“今ここで丸藤正道が頑張らないと” 武藤が語る!5.4両国国技館大会ジェイクvs丸藤の行方とは!?
5月4日(木・祝)「ABEMA presents MAJESTIC 2023」東京・両国国技館大会を前に、先日引退した武藤敬司氏にこの大会についての話を聞いた。GHCヘビー級王座をかけて戦うジェイク・リーと丸藤正道や潮崎豪復帰戦など、NOAHにとって非常に重要なカードがラインナップされた今大会について、プロレスリングマスター・武藤敬司は何を語るのか。
――(現役を引退した)今、日々をどのように過ごされているのでしょうか?
武藤敬司
「意外と慌ただしく生活しているんですよ。今日だってこうやって稼働しているしね。プラスいまだにね、1日のルーティン?練習もしているし、そう変わっていないですよ、現役時代と。だからそれほど暇にしていないというか暇じゃないというか。忙しくしていますね。やっぱり長年培ってきた筋肉とかさ、俺人間がケチだから。これ貯金と一緒じゃん?ただでさえ年取ってくると筋肉も目減りしていくのにさ、(俺は)人間がケチだからせっかく培ってきたものを失いたくない。だから一生懸命やってる。あと食ったり酒飲んだりすることが好きでさ。やっぱり練習しないとお酒もきっと美味くないし。だからルーティンは一緒ですね」
――引退されて時間が経ちましたが、その後身体はまだ痛むのでしょうか?
武藤敬司
「痛いよ。今日も足の練習をしてちょっと痛いんだけど、やらなくてもきっと痛ぇんだよ。やらない方が悪影響になる、今後。股関節もね、きっと。やっぱり守るのは筋肉だからさ」
――ありがとうございます。では本題ですが、5月4日の両国国技館大会、メインイベントはGHCヘビー級選手権【王者】ジェイク・リーvs【挑戦者】丸藤正道になります。丸藤選手が挑戦者に名乗り上げた際に、ABEMAの放送のコメントでは辛らつなコメントも目立ちました。そういった部分での見解をお聞かせください。
武藤敬司
「43歳の丸藤って、俺58歳の時にチャンピオンになってるじゃん?GHCの。58歳でチャンピオンになって43歳って、まだ俺からしてみたら“鼻たれ”じゃん。俺、多分42~43歳で三冠のチャンピオンなってるよ。で、全日本プロレスに在籍しながら新日本プロレスのIWGPを獲りに行ったりしているからね。やっぱり歳は言い訳には丸ちゃんもしてほしくないよな。きっと動き自体は若いころと違ったりするよ。思うように動かなかったり。それを補う色んな方法論をキャリアで埋めていく。ここは!という時の丸藤は一気にババーンって”攻める時”を掴むのも上手いしさ。全然いけると思いますね。今ここで彼(丸藤正道)あたりが頑張らないと、いい意味で若いやつらも育っていかないというか、やっぱり強い壁であってほしいもんね」
――武藤さんはジェイク・リー選手とも縁が深い関係にあるかと思います。
武藤敬司
「そうですね。俺が重量挙げをしている彼をスカウトしに行ったんだから。ジェイク・リーの(重量挙げの)大会自体も応援に行ったことあるんだよ。ガタイもデカかったしね。今以上にデカかったんだよ。今は動きやすそうな体をしているけど、どちらかと言うとゴツイ体でね、昔は。ただ、どういうわけか全日本プロレス辞めちゃってね。それからまた全日本プロレスに戻ってきて、その時もう俺はいなくて。どういう苦労をしたのか、今どんなレスラーになったのかっていうのは俺あんまり追いきれてないからさ。今はそんなに知らないんだけど、清宮海斗に勝って中嶋勝彦に勝って、“実力が本物になってきているんだな”とは思ったりしています。若干(NOAHで)被っているんだけどさ、俺が引退するまで。ただ自分のことが必死であんまり他に目もくれる余裕がなかったからね。ここで改めて、もう引退したことだし試合を楽しみたいね」
――ありがとうございます。では両国大会で他に気になる対戦カードなどはありますか?
武藤敬司
「やっぱり潮崎と清宮とね、稲村、勝彦、征矢、拳王の試合とか興味ありますね。稲村一緒に行ったじゃん、アメリカへさ。稲村だってNOAHのリングじゃパワーファイターで売っているけどさ、WWEのあの空間にいたら全然どこにいるか見えないよ、小っちゃくて。だから今のままじゃだめだよな。絶対プラスアルファ。変な話、パワーファイターじゃアメリカ行ったら通用しねぇじゃん。だからプラスアルファ何が見せられるのか。何を精進していかなきゃいけないのか、というのもこれからの彼の課題であってね。あと清宮もね、オカダに負けてベルトも落として。みんな誰もがずっと上昇してはいられないんだから、上昇ばっかりはね。だけど俺から見て清宮なんか全然伸びしろあるからさ。全然ある、全然あるよ。まだ若いし、たぶん負けた方がその伸びしろって埋まっていくからね、きっと」
――今回は潮崎選手の復帰戦となりますが、若い2人に目がいくという事でしょうか?
武藤敬司
「そうっすね。何となく、NOAHに在籍してから接点が生まれてきているからね。もちろん潮崎も、戦うことが多かったけどまぁこの空間(欠場期間)があるわけだから。休場していてどう変わったのか。どうなってしまっているのかも興味あります」
――この日の大会には女子のカードもあります。
武藤敬司
「うーん、女子を語る…。次の日曜日、俺フワちゃんのことを語りに行かなきゃいけねぇんだよ(笑)」
――ですがそれこそNOAHの大会の対戦カードがバリエーションに富んできた、といった感じがします。
武藤敬司
「NOAH自体も挑戦しているってことですよ。いろんなものにね。今の清宮じゃないけど、失敗を恐れてばっかりいられないからね」
――6月9日には「ALL TOGETHER」も開催されます。
武藤敬司
「その題名のごとく見ている人を本当に元気になってもらえるような興行をしてほしいですよね。プロレスの文化の交流じゃないけども、たまにそうやって色んなもの見る、交わるっていうのはレスラー同士もいいことかもしれないもんね。技術の交流なのか何なのか分かんないけど。たぶんこれだけの団体でこれだけのレスラーでやったら盛り上がるでしょ、普通に。あとプロレスっていうのはやっぱりプロレスが持っている潜在能力でもうね、こうやって元気にさせるという事は得意の分野っていうかさ。と、俺は思っていますよ。自分が現役の時はそういうつもりでやっていましたので」
5.4両国国技館大会について武藤に聞くと“NOAHも挑戦している”という言葉が返ってきた。これは、丸藤には“若手の強い壁であってほしい”という願いと、若手主体になってきているNOAHの実情をまさに表している。NOAHの若きエース・清宮海斗を下し、ジェイク・リーという新しい風が台頭した矢先、今度はタッグ戦線で杉浦、谷口のベテランと呼ばれる選手が気炎を上げた。外国人選手の活躍も目覚ましい。今のNOAHはまさに群雄割拠。全世代がリング内外で“挑戦するNOAH”の未来に期待して欲しい。
(記事提供:プロレスリング・ノア)