UVERworld、「心の底から笑顔で言えるよ。やりきりました!」 72,000人のシンガロングが響いた日産スタジアム初日公演をレポート

2023.8.2
レポート
音楽

UVERworld、SHUNTO(BE:FIRST)

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UVERworld premium THE LIVE at NISSAN STADIUM
2023.7.29 日産スタジアム

DJとして、ひとりステージに上がった誠果(Sax, Manipulator)が20分、クイーンの「We Will Rock You」やボン・ジョヴィの「Livin’ On A Prayer」も交えながら、スタジアムを揺らしたあと、ステージの左右にあるLEDビジョンで15、14、13……とライブの開始を告げるカウントダウンが始まる。そして、大量のスモークの中、メンバー6人を乗せた舞台がせり上がり、空中で止まる!

ついに始まったUVERworld史上最大規模となる日産スタジアム2デイズ公演『UVERworld premium THE LIVE at NISSAN STADIUM』。その1曲目にバンドが選んだのは、10日前にリリースしたばかりの最新アルバム『ENIGMASIS』収録のアンセミックなロックナンバー「VICTOSPIN」だった。

「行こうぜ! UVERworldの歴史的最高の日! ヤバい日!」と叫んだTAKUYA∞(Vo)に応え、72,000人の観客が早速、声を上げる。

バンドの姿を背後から捉えたカメラの映像がLEDビジョンに映し出される。6人が演奏している舞台はかなりの高さだ。なるほど、UVERworldには高所恐怖症のメンバーは1人もいないらしい。

そこから2時間30分。観客の度肝を抜くスペクタクルな演出も交えながら、TAKUYA∞をはじめとする6人は一丸となって熱演を繰り広げていった。それが観客を楽しませるだけのエンターテインメントなショーではなく、たとえば、UVERworldに日産スタジアム2デイズなんてできっこないとせせら笑っていた奴らに対する怒りや、たとえばコロナ禍の名の下に見えない圧力によって、突然、すべてを奪われてしまった悔しさといったネガティブなものも含め、さまざまな感情を曝け出す、それこそタイトルでも謳っているとおり“THE LIVE”になってしまうところがいかにもUVERworldらしい。

以下、メンバーたちがMCに込めたさまざまな思いもぜひ読み取りながらこのレポートを読んでいただきたい。

「もう気づいてもらっていると思うけど、俺たちはこのステージに人生を賭けている。ピークを作ろうよ。声が出せるようになったら、一緒に歌おうって言ってきただろ? その約束はここで果たそうぜ!」(TAKUYA∞)

いつもなら終盤という印象がある「IMPACT」を序盤に持ってきたのは、ここで作ったピークをこの後いくらでも超えられるという自信があるからだ。

「最高のセットリストで来ています。長年、UVERworldを応援してくれる人、最近、UVERworldを知った人、東京から来た人、横浜から来た人、北海道から来た人、沖縄から来た人、みんなの思いを乗せて最高のライブにしようと思います!」

そう意気込みを語った真太郎(Dr)が言った最高のセットリストとは、『ENIGMASIS』からの7曲を軸に新旧の代表曲を織りまぜた全25曲。「IMPACT」はもちろん、この日、ほぼ全曲で72,000人のシンガロングがスタジアムに響きわたったのだった。

「遠くからずっと応援してくれる人、すごく近くから支えてくれたみんな、すべての人に心からの笑顔で、やりきれましたと言えるような1日します。よろしくお願いします!」

72,000人に対峙する覚悟をTAKUYA∞が改めて語ってからの中盤は、ダンサブルなサウンドがスタジアムを揺らした「CHANCE!」から懐かしい曲の数々を繋げながら、「UVERworldが全員に会いにいくよ!」(TAKUYA∞)とメインステージからアリーナを1周するように伸びた花道や、アリーナの最後列とスタンド席の最前列の間に作ったサブステージでも演奏する6人のエネルギッシュな姿に観客のシンガロングの声もどんどん大きくなっていった。

「(自慢げに)全員が近くになるようにステージが設定されているでしょ? いつもに比べて、みんなの声が大きい気がしているんだけど! ここはサッカー競技場だから、下は芝生なんだけど、ちゃんと芝が傷つかないように養生もされているから、思いっきり楽しんでもらって大丈夫です。全力で声を出してください。みんなの声がないと、最高のものにならない。行こうよ! やっと始まったね。新しい時代の匂いがするよ。ここで何を歌うかけっこう迷ったんだけど、やっぱりこの曲を歌いたい。俺たちの始まりの合唱。全員で歌おう!」(TAKUYA∞)

