タイ版『おっさんずラブ』ペアも出演、『GMMTV FANDAY IN BANGKOK』全5組のファンミをレポートーー『レオレオ、タイタメ』Vol.16
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9月22日(金)〜24日(日)の3日間、タイのユニオン・ホールにてオムニバス形式のファンミーティング『GMMTV FANDAY IN BANGKOK』が開催された。22日(金)はアースとミックス、23日(土)は昼がフォースとブック、夜がファーストとカオタン、24日(日)は昼がポンドとプーウィン、夜がジュンとダンクの計5組がそれぞれ出演。タイ国内だけでなく世界中からファンが駆けつけ、13,000人キャパの会場を埋め尽くした。タイのエンタメを紹介する連載『レオレオ、タイタメ』では、5組の紹介とあわせてイベントのレポートも掲載。うち3組は今後の来日公演も決定しているため、その前にチェックしてみてほしい。
●あま〜い空気が漂うアース&ミックス
アース・ピラパットとミックス・サハパーによる「You're Blushing?」、「CALL ME」のパフォーマンスから幕を上げた同イベント。ふたりは2021年に激震を走らせた『A Tale of Thousand Stars』で初共演し、それ以降毎年新作ドラマを発表している。ミックスのまるでアイドルな可愛らしいダンスと、アースのセクシーダンスとの振り幅にいきなり息切れしそう。
左からウェーブ、アース、ミックス、ゴッジ
司会のゴッジ・タチャコーンと司会兼通訳のウェーブ・クーが合流し、トークセッションへ。ミックスは獣医学部の学生でもあることから、アースが「ミックスは仕事と勉強で忙しいけど、僕は今フリーなので仕事をください!」とアピール。またアースが、長期休暇があればイングランドとスコットランドに行きたいと話すと、すかさずミックスが「僕の分の搭乗券も取って」と床に膝をつきながらお願いをし、司会たちもミックスに続いて正座に。そんな三人をみてアースもお願いし返し、それに対して皆がツッコむ場面も。
まるでベテラントリオの鉄板ネタのようなユーモアでひと笑いをとり、再びパフォーマンスに戻る。アースはマイクスタンドを使ってしっとりと歌い上げたり、ミックスは指でラウンチパッドを演奏したりと、個性を発揮したあとは、ラッキーファン10名とのゲームコーナーへ。内容はアースとミックスのふたつのチームに分かれ、ドラマのシーンからのクイズに答えてその正解数を競うというもの。「『A Tale of Thousand Stars』のティアン先生は、(流れた映像の後)プーパ隊長に何を作った?」など、何度も見返していないと答えられなさそうな質問にも戸惑うことなく、回答用のマイクに向かって真っ直ぐ走っていくファンの姿に、作品愛を感じざるを得ない。
続けてタイの演歌とも言われるルクトゥーン調の「Yod Rak Yod Like」を楽しく歌い終えると、オリジナル凧を作りながらまつわる思い出を語っていた。凧といえば、『A Tale of Thousand Stars』で主人公ふたりの仲を深めたキーアイテム。作中でのあのシーンを観れているような気がして感慨深い。それぞれ5個ずつ作り終えると、ゲームに参加したファンとは別に、抽選で選ばれたファン10名に手渡しでプレゼントした。
最後は観客とピース!
