宝塚歌劇団同期・舞羽美海&十碧れいや共演! 同じ夫を二人が取り合う!? ロンドンコメディ『Run For Your Wife』インタビュー

2023.6.9
インタビュー
舞台

十碧れいや、舞羽美海

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2023年7月12日(水)~7月19日(水)、池袋・あうるすぽっとにて『Run For Your Wife』が上演を迎える。イギリスの劇作家レイ・クーニー原作によるコメディで、これまで数々のカンパニーが上演を重ねてきた人気作だ。

主人公はタクシー運転手のジョン・スミス。一見平凡で真面目な男に思えるが、実は彼にはメアリーとバーバラという二人の妻がいた。緻密にスケジュールを組み、二人の妻と重婚生活を送るジョン。しかしある日、事故によりスケジュールが破綻してしまい――。

ジョンを演じるのは俳優の山本一慶。2019年7月の初演、2020年12月の再演に続き、今回で三度目の登板となる。ジョンの二人の妻に扮するのは、舞羽美海と十碧れいや。コロナ禍で幾度かの公演中止を経て、元宝塚歌劇団同期の二人が今回初めてスミス夫人役で出演を果たす。開幕に向け稽古に臨む舞羽と十碧に、現在の心境を聞いた。

■台本の厚さに改めて驚いてます(笑)

――コロナ禍での延期を経て、遂にこの夏『Run For Your Wife』が上演を迎えます。

十碧:やっとです! 嬉しいです! これまで3回中止になって、もうこの役を演じることはないのかなと正直諦めていた部分もあったので。

舞羽:前回の稽古ではようやくセリフが頭に入って、もうすぐ通し稽古が始まるというところまで進んでいたんですけど……。

十碧:前回お稽古していたところをきちんと通過しつつ、今回はもっと先のところまで行けるようにしたいですね。ただ今回はキャストも変わって、一慶さんと美海ちゃんのほかは初めましての方ばかり。キャストが変わるとやっぱり空気も変わると思うし、みなさんどう演じられるんだろうとすごく楽しみです。

舞羽:今回久しぶりに台本を読んで、本当に面白いお話だなと純粋に思いました。ただこの作品はとにかくセリフ量が半端なくて、こんなに台本分厚かったんだって改めて驚いてます(笑)。

十碧:本当にそう。まずひたすら台本を読んで、あと録音して覚えるようにしています。相手のセリフも一通り全部自分で話して、それを聞きながらブツブツ言って。いつもはそこまでしないけど、もうこの作品に関しては必死すぎて、どんな手段でも使おうという感じです(笑)。

舞羽:私は動いていた方が覚えやすいので、歩きながらブツブツ言って覚えています。小声でつぶやいているつもりが、だんだんヒートアップして気付けばかなり声が出ていることも(笑)。この物語はいろいろなことがいろいろなところで行われているから、台本を覚えないと本当に何もできなくて。まずは台本を頭にしっかり入れて、そこから自由に動けるようにしたいと思います。

十碧れいや 扮装ビジュアル

舞羽美海 扮装ビジュアル

 ――舞羽さんはイギリスの淑女で良妻賢母のメアリーを、十碧さんはセクシーなキャリアウーマンのバーバラを演じます。各々どのように役にアプローチしていますか?

舞羽:メアリーという役はピュアで魅力的な女性で、私と似ている部分を見つけるのが難しいくらい。私自身はメアリーのように感情が爆発することもまずないので、どうやって叫べばいいのだろうと……(笑)。物語に巻き込まれていく内にどんどん情緒不安定になり表現ががらっと変わるので、試行錯誤しながら役作りをしています。

十碧:確かにメアリーと美海ちゃんは似てる部分があまりないかも。だから逆にそういう美海ちゃんを見ることができるという新鮮さもありますね。
バーバラはジョンの怪しい言動も疑わず、まっすぐ彼のことを思ってる。私もよく「騙されるんじゃないの?」と言われるくらい信じやすいので(笑)、そこは似ているところかもしれません。ただセクシーな女性というのは自分にはない部分なので、想像しながら演じていくつもりです。宝塚を退団してもうすぐ5年経つけれど、セクシーな役というのは経験がなくて。

