ROTTENGRAFFTY 『 RUSH BALL 2023 』ライブレポートーー「今ここに立っていることが全て」屈強な演者と巨大な観客で築き上げたヘヴィネス
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『RUSH BALL 2023』ROTTENGRAFFTY
「帰ってきたぜ、『RUSH BALL』。遠慮はいらねぇ! この夏をしっかり脳裏に焼き付けて、やりたいようにやってくれ!」と、N∀OKI(Vo)の雄叫びで幕を開けたのは、2019年以来2度目の登場となるROTTENGRAFFTYだ。泣きのギターが彩る「秋桜」に、大量のオーディエンスが見る間に前方へと吸い寄せられていく。お約束のジャンプで一面が染まった「夏休み」では、コロナ禍で溜まったフラストレーションを爆発させるようなフロアを見るに、改めてライブの本領が戻ってきたことを実感。全身で音を受け止め、踊り、破顔するオーディエンスの表情は、音楽の根源的な歓びで満ちあふれている。
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「どう考えても暑いっしょ。でも絶対俺の方が熱いから。殺す気でかかってこいよ!」とNOBUYA(Vo)があおりにあおる「This World」では、ヘドバン一色に染まる泉大津フェニックス。さらにNOBUYAはステージ下に降り、客席の最前線で絶叫! 体感温度を引き上げ続け、興奮度もカオスを極め、「倒れてるヤツいたら助けたってくれよ。お前らが助け合わないと俺らには絶対勝たれへんからな!」(NOBUYA)なんてサラリと気遣う一幕では、グッと心をつかまれる。
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「『RUSH BALL』25周年、おめでとうございます。ROTTENGRAFFTYは来年25周年。いろいろありましたが、今ここに立っていることが全て。もっとさらけ出してケツまで燃え尽きようぜ!」(N∀OKI)と続けては「響く都」へ。艶やかなロットン流盆踊りモードでさらに混沌は増し、濃密なコール&レスポンスも噴出! 「ハレルヤ」では、足元から脳天までビリビリ響くドラミングに、地をはうようなデスボイスと、激烈な音にまみれるこの歓喜は彼らのライブでしか味わえない。ド頭から特大ボリュームのシンガロングを引き出した「金色グラフィティー」でいよいよラストへ! 頭の中までもクラクラに揺さぶられ、余韻に満たされていた終演後、SNSにて「RUSH BALL 2023えぐい。死にかけた。みんなめちゃくちゃカッコよかった。おおきに。」とつぶやいたNOBUYA。そんな演者と観客の美しき相互関係を体現したROTTENGRAFFTYのステージとなった。
取材・文=後藤愛 撮影=瀧本JON...行秀
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