5組すべてを観たが、圧倒的に言動が甘い。甘すぎる。最後の歌のパフォーマンスでも、お互いに向ける目がとろんとしていて、こちらが照れてしまう。来年は、日本で社会現象を巻き起こした『おっさんずラブ』のリメイク版で再び共演することが発表されている。お互いを知り尽くしている彼らなら素晴らしい作品になること間違いないだろう。
●兄弟喧嘩が絶えないフォース&ブック
2日目の昼はフォース・ジーラチャポンとブック・カシデットが登場。デビュー作『Enchanté(アンシャンテ)』(2022)、二作目『A Boss and a Babe』(2023)で共に主演を務め、チャーミングな演技でファンの心を鷲掴みにしたふたり。SPICEのインタビューでも話してくれたように幼稚園からの幼馴染ということもあり、異質のペアとしても知られる。
フォース&ブック
「今日はファンの皆さんに会えてラッキーだから」と、「MY LUCK」からふたりの国内初の大型イベントはスタート。MVでは少しぎこちなかったダンスも慣れたもので、観客にハートをばら撒いていく。かと思えば続く「Selfless」では演技を交えながらしっとりと歌い上げ、まるでミュージカルを観ているようだった。
土曜日は、ふたりが出演中のドラマ『Only Friends』の放送日だという告知もこなしながらMCへ。フォースは「日本でのファンミーティングの時に、(初来日の)ブックが僕に「いろんなところに連れて行って」と言っていたのに、あいつ、気がつけばひとりでラーメンを食べに行ってたんだ!」と告発。「だってフォースが」「いやブックが」とヒートアップする言い争いはまるで兄弟喧嘩のよう。
続くファンとのゲームコーナーでは、なぜか椅子に鎖で縛り付けられているふたり。彼らを助けるためにはクイズに正解しなければならないため、回答権を得るべく10名のファンは激しいマイクの奪い合いを繰り広げた。ブックの方が先に解錠が完了し、最後の回答者とブックがともにフォースの元へ。好きな俳優と一緒に花道を歩くなんて夢のような出来事に、悲鳴が響き渡る。
ファンとの触れ合いを楽しんだ後は、前日にアースも披露していた「CALL ME」をルクトゥーン調にアレンジ。テンションが上がったのか、フォースが鍛えぬいた腹筋を披露し、ファンの視線を釘付けに。一方、自信なさそうに自分のお腹とフォースの腹筋を見比べるブックもかわいらしかった。
左からブック、フォース
MC中に司会が入っていけないスピードで言い合ったり、ブックがフォースをおんぶしたりと、リラックスした様子で大舞台を終えた。12月9日(日)にはドラマ『Only Friends』のファンミーティング『ONLY FRIENDS FAN MEETING IN JAPAN』として埼玉会館 大ホールでの公演が決まっている。今年4回も来日しているが、『Only Friends』としては初めて。舞台上で作品の世界観をどう再現するのか期待しかない。
●努力の結晶、ファースト&カオタン
2日目の夜の部に出演したのは、ファースト・カナパンとカオタン・タナワット。数多くの役をこなし、それぞれに代表作を持つ実力者たちが『The ECLIPSE』(2022)で初めてカップル役を演じて一躍人気に。気遣い上手のふたりは、会場だけでなくストリーミングで視聴しているファンたちにも感謝を伝えると、「海外ではファンミーティングをしてきたので、今回はタイでできて嬉しいです」と満面の笑顔を見せる。
左からファースト、カオタン
ほぼ同時期に入所するも、あまり交流がなかったふたり。しかしファーストいわく「この2年間ずっと一緒に過ごして、成長してきました。今では海外で僕が(ホテルに)財布を忘れたときには、カオタンに払ってもらったりする」ほど、信頼関係を築いてきたという。休みがあればカオタンは「アイスランドでオーロラを観たい」、ファーストは「特別な場所じゃなくて、カオタンといられる場所がいい」とし、実際に一緒に旅行をする計画も立てているとのこと。