舞羽:そうなんだ。セクシーな男性は演じてるけどね(笑)。

十碧:男性の色気に関してはずっと研究していたけれど、やはり女性とは違うから難しいですね。男性は目の使い方や醸し出す雰囲気がステキだとセクシーだなと思うので、そこを意識するようにしていました。男役で参考にしていたのが、『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド。彼のことが大好きで、あのドンとした大人の男の色気を少しでも真似できればと思っていたんです。バーバラだったらチャーミングさもあると思うので、ジュリア・ロバーツとかイメージしてみるのもよさそうですね。

――ジョンはウソにウソを重ね、二人の女性と重婚生活を送ります。なぜバーバラとメアリーはジョンに惹かれてしまうのでしょう?

十碧:バーバラは仕事面では気を張ってバリバリ頑張っている女性で、そこをジョンは癒やしてくれるのかも。でも自分だったら間違いなくウソを重ねる男性はナシですね(笑)。

舞羽:私もナシ(笑)。ジョンの何が魅力なんだろうと思うけど、一慶さん演じるジョン・スミスだからありえるのかなっていう気もします(笑)。何回もこの役を演じているというのもあって、稽古初日からもう舞台に立てるくらいの勢いでみんなを引っ張っていってくれたりと、本当に心強いんですよね。

十碧:私が台詞でいっぱいいっぱいになっていると、“次はこっちです”と声をかけてくれたりもして。周りをきちんと見ていて、私たちの行動も把握してくれている。すごく頼りになります。

舞羽:前回の稽古でもテンポややり取りも含め全てを受け入れてもらえた感覚がありました。でもそういう意味では周りのキャストが変わるぶん、今回は一慶さんが一番大変かもしれません

■宝塚あるある!? 幻のプログラムに衝撃!

――宝塚で同期だったお二人。当時印象に残っていることといえば?

舞羽:れいやは同期の中でも一番華があったと思います。バレエのクラスでトゥシューズをはくと、リーゼントもあるから本当に(背が)大きくて(笑)。ジャンプするとそれが際立って、脚がダントツで長かったのを覚えてる。

十碧:美海ちゃんは“なんて整った顔立ちなんだ、こんな可愛い子は見たことない!”というくらい初めて会ったときからビューティフルでした(笑)。あと美海ちゃんは素晴らしいダンサーで、予科生のときからこの身体能力はどうなってるんだろうって思ってた。最近ダンスの動画をアップしてたのを見たけれど、“こんなに踊れるんだ!”ってまた驚かされて。でも音楽学校時代は声楽もダンスも芝居もクラスが別れてて、意外と一緒になることってなかった気がする。

舞羽:そうそう、だから本当に仲良くなったのはこの作品がきっかけでした。久しぶりに会ったけど、久しぶりって気がしなかったよね。

十碧:私にとってはバーバラが初の女性役で、最初の頃は毎日ドキドキしながらお稽古に通ってました。でも美海ちゃんがいたからすごく心強くて。

舞羽:れいやは宝塚時代は男役でバリバリやっていたけれど、本質は女性らしいんです。

十碧:確かに、オラオラはしてない方だったよね(笑)。

舞羽:そうだね。だから女性を演じていても何の違和感もなくて、お芝居もナチュラルな感じがする。

十碧:女性役でまず戸惑ったのが、歩き方とか所作の部分。電話の持ち方にしても、脇をしめるのかなって悩んだり(笑)。

舞羽:この作品は電話のシーンが多いから(笑)。れいやはクールそうに見えるけど、同期で誰より天然でピュアで、いつもずっとニコニコしてる。それは時間が経っても全然変わってないなって思います。

十碧:でも宝塚時代とはずいぶん変わったと思う。公演中止なった時の幻のプログラムを見ると、ムチムチで自分でももう衝撃(笑)。あのときは退団してすぐの頃で、今より7㎏太っていたんです。宝塚時代は運動するからいくら食べても太らなかったけど、退団してそのまま同じように食べてたら大変なことになってしまいました(笑)。

舞羽:私も退団して6kg太った! 宝塚の運動量はやっぱりスゴイから、みんな退団すると太るよね。宝塚あるあるです(笑)。

――楽屋でも楽しくお喋りに花を咲かせていたお二人。いつもどんな女子トークで盛り上がっているのか、気になります!

