴きたい」なんて思われる方にうってつけのコンサートをひとつご紹介したい。

この週末の9日に、「モーツァルト 三大協奏曲」と銘打って一味違うニューイヤー・コンサートが開催される。会場は、かつしかシンフォニーヒルズの、その名もモーツァルトホール。日本が誇る実力派メンバーたちによる古楽器オーケストラと豪華ソリストたちによるモーツァルトの協奏曲で新年を飾るニューイヤー・コンサートだ。

このコンサートに登場する古楽オーケストラ「レ・ボレアード」をまず紹介しよう。昨年12月のパーセルのオペラ「妖精の女王」の好演も話題を呼んだのは記憶に新しいところだ。

ラモーのオペラのタイトルでも知られる北風の神から命名された、北とぴあ国際音楽祭でのオペラ演奏のためのこのオーケストラを、いくつかの録音でご存じの方もいらっしゃるだろう。「レ・ボレアード」は基本的に音楽祭のためのオーケストラなので、このアンサンブルを聴く機会はそれ自体が希少である、というのがひとつ目のお薦めポイントだ。

そして共演するソリスト勢がもう一つのポイント。一曲目の華やかなオーボエ協奏曲は、バッハ・コレギウム・ジャパンなどで活躍する三宮正満が独奏する。続いてコンサートの指揮も務めるバロック・ヴァイオリンの第一人者、寺神戸亮が民族音楽風の奏法も楽しい協奏曲第五番「トルコ風」を演奏、そして最後にモーツァルト自身もよく演奏したピアノ協奏曲第九番「ジュノーム」のソリストに仲道郁代を迎える。それぞれの第一人者が揃うこのコンサート、知らずに聴き逃すのはあまりにも惜しいところだ。

バロック音楽、古典派などの音楽を「作曲された当時の奏法、楽器を用いて演奏する」という、ある意味自然なアプローチのいわゆる「古楽」演奏は、ふだんこのやり方の演奏を聴いていない方には違和感があるかもしれない。だがこれだけのメンバーが集まって、美しさに加えていつもより雄弁なモーツァルトが演奏されるだろうこのコンサートは、そんな方にもお薦めしたいと思う。もちろん、「古楽」演奏が大好きな皆さんもぜひ。
 

公演情報
モーツァルト 三大協奏曲
 
■日時:2016年1月9日(土) 15:00開演
会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
出演:
寺神戸亮(指揮・ヴァイオリン)
仲道郁代(フォルテピアノ)
三宮正満(バロックオーボエ) 
レ・ボレアード(オリジナル楽器オーケストラ)
曲目・演目: オール・モーツァルト・プログラム
オーボエ協奏曲 ハ長調 K.314(285d)
ヴァイオリン協奏曲 第5番「トルコ風」 イ長調 K.219
ピアノ協奏曲 第9番「ジュノーム」 変ホ長調 K.271