アツアツな会話で場を沸かせたあとは、ファーストが「Please Be Mine」を披露。司会のウェーブの言葉を借りると「どうしてもかわいくなっちゃう笑顔」とかわいい振付で元気を振りまく。一方カオタンが辛口な格好にショルダーキーボードを抱えて登場。「Let's Try」の熱唱は、魂の叫びが聴こえた気がして震えた。さらにはそれぞれのパフォーマンスを観て互いを「誇りだ」と褒め合う。
ふたりの優しさはファンとの交流で最大限に発揮されていた。ゲームコーナーでは前2組と同じくドラマから出題されたが、今回はサイコロの出た目が大きい人が答えられる形式に変更。小さい目が出てしまい、謝っているファンに向かって嫌な顔一つせず「大丈夫! ありがとう!」と目線を合わせながら声をかけるふたり。手作りプレゼントも両手を添えて渡す。なんて出来た人たちなのだろうかと一挙一動に感動する。
ファースト&カオタン
かと思えば、バーのセットで「Saturday Night」を歌うふたりは艶めかしい。表情の切り替えの早さに、俳優としての彼らの才能を改めて感じさせられた。フォース&ブックの際にも触れたドラマ『Only Friends』にふたりも出演しており、アダルトな雰囲気の同作を彷彿とさせるパフォーマンスに会場もうっとり。配信ページでも、様々な言語で「わあああ!!」と落ち着きを失ったコメントで溢れていた。
●「唯一」得意分野をみせつけたポンド&プーウィン
3日目となる24日(日)の昼の部は、ポンド・ナラウィットとプーウィン・タンサックユーンが登場。『Fish Upon the Sky』(2021)で初共演し、『Never Let Me Go』(2022)で不動の人気ペアとなったふたり。日本では何度もファンミーティングが開かれているので意外だったが、タイでは初めてだという。
左からポンド、プーウィン
冒頭の息がぴったりなパフォーマンスからも、「ともに過ごした3年間でお互いに演技、ダンス、歌、全てにおいて上達している」というように、高め合ってきたことが伝わってくる。趣味は真逆のようで、自由時間があればポンドは「世界中を旅したい」というアウトドアな意見に対し、プーウィンは「家でギターやピアノを弾いていたい」そうだ。ちなみにポンドは「プーウィンが初めてギターを弾きながら作った曲は、僕が最初に聴いたんだ」と得意げだった。
楽器が大好きなプーウィンはギターを弾きながら「Let's Try」を歌う。「コロナ禍の収録で大変だった」と振り返っていた『The Gifted Graduation』(2020)で、常にしかめっ面のサード役を演じていたと思えないほど爽やかだった。続くポンドは、「収録が終わるとすぐにスタジオで練習をする」くらい好きなダンスを披露。185cmと高身長ながらダイナミックなブレイクダンスも見せつける。
続くファンとのゲームは、これまでのひとりずつ回答していく方法から、それぞれが2択のうち正解だと思うエリアに移動する全員参加型に変わる。移動中にポンドは「このドラマは何回観た?」などと友達かのようにファンと会話を広げていく。最終問題はかなりの難題で、正解したのはたったひとりのファンだけだった。これぞ「ヌン・ディアオ(唯一)」な奇跡の展開には震えた。
ヌン・ディアオというのは『Never Let Me Go』でプーウィンが演じた役の名前で、作中の重要なキーワードとなっている。ここで単語を覚えた人も少なくないだろう。ファンへのプレゼントは、そんな同作でも作られたモクテル。まさかの飲み物のチョイスには会場もざわついていた。タイのイベントはいつも予想外のことをしてくれる。
ポンド&プーウィン
最後はプーウィンがピアノを弾き、ポンドとデュエットした「ヌン・ディアオ(Only One)」で締めた。個性をふんだんに発揮した彼らにしか作れない空気は、またまた日本で味わうことができる。11月24日(金)に大阪の豊中市立文化芸術センターにて『Celebrate Winter with POND-PHUWIN in OSAKA 2023』を開催予定。特別な冬の思い出になりそうだ。
●バイリンガルでスマートなジュン&ダンク
最後は『Star&Sky:Star in My Mind』(2022)や『Hidden Agenda』(2023)で共演した、ジュン・アーチェンとダンク・ナタチャイが締めくくる。彼らのイメージカラーである黄色が目を引く衣装で登場し、フレッシュさをアピール。