披露したのは、それまでサポートという位置づけだった誠果が初めて正式メンバーとしてクレジットされた2014年発表の8thアルバム『Ø CHOIR』収録のアンセム「Ø choir」。もちろん、観客は冒頭のバラードパートからTAKUYA∞と一緒に歌っている。

その後も、これまでライブでやろうとしても曲に込めた思いが強すぎてどうしてもできなかったというバラード「モノクローム」を、「最初で最後。今後は俺だけの曲にする」(TAKUYA∞)と言いながら披露したり、「ENCORE AGAIN」では音源通りTAKUYA∞からSHUNTO(BE:FIRST)をサプライズゲストとして迎えたり、「(音漏れによるネタバレを避けるため)リハーサルで1回もやってないから不安でしかたない」と言いながら、「本当の初披露を見せたい」(TAKUYA∞)とエモーショナルなロックナンバー「ビタースウィート」をぶっつけ本番で演奏したり――ライブのタイトルで謳っているプレミアム感を演出する曲を、日が暮れる絶妙のタイミングで立て続けに披露して、この日を忘れられない1日にするため全力を注ぎこむ。

「新旧織りまぜたセットリスト、けっこうよくない? がんばったよ。みんな気に入ってくれるといいな。昔の曲はさらに輝いてくれるし、新曲がすごくかっこいいから相乗効果が生まれている」(TAKUYA∞)

「僕たちを素敵な場所に連れてきてくれてありがとうございます!」(克哉/Gt)

「夢の舞台に立つことができました。この景色、忘れたくない」(信人/Ba)

感無量の面持ちで語る3人の言葉からもスタジアムの熱狂が想像できるだろう。しかし、それはまだ前半戦の話。

「アゲていくぞ!」(TAKUYA∞)

ラップロックの「Don’t Think, Sing」で緊張感を高めるようになだれこんだ後半戦は、「PRAYING RUN」「Touch off」とお馴染みのアンセムを繋げ、観客のシンガロングの声の大きさをさらに更新していく。

「これをやりたくてUVERworldをやってます。この感動が欲しくて、ずっとUVERworldを続けてます。これが俺の人生!」

TAKUYA∞が快哉を叫ぶ。すると、向こう意気、誇り、悔しさ、憤り、怒りなど、さまざまな感情が入り混じる熱い思いが言葉となって、TAKUYA∞の口から溢れ出てきた。

「今の俺たちのように好きなことを好きな場所で好きなだけやっていることを歓んでくれる人だけを愛せればいい。俺のことを嫌いな奴の人数なんて数えるヒマはねえよ。この先、どんな未曽有の災害が起きるかわからない。3年前みたいにすべてを奪われる可能性だってある。でも、俺たちはあの瞬間でさえも匍匐前進で少しづつ進んできた。それはみんなが感じてくれてると思う。リリースも止めなかったし、配信ライブもみんな見てくれたし、半分しか人を入れちゃいけない時もがんばってを取ってくれた。あそこで止まってたらきっと俺たちはここにはいない。これからもそうだ。だから、次のメッセージはこうだ。俺たちは何があっても進み続けるけど、おまらは一体どうなんだ!? 今一番大切な曲です。心を込めて歌います!」

演奏したのは「EN」。コロナ禍の真っ最中、匍匐前進を続けているUVERworldが放った新しいアンセムがスタジアムに鳴り響き、それを72,000人がじっと聴き入る光景に鳥肌が立つ。

「俺は絶対に今日を忘れない。あなたにとっても忘れられない1日になってたらいいな」(TAKUYA∞)

そこから繋げたエモーショナルなロックナンバー「Theory」の演奏中、ここにいる全員を祝福するようにステージの上に花火が上がる。

「もっと強くなりたい。本当の強さが欲しい。心ないことを言われて、傷つくのはあたりまえだ。急に自信がなくなるのもあたりまえ。何もないのに死にたくなることだってあるんだよ。そんな時、正論をぶつけるんじゃなくて、がんばったな、つらかったなと言ってあげられる強さが欲しい。強くなりすぎて、人の気持ちがわからなくならないようにこの曲は新しいアルバムの中でも一番大事にしている曲です」(TAKUYA∞)