十碧:最近私がゴルフを始めて、美海ちゃんもやろうかなって言うから、ガンガン勧誘しているところです(笑)。

舞羽:れいやはすごく趣味が多いんですよ。

十碧:そうなんです(笑)。ゴルフのほかにウクレレ教室に習いに行っていて、去年バイクの免許を取って、英会話とサウナ、乗馬もできるようになりたいし、あとヒマがあれば日帰りで遠出したり、やりたいことが多すぎて。

舞羽:私は趣味探しをしているところで、映画や舞台鑑賞は半分仕事になっちゃうけれど、ゴルフは同期でやっている人も多いからいいかもしれない。

十碧:みんなで行けたら楽しいよね。

舞羽:あと、れいやとは恋バナもするよね。年齢も近いし。

十碧:前回もしたね。

舞羽:餃子屋さんに行って。

十碧:お互いの好みのタイプは……、違う気がする。

舞羽:うんうん、違うと思う。好みのタイプというのは特になくて、そこはやっぱり出会いなのかなって思います。

■台本に忠実に、観客を笑いに巻き込んでいきたい

――仲良し二人が演じるスミス夫人に期待が高まります。今回改めて目指すメアリー像、バーバラ像とは?

舞羽:私は前回メアリー役に対して凝り固まったイメージが自分の中にあって、そこは反省点でもありました。だから今回は、決めすぎないというのが課題。一つ一つの出来事にちゃんとリアルタイムで反応すること。今回はキャストもかなり変わるので、まだ未知な部分もたくさんあって。一回一回の稽古を大切に、みんなと作り上げられたらと思っています。

十碧:役に取り組んでいく段階で発見があると思うので、まだはっきりとは決めてはなくて。演じていると自分の感情が勝手に出てくるところがあって、それがバーバラとリンクしたら、私なりのバーバラ像になる気がします。バーバラの軸にあるのは、真っ直ぐな女性であるということ。そこからどうなっていくのか、自分自身楽しみにしています。

――コメディ作品ならではの難しさ、醍醐味とは? お客様にどう楽しんでほしいですか?

舞羽:この作品は台本自体が面白いので、役者はそこに忠実にその瞬間を生きることが大切だと思う。お客様をその空気感に巻き込むことで笑いが起きたらいいなと考えていて。お客様は何も考えず、私たちが繰り広げるてんやわんやの騒動を大いに楽しんでもらえたらと思っています。

十碧:コメディではあるけれど、台本に忠実にやっていたら笑いが生まれると思っていて。だから笑いはそんなに求めようとせず、なるべく邪念は捨てていこうと考えています(笑)。でもやっぱり笑ってもらえたら嬉しいです。大笑い、大歓迎です!

取材・文=小野寺悦子 撮影=谷中理音

公演情報

ロンドンコメディ『Run For Your Wife』

日程:2023年7月12日(水)~19日(水)
劇場:あうるすぽっと
作:レイ・クーニー
訳:小田島雄志/小田島恒志 演出:菅原道則
出演:
山本一慶(ジョン・スミス)、舞羽美海(メアリー・スミス)、十碧れいや(バーバラ・スミス)
松井勇歩(トラウトン警部)、ピクニック(ポーターハウス警部)、石田隼(スタンリー・ガードナー)、小澤亮太(ボビー・フランクリン)
料金:7,700円(税込み、全席指定)
企画・製作:アーティストジャパン
お問い合わせ:アーティストジャパン 03-6820-3500
https://artistjapan.co.jp/runforyourwife2023/
https://twitter.com/aj_rfyw2023
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