大和シティー・バレエ/ダンス『ジゼル』上演決定 古典バレエ「ジゼル」を新たな視点で再構成
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SUMMER CONCERT 2023 想像 × 創造 Vol.4『Giselle』が2023年8月18日(金)やまと芸術文化ホールにて上演される。
バレエ『ジゼル』をベースに、1幕は躍動感溢れるコンテンポラリー(主演:木村優里 佐藤洋介)、2幕は古典の様式美(主演:菅井円加 清水凌)で描く、生きとし生けるもの全てに捧ぐ 「魂の成長」の物語。アダンの名曲に乗せて届ける。
幅広い層に楽しんでもらえるようにと、衣装や舞台美術、照明などにも様々な趣向を取り入れる本公演、総合プロデューサーは、佐々木三夏。佐々木三夏バレエアカデミー(SBA)は、海外で活躍中のダンサーを沢山輩出している。大和シティー・バレエ(YCB)が設立されたのは、「大和市文化創造拠点シリウス」が開設された2016年秋。2019年から本格的に始動を開始した。本公演では、SBAの卒業生であり17歳のとき、ローザンヌ国際バレエコンクールで1位入賞しローザンヌ優勝をした菅井円加がジゼル(2幕)役を演じることも大きな目玉だ。
大和シティー・ダンス(YCD)ディレクター/1幕振付は竹内春美、美術は長峰麻貴、衣装は、プロデューサー佐々木三夏によるオリジナルだ。竹内は振付コンセプトについて、「私が今回挑戦するこのジゼル第一幕では、古典が持つ「貴族」「村人」と言った階級や「時代設定」を剥ぎ取ります。ただし、物理的にも、違う世界・交わることがない世界に生きる2人であることは変わりなく、ソトミ(外見)をはがされた人物と美術がステージ上に広がる、ナカミ(中身)を見せるものにしたいとおもっています」と話している。全文は記事下部にて。
舞台空間はジゼル、ヒラリオン、アブレヒト、バチルドを象徴する4つの三角形で構成。4人の三角関係や清々しくも繊細な心理状態を表す空間になっているという。
衣装は、プロデューサー佐々木三夏によるオリジナル
あらすじ
社会の秩序に求められ生きるアルブレヒトと、本能のままに生きるジゼル。 二人は交わることのない異なる世界(ソサエティ)に生きていた。 そんな二人がある時出逢い、アルブレヒトは清らかで真っ白なジゼルの生き方に憧れ、彼女に急速に惹かれていく。 またジゼルも自分がずっと探していた魂の共鳴を彼に対して感じていく。 アルブレヒトはジゼルとの出逢いにより、今まで閉じ込めていた自分の根源に潜むDNAを感じ、本能のまま生きることを無自覚に経験していく。 パートナーがいながらも、本能からの欲に任せてジゼルに接近し、二人は想いを通わせ合う。 二人の出逢いはお互いの魂の成長にとって必然だったが、その幸せは長くは続かなかった。 ジゼルに想いを寄せるヒラリオンによる露呈されたアルブレヒトの裏切りは、ジゼルを苦しめ悲劇を招く。 窮地に立ったアルブレヒトは…。
運命に導かれた二人は、古典形式の2幕で本当の己の欲・魂の幸せ・愛を知っていく。
作品コンセプト by 竹内春美(1幕振付)
私が今回挑戦するこのジゼル第一幕では、古典が持つ「貴族」「村人」と言った階級や「時代設定」を剥ぎ取ります。ただし、物理的にも、違う世界・交わることがない世界に生きる2人であることは変わりなく、ソトミ(外見)をはがされた人物と美術がステージ上に広がる、ナカミ(中身)を見せるものにしたいとおもっています。
ソトミとは、「身ぐるみ・目に見える現実の世界」を指し、ナカミとは、「おおもと・魂・見えていない世界・内面・我々の本来の姿」を指します。
バレエ「ジゼル」は、魂の成長の物語です。第一幕での経験を経て、本当の愛・本当の幸せを知る第二幕に至ります。
そこには 本当の欲と思考の欲、本質的な本物の幸せと思考で選ぶ幸せが存在し、それは今を生きる我々も変わらず持っている問いであり、課題であり、学びです。
例えば現代でも、やりたくないことを「やった方が良いから」とやっている人たち。
魂の望み、魂の幸せに気づき、それが指す方向に進むということは、今の時代の我々にとっても、課題だと思うのです。また実は、魂が経験したいがために、この世界に生まれ、魂が成長するために、選んでいる経験である、と思います。
ジゼルがこの物語で経験する悲劇も、ジゼルの魂がその経験をしてみたくてこの人生になった、魂の成長のために経験したと考えます。
「あなたもジゼルかもしれない」
「あなたもアルブレヒトかもしれない」
そんな普遍性を持つ「ナカミ」を、私の振付・解釈と キャストの解釈・踊りで、ステージ上に展開してみたいと考えています。
第一幕と第二幕でキャストが違うことは、ソトミの違いを示す一つの意味、新制作コンテンポラリーと古典バレエで展開するところも、ソトミの違いを示す一つの意味。
「どんなソトミを纏っていてもナカミは変わらぬ」ということを表現するために、今回の試みの意味が生まれています。
それを目に見えるものに体現し、そのバトンを、古典で繰り広げる第二幕に渡すことが、私が構想している第一幕での目標です。