ライブの最後を飾ったのは、バラードの「ピグマリオン」。バラードとは言え、そこはロックバンドが演奏するバラードだ。彰(Gt)と克哉が奏でるギターの轟音、信人と真太郎が響かせる重低音は、UVERworldが持つロックバンドとしての矜持を印象づける聴きどころだったと思う。

「これからだって、今以上に大きな規模のライブをしたいけど、今はとにかくいい曲を作りたい。いいライブをしたい。そのために誰かの思想や言葉に対して、考えすぎて表現の幅を狭めたくない。だから、俺たちは好きなことをやって、好きなことを歌っていくんだけど、その中で離れていく人もいるかもしれない。それもいい。ただし、あなたがUVERworldの何を好きだったのか、何の曲が好きだったのか、それだけ伝えてから去ってくれよ。そしたら、それ以上の俺たちになって、それ以上の曲を作って迎えにいくから!」

いつもはアンコールをやらないUVERworldがライブに欠かせない大事な曲をやっていなかったと思ったのか、この日はアンコールとしてもう1曲だけ演奏した。「MONDO PIECE」。まだ聴いていない曲があると誰もが思っていたに違いない。

ダメ押しで72,000人にシンガロングの声を上げさせると、TAKUYA∞は言った。

「心の底から笑顔で言えるよ。やりきりました! 新しい時代に足跡をつけた。さらなる未来に足跡をつけた。俺たちがUVERworldだ!」

それはコロナ禍を乗り越えた6人の勝利宣言に他ならなかった。突然、すべてを奪った見えない圧力に対するリベンジの舞台として、日産スタジアムほどふさわしい場所はなかったと思う。

取材・文=山口智男 撮影=平野タカシ

 

放送情報

「UVERworld×NISSAN STADIUM WOWOWスペシャル」ラインナップ
 

・「UVERworld premium THE LIVE at NISSAN STADIUM 2023.07.29」
10月放送・配信予定
UVERworldが2023年7月に開催した日産スタジアム2DAYSより、初日公演の模様を独占放送・配信!
7月19日に12枚目のオリジナルアルバム『ENIGMASIS』をリリースしたUVERworldが同アルバムを引っ提げて行なった、自身最大規模の神奈川・日産スタジアムでのライブを独占放送・配信する。
横浜国際総合競技場から日産スタジアムに名前が変更となった2005年にメジャーデビューを飾ったUVERworld。それから18年。バンド初のスタジアムライブとして、日産スタジアムに7万2000人を集め行なった今回のステージ。2019年東京ドーム公演の4万5000人をはるかに超える観客の前で魅せたUVERworld渾身のパフォーマンスをお楽しみいただきたい。
収録日:2023年7月29日
収録場所:神奈川 日産スタジアム

・「UVERworld KING'S PARADE 男祭り REBORN at NISSAN STADIUM 2023.07.30」
11月放送・配信予定
UVERworldが2023年7月に開催した日産スタジアム2DAYSの2日目、日本音楽史初となった男性客7万2000人動員の“男祭り”の模様を独占放送・配信!
2023年夏、神奈川・日産スタジアムで行なわれたUVERworld史上最大規模の“男祭り”の模様を独占放送・配信する。
2011年にUVERworldの地元、滋賀のライブハウスで230人から始まった“男祭り”は、会場の規模、動員数ともに伸び続け、2017年にはさいたまスーパーアリーナに2万3000人、2019年には東京ドームに4万5000人を動員し、それぞれ男性客限定ライブ動員数の日本記録を更新するという快挙を達成した。
そして、2023年は屋外スタジアムへと場所を移し、前代未聞の7万2000人規模にまで発展。ステージ上の6人のメンバー、会場を埋め尽くした男性客7万2000人という圧巻の景色は、日本のコンサート史に大きな1ページを残した。12年の歳月を経て積み上げてきたUVERworldの金字塔!真夏に行なわれた男たちの熱き祭典をお見逃しなく!
収録日:2023年7月30日
収録場所:神奈川 日産スタジアム
 
・「UVERworld KING'S PARADE at Zepp DiverCity 2013.02.28」
8月5日(土)午後2:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
UVERworldが2013年2月にZepp DiverCity(TOKYO)で行なった男祭りの模様を放送・配信!
2012年11月リリースの7thアルバム『THE ONE』を引っ提げて行なわれたUVERworldのライブハウスツアーから、2013年2月28日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)での男性客限定ライブ“男祭り”の模様をお送りする。
2011年11月にバンドの地元である滋賀のライブハウスで最初の男性客限定ライブを開催してから1年余り、場所を東京に移して行なわれた“男祭り”は観客の熱量が一気に膨れ上がった。矢継ぎ早に繰り出される疾走感あふれるナンバーと客席からの熱いレスポンスは“男祭り”ならでは。UVERworldと男たちが繰り広げたライブの勢いをその目で確かめてほしい。
収録日:2013年2月28日
収録場所:東京 Zepp DiverCity(TOKYO)
※WOWOWオンデマンドで同時配信および放送終了後1週間アーカイブ配信あり