左からジュン、ダンク
しかし、MCパートでいきなり彼らの頼もしさが前面に。2日目夜から調子を崩していた司会のウェーブが、ここにきて本格的に声が出なくなってしまった。すると自主的にジュンが中国語、ダンクが英語と分担し、自身で通訳し始めた。ジュンは10年間トルコで過ごしたことから英語とトルコ語、中国語が、ダンクはインターナショナルスクールに通っていたことから英語が堪能という。語学力だけでなく話を区切るタイミングも良く、あまりに滑らかなMCっぷりに感動した。
加えてファンにもサービス精神たっぷりで驚くばかり。例えばジュンはゲームの際にファンを迎えに行って手を引きながらくるりと回したり、景品を渡すときに膝をついたりして、ファンをお姫様かのように接していた。ダンは、ひとりひとりの目を見ながら「僕たちの愛だよ」「僕たちの愛を受け取ってね」と、手作りのひまわりの花束を手渡していた。それが嫌らしくないところが、ふたりの最大の武器なのかもしれない。
ゲームも他のペアとは違い、流れてくるドラマのワンシーンを観て、そのあとにどんなポーズをとっていたかを思い出しながら、ファンがふたりに指示するというものにチャレンジ。顎クイや壁ドンなど、ファン垂涎のシーンの数々が目の前で再現される贅沢な企画だ。中にはハグの指示がうまくできず、ふたりに挟まれてしまう超ラッキーファンも。おかげで初めのフレッシュなイメージは一掃されてしまった。
ドラマを再現するジュン&ダンク
「TikTokからインスピレーションを受けて、ゆったりとしたアレンジにした」という「Your Smile」を披露した後は、この日最終回を迎えたドラマ『Hidden Agenda』の鑑賞会にシフトチェンジ。ジュンとダンクは一度客席におり、会場に駆け付けていたドラマ出演陣と合流して最後を見届けた。冒頭のMCではお互いの好きなところを「ダンクの唇がかわいい」(ジュン)、「ジュンの唇の形が完璧」(ダンク)と褒め合っていたふたり。そんなふたりの唇が重なるシーンでは、配信のモニター越しでも伝わるくらいの大歓声で会場は包まれていた。
最終回を見届けると、間髪入れずにドラマの挿入歌「Hidden Agenda」をデュエット。本人たちがドラマのエンディングを目の前で歌っているだなんて、あまりに贅沢すぎる。役者も観客も大興奮のまま、3時間半にも及ぶ濃密なファンミーティング、そして3日間の祭りを締めくくった。
◇ファンミーティング前に行きたい、タイ料理食べ放題◇
冒頭にも書いたように、なんと今回紹介した5組のうち3組も来日することが決まっている。11月24日(金)はポンドとプーウィンが大阪にて、12月9日(土)は埼玉にてフォース、ブック、ファースト、カオタンが、ニオ・トライとマーク・パキンも連れてファンミーティングを開催する。ポンドとプーウィンを観に大阪へ遠征する際に、足を運んで欲しいのがチェディルアン ハービスENTだ。
タイ政府認定5つ星「タイセレクト シグネチャー」認定店
住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-22 ハービスPLAZA ENT 5F
西梅田駅と大阪駅すぐに位置する同店。タイ政府認定店なので美味しいのはもちろん、ランチにはビュッフェを実施している公演後の特典会に参加する場合は長丁場になるからこそ、ここで集い、お腹をいっぱいにしてイベントに挑んでみてはいかがだろう。
タイのイベントはとにかく歓声が大きく、今回もその歓声に呼応するように俳優陣の表情も柔らくなっていた。母国のファンたちからパワーをもらい、その後も数々の大きなステージや海外公演を経験して、パフォーマンスに磨きをかけていく彼ら。今度の来日公演ではどんな一面を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
取材・文=川井美波 写真=オフィシャル提供
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