チーズtheater、約5年ぶりの新作公演のテーマは「孤独死」 小出恵介、みやなおこら出演で『ある風景』を上演
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チーズtheater 第7回本公演 『ある風景』
2023年6月21日(水)~25日(日)座・高円寺1にて、チーズtheater 第7回本公演『ある風景』が上演されることが決定した。
チーズtheaterは、映画監督の戸田彬弘が代表を務めるチーズfilmの舞台プロデュースとして発足。旗揚げより参加している大浦千佳2名で2017年から正式に劇団として活動し、現在は牧野莉佳も加わり3名で行っている。
2020年4月に予定されていた公演が緊急事態宣言により中止。その一年後、2021年5月に同劇場で同作品の上演を試みたが、コロナによって再び中止となった。本作は2018年以降、約5年ぶりの戸田彬弘(作・演出)の新作公演となる。
戸田彬弘
これまで、無戸籍、東日本大震災、売春島、など社会的なテーマのオリジナル作品を描いてきたチーズtheater。次に目を向けたのは、超少子高齢化が進む日本の「孤独死」問題。
出演者には、俳優・小出恵介を迎え、孤独死した母親役に読売演劇大賞優秀女優賞受賞のみやなおこ、ドラマや映画など数々の作品に出演している小島梨里杏など、総勢12名の多彩なキャストが集結した。
小出恵介
みやなおこ
小島梨里杏
劇団チーズtheaterとしては、豪華キャスト陣とのタッグもあり挑戦ともなる新作公演。誰もが直面する問題にどう立ち向かうか、劇場で観劇してみてはいかがだろうか。
海の見える暖かな気候の土地を人生の最期の場所に決めた鈴木家の父・龍雄と母・陽子。
龍雄の定年後、夫婦は地方に家を建てひっそりと暮らしていた。
2人の子供である⻑男・肇、⻑女・南、次女・夏 は、それぞれがバラバラの地域で暮らし生活に追われていた。
そんな中、龍雄の認知症が発症する。介護を一人で担ってきた陽子も疲労で倒れてしまい……。
施設に預けられた龍雄の症状は一気に進行し、体も弱り、あっという間にこの世を去ってしまった。
それから3年後の2019年のお盆。一人で暮らす母・陽子の元に、兄妹とその家族が久しぶりに帰省する。
ご近所の近藤とその一人娘の日向は、陽子の生活を案じ子供たちに話しかける。
しかし、兄妹は多忙さに追われ、母のこれからは母が決めること。とどこか他人事。
それから時は流れ、2023年冬。陽子が1人自宅のお風呂場で孤独死しているのを近藤が発見する。
あの夏以降、兄妹は誰も実家に帰っていなかった。変わり果てた家。
そして葬儀が終わった日、玉田篤と名乗る訪問客がやってくる。
出演者コメント
■小出恵介
今年の一月末、開発で驚くほど変わっていた下北沢で拝見した、なんとも叙情的で静謐、かつとても深く練り込まれた戸田さんの作品を拝見し心惹かれました。
今回は新作という事ですのでさらに“言葉”の世界線にも触れられる事が非常に楽しみです。
高円寺のこちらもまた初めて⽴たせて頂く素敵な劇場で素敵な作品をお届けできますよう、
多彩な共演者の皆様と共に頑張って⾏きたいと思います。
■みやなおこ
初めてチーズtheaterに出演いたします。
初めての演出家、カンパニー、共演者、スタッフ、の皆さんと新作への挑戦です。
初めてというのは、ドキドキでもありますがワクワクでもあります。
ある家族の『ある⾵景』。座・高円寺という大好きな劇場でどんな作品になるのか私自身が
とても楽しみにしています。
■小島梨里杏
孤独死ってなんだろう。それはどこから始まり、どこに行けば正解なんだろう。
いつだってわからない事だらけだけれど、人の心には触れ合えるうちに触れ合っていたいものです。
稽古も台本もこれからです、ますますワクワクしております。
戸田さんを始め、素敵なキャストスタッフの皆様と大切に、この作品、「ある風景」に棲みついて行けたらと思います。どうぞ、6月をお楽しみに。
作・演出 戸田彬弘 コメント
2020年、2021年と2度の上演中⽌を経て、今回3度目の正直で念願の日本劇作家協会プログラムへの参戦となりました。
演劇をやれるなら、今目の前にある⾵景を描きたい。そう考えた時、「孤独死」問題が頭をよぎりました。この3年はコロナに翻弄された時代でした。ただそれを⾔い訳に過ごしていた自分もいるんじゃないかと思うんです。おそらく大多数の日本人がそうだったように。
大切なことを⼿遅れになる前に形にしておきたい。しておかなければいけない。
新たな劇団の代表作にするんだという気持ちで溢れています。
そんな気概に溢れる作品に素晴らしい俳優陣が揃ってくれました。
期待しかありません。是⾮、5年ぶりの新作を観にいらしてください。
公演情報
チーズtheater 第7回本公演
『ある風景』
会場:座・高円寺1
作・演出:戸田彬弘/音楽:糸山晃司
池畑暢平、續木淳平、中野歩、間瀬英正、松戸俊二(劇団離風霊船)、みやなおこ