・「UVERworld KING'S PARADE at Nippon Budokan 2013.12.26」
8月5日(土)午後4:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
VERworldが2013年12月に日本武道館で行なった男祭りの模様を放送・配信!
UVERworldによる男性客限定ライブ“男祭り”より、一つの到達点となった2013年12月26日の東京・日本武道館での“男祭り”の模様をお届けする。
ステージに立つUVERworldを1万人超の男性客が囲み、1曲目からクライマックスかのような盛り上がを見せた日本武道館。アンコールで男同士が肩を組み合って大合唱した「MONDO PIECE」まで冷めやらぬバンドとオーディエンスの熱量を感じてほしい。
収録日:2013年12月26日
収録場所:東京 日本武道館
※WOWOWオンデマンドで同時配信および放送終了後1週間アーカイブ配信あり

・「UVERworld KING'S PARADE at Kobe World Hall 2015.09.13」
9月3日(日)午後6:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
UVERworldが2015年9月にワールド記念ホールで行なった男祭りの模様を全曲ノーカットで放送・配信!
2015年9月13日、神戸のワールド記念ホールで行なわれたツアーファイナルにして、この年2回目となる“男祭り” 「KING'S PARADE」の模様をお届けする。ボーカルTAKUYA∞の肉感に満ちた挑戦的なMCに、会場に集まった8000人の男たちは熱狂。YAFUMI、世田谷のりこ、星☆拓也という盟友バンドのボーカルたちも飛び入りし、4人のボーカルによる共演も果たした。期待を裏切らない“男たちの祭典”をノーカットでお届け。
収録日:2015年9月13日
収録場所:兵庫 ワールド記念ホール
※WOWOWオンデマンドで同時配信および放送終了後1週間アーカイブ配信あり

・「UVERworld KING'S PARADE at Saitama Super Arena 2017.02.11」
9月3日(日)午後9:10 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
UVERworldが2017年2月にさいたまスーパーアリーナで行なった男祭りの模様を全曲ノーカットで放送・配信!
UVERworldが、「このためにバンド活動を行なっている」と自負するほど力を注いでいる、男性客限定ライブ“男祭り”。2011年に彼らの地元・滋賀県のライブハウスに約230人を動員するところから始まり、2013年に東京・日本武道館、2015年に神奈川・横浜アリーナ、兵庫・ワールド記念ホールへと規模へと拡大。そして2017年2月11日に、さいたまスーパーアリーナにて“男祭り”を開催。約2万3000人の男性客が会場を埋め尽くした。メンバー6人と男性crew(クルー/ファンの呼称)によって繰り広げられた、“オレたちの歴史的一夜”をお見逃しなく。
収録日:2017年2月11日
収録場所:埼玉 さいたまスーパーアリーナ
※WOWOWオンデマンドで同時配信および放送終了後1週間アーカイブ配信あり

リリース情報

アルバム『ENIGMASIS』
2023年7月19日発売
・初回生産限定盤 TYPE-A(特典Blu-ray付) SRCL-12574~5 ¥6,000-(+税)
・初回生産限定盤 TYPE-A(特典DVD付) SRCL-12576~7 ¥5,700-(+税)
・初回生産限定盤 TYPE-B(特典CD付) SRCL-12578~9 ¥6,000-(+税)
・通常盤 SRCL-12582 ¥3,300-(+税)

<収録曲>
1.ビタースウィート
2.VICTOSPIN
3.ENCORE AGAIN (feat.SHUNTO from BE:FIRST)
4.FINALIST (feat.ANARCHY)
5.echoOZ
6.Don’t Think.Sing
7.α-Skill
8.two Lies
9.THEORY
10.ピグマリオン
11.ANOMALY奏者
12.ENIGMASIS

<初回生産限定盤特典>
25センチ角の大型三方背ケース、写真集と初回Aには特典映像、初回Bには特典CDが付属
※初回生産限定盤AのBlu-rayとDVDの収録内容は同一となります。
※初回生産限定盤A・Bの特典写真集の内容は同一となります。

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