片桐はいり・安藤玉恵(Wキャスト)が癌に侵され死と向き合う7歳の少女役に挑む 一人芝居『スプーンフェイス・スタインバーグ』上演
(左から)片桐はいり、安藤玉恵
2024年2月16日(金)~3月3日(日)KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて、KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『スプーンフェイス・スタインバーグ』が上演されることが決定した。
長塚圭史芸術監督のもと、3年目となる2023-2024メインシーズンのシーズンタイトルは「貌(かたち)」。シーズンの最後を飾るのは、癌に侵され死と向き合う7歳の少女を描く『スプーンフェイス・スタインバーグ』。
本作はミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』や映画『ロケットマン』の脚本で知られる劇作家リー・ホールによってラジオドラマとして書かれたもの。1997年にイギリスのBBCラジオ4で放送され、人生・愛・信仰の意味を詩的かつユーモアを含んだシナリオの独白が大きな反響を呼び、再放送を重ねた。その後1998年にテレビドラマ化、2000年に舞台化され、舞台版初演では、野田秀樹演出『THE BEE English Version』などにも出演したキャサリン・ハンターが当時42歳でタイトルロールを務めた。舞台版は、イギリスのほか世界各国でもたびたび上演され、日本でも2010年に、現KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督・長塚圭史が、リーディング公演として上演した(パルコ劇場ドラマリーディング ディレクターズチョイスVol.3/企画製作:株式会社パルコ)。
本公演で演出を手がけるのは、2017年『チック』で第10回小田島雄志・翻訳戯曲賞および第25回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し注目を集め、近年ミュージカルやストレートプレイの演出・翻訳で数々の話題作を世に送り出している小山ゆうな。
7歳の少女スプーンフェイスを演じるのは、ドラマ・映画・舞台・文筆など幅広く活躍し、初舞台から40周年のメモリアルイヤーに出演した野外劇『嵐が丘』(22年)で圧倒的な存在感を魅せた片桐はいりと、『桜の園』(23年)や『阿修羅のごとく』(22年)などの話題舞台に次々出演し、連続テレビ小説『らんまん』や東京ガスのテレビCMでも注目を浴びる安藤玉恵。舞台俳優としてキャリアをスタートし、映像作品でも個性が光る二人が、この珠玉の一人芝居をダブルキャストで務める。死を目前にした7歳の少女を二人がどのように演じるのか、注目したい。
人間が生きるとは、死ぬとは、どういうことなのか、死んだらどこに行くのか……命の終焉を迎える少女の目に映る世界の貌(かたち)にまで思いを巡らせる静かなドラマを、メインシーズンの最後におくる。
顔がスプーンみたいに丸いため“スプーンフェイス”と名付けられた自閉症の少女は、7歳にして癌に侵される。死を間近に、両親やお手伝いのおばさん、病院の先生、大好きなオペラに思いをめぐらせながら、生きることや死ぬこと、そしてこの世界の意味をも問い語り続ける…
演出:小山ゆうな コメント
死期がせまった7歳の少女のモノローグ。
少女はやせ細り衰弱した風貌かもしれない。
でも本作「スプーンフェイス・スタインバーグ」は
死としっかり向き合い続ける勇敢な少女の脳内の言葉で綴られる。
脳内の彼女の風貌はどんなだろう。
過酷な現実世界と
どこまでも自由に羽ばたける想像の世界の話。
リー・ホールの研ぎ澄まされた言葉を通して、
お客さまとともに美しく果てない想像の世界を共有できる素敵な戯曲です。
【KAAT 神奈川芸術劇場 2023 年度メインシーズン シーズンチラシより】
出演:片桐はいり コメント
あるインタビューで、セリフがすごく多い役と病気で苦しむ役はやらないことにしています。とこたえた次の日にこのお芝居のお話しがきた。とりあえず台本を読み、20数年も前に外国の人が書いていろんな形で演じられているものを、なぜ今? とか、そもそも60代のわたしがなぜ7歳の英国少女を? とかの、たくさんの??? が浮かんだが、たわむれに声を出して読んでみたら、どうしてもこれを人の前で言ってみたいような気持になっていた。謎。小山ゆうなさんのまっすぐな目と、安藤玉恵さんの特大の肝っ玉にすがって、この謎をつきとめたい。そしてちょっとした火花を散らしたい。
出演:安藤玉恵 コメント
7歳の女の子の独白劇です。一人芝居を2バージョンで。本番の半年前の今、すでに顔合わせや本読み、小山さんの思いを聞いたりと、時間をかけて作っていける環境があることにとても感謝しています。ラジオドラマとして書かれた物語ですが、舞台上演もあったそう。
マリア・カラスの音楽と共にスプーンフェイスの魂はどんなふうに私と共鳴するのか。少女の悲しみやユーモアの美しさを「上手に」伝えられたらなと思ってます。
にしても。日々の稽古場はすごく興奮すると思う、だって、片桐はいりさんがいるんですから。
KAAT 神奈川芸術劇場芸術監督:長塚圭史 コメント
癌に侵された自閉症のユダヤ人の少女スプーンフェイス・スタインバーグ。その澄んだ瞳に映る、その耳に広がる、この世界の圧倒的な煌めきと、まだ見ぬ死後の深淵。2010年に私自身も演出する機会を得ましたが、その際はリーディングという形式でした。今回は素晴らしいキャストお二人のダブルキャストによる一人芝居での上演です。死を目前にしながらも、少女も、世界も、マリア・カラスの歌声と共にどこまでも美しく輝きます。
公演情報
『スプーンフェイス・スタインバーグ』
作:リー・ホール
翻訳:常田景子
演出:小山ゆうな
Wキャスト
片桐はいり 安藤玉恵
会場:KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>
料金(入場整理番号付自由席・税込)
一般 5,500円
A&K セット券(特典付き) 9,800円
神奈川県民割引(在住・在勤) 4,900円
U24 (24歳以下) 2,750円
高校生以下割引 1,000円
シルバー割引(満65歳以上) 5,000円
※A&Kセット券はかながわの電話・窓口・WEB にて11月19日より取り扱い(前売のみ)
※神奈川県民割引はかながわの電話・窓口にて11月19日より取り扱い(前売のみ、枚数限定、要住所確認)
※U24、高校生以下、シルバー割引はかながわの電話・窓口・WEB にて12月2日より取り扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
※車椅子でご来場の方は購入前にかながわにお問い合わせください。
※未就学児の入場はご遠慮ください。
※公演中止の場合を除き、の変更・払い戻しはいたしません。
※入場は整理番号順にご案内いたします。
※開演後のご入場はお待ちいただく場合があります。