佐藤竹善とNeighbors Complainのジョイント・ツアー、ビルボードライブ大阪公演のオフィシャルレポート到着

佐藤竹善（シング・ライクトーキーング）とNeighbors Complain（以下NBCP）のジョイント・ツアー“LIVE 2023”大阪公演が7月14日、ビルボード大阪にて開催された。

６月に東京で始まり、この日が７本目となるステージは、各地で積み上げてきた熱量を最初からいきなり全開で放出するような展開。１曲目はNBCPだけで重心の低い演奏を聴かせた後、竹善が加わった自身のナンバー「Wind Of Change」と同じく「Vision」ではその重いビートをロック・グルーヴに昇華して独自の高揚感を感じさせるとともに、その演奏はもはや２組のジョイントではなく、ひとつのバンドとして一体化し、そのエンジンが十分に温まった状態でこの日のライブに突入したことがはっきりと伝わってきた。

ライブ中盤、NBCPのボーカルOTOがニュー・アルバム『First Contact』を９月にリリースすることに加えて、その新作ではバンドのメンバー４人のソロ演奏をたっぷりフィーチャーしていると話し、そこからのステージではOTOの話に反応したかのようにメンバーそれぞれのプレイヤビリティーが縦横無尽に弾けて圧巻だった。しかも、MCを挟むのももどかしいかのように曲をたて続けに演奏してゆき、会場の興奮は最高潮に。そのなかで竹善の歌は、時にメロディを丁寧に辿り、時に楽器としてのボーカルの可能域の広さを見せつけ、あたかも卓越したサーファーのようにバンドの太いグルーヴを乗りこなして、ライブ全体を文字通りそのひと時だけの特別な世界へと先導していった。

ちなみに、このツアーでは公演ごとに全てセット・リストを変えてステージに臨んでいるという。残された29日の静岡公演と30日の名古屋公演でも、まさにワンナイト・スペシャルと言うべきステージが披露されるはずだ。世代を超えて生み出される、濃密なグルーヴ・ミュージックをぜひ体感したい。

文＝兼田達矢
撮影＝KenjuUyama