亀井聖矢「ショパンの真髄にどこまで迫れるかという挑戦」 3年に渡るオール・ショパン・プログラムを開催(コメントあり)
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ピアニスト亀井聖矢がオーチャードホールを舞台に3年間のオール・ショパン・プログラムを開催する。
日本の若手ピアニストとしていま最も注目され、さらなる飛躍が期待されている亀井聖矢。昨年秋には、超絶技巧とフレッシュな音楽性でパリの聴衆を魅了し、ロン=ティボー国際音楽コンクールで優勝したことで一躍話題をさらった。
3年間、全3回にわたる今回のプログラムで、第1回(2023年10月29日(日))に取り上げるのは、ソロ作品。超絶技巧が生かされる華やかな作品だけでなく、マズルカやワルツのような小品も選び、亀井は「美しいレガート、ハーモニーのバランス、文化特有のリズム感も追究したい」と話す。
第2回(2025年1月12日(日))はピアノソロが圧倒的に多いショパンから、唯一のピアノ三重奏曲を取り上げる。共演者には、第88回日本音楽コンクール第1位を獲得し、NHK Eテレ『青のオーケストラ』で主人公の演奏を担当するなど、気鋭のヴァイオリニスト東亮汰と、ミュンヘン国際音楽コンクール・チェロ部門で日本人として初めて優勝し、一躍国際的に注目を集めた佐藤晴真。「ショパンはチェロが大好きでした。室内楽の演奏会をする機会があり、チェロの歌を尊重して弾く経験がとても勉強になったばかり。それ以降、ソロ作品への取り組み方も変わりました」(亀井)
シリーズ最終回となる第3回(2025年7月13日(日))は、ショパンの2つのピアノ協奏曲と『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ』の管弦楽つき版を東京フィルハーモニー交響楽団とともに演奏。亀井は「オーケストラにピアノを乗せる時のタッチは、やはりソロと全く違います。自分が出す音だけでなく、その上で合わさった音を聴く感覚を持たないといけません。これからもっと勉強して、3年目にその成果をお見せしたいです」とコメントを寄せている。
亀井聖矢より ―本公演に寄せて―
僕の興味・好奇心を贅沢なまでに叶えていただいた本企画。
とても幸せな機会でありながら、僕にとってこれは、ショパンの真髄にどこまで迫れるかという挑戦でもあります。
ピアノの詩人・ショパンは、どんな境遇の中でどんなことを感じ、どんな楽器でどんな音色を求めていたのか。
第1回では、ショパンの生きていた時代のピアノ「エラール」と「プレイエル」を用い、彼の様々な作品を演奏します。普段なかなか触れることのない、ショパン自身の耳に聴こえていた音色の世界をお楽しみください。
第2回ではソロに加え、東亮汰氏と佐藤晴真氏をお迎えしてショパンのピアノトリオを演奏します。ショパンはとてもチェロを好んでいたといわれています。弦楽器の音色は、彼のピアノ書法にどのような影響を与えたのか。チェロ・ヴァイオリン・ピアノの対立と融合、そして昂っていく感情をお楽しみください。
第3回では、ショパンの2つの協奏曲、そして『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ』を、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様と共に演奏します。オーケストラと溶け合うことで、ピアノの繊細な響きが一段と際立てられる作品たち。素晴らしいホールの響きとともに、若きショパンの極上の3曲をお楽しみください。
以上、全3回にわたって様々な角度からショパンの魅力を再発掘していけることを、僕自身とても楽しみにしております。皆様ぜひ会場で、一緒にショパンを味わい尽くしましょう。
公演情報
第1回 ピアノ・リサイタル 2023年10月29日(日)15:00開演
第2回 室内楽 2025年 1月12日(日)15:00開演
第3回 協奏曲 2025年 7月13日(日)15:00開演
【第3回 協奏曲】
●第3回 協奏曲