小林研一郎(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団
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小林研一郎 ©浦野俊之
ロシアの両A面プロによる新春のホットな祭典!
「シェエラザード」と「春の祭典」の生演奏を、1公演で聴かれたことがおありだろうか? いずれもが通常コンサートのメインを成す2曲、しかもテイストが異なるだけに、このカップリングは滅多にない。それが日本フィルの1月定期で実現する。指揮は小林研一郎。すべてに濃厚&濃密さが漲っている。
両曲の組み合わせは意味深い。まずはそれぞれが19世紀と20世紀を代表するロシアの管弦楽曲である。かたやメロディアスでゴージャス、かたやリズムを前面に打ち出した原始的でダイナミックな作品。その対照的な持ち味は、並べて聴くとより興味深い。しかしながらリムスキー=コルサコフとストラヴィンスキーは師弟関係にある。それゆえ華麗なオーケストレーションと民族的な性格は共通している。今回はこの点を体感できるのも妙味だ。
そして今、コバケンの指揮で両曲を聴く機会はきわめて貴重。日本フィルの資料によると「創立50周年の2006年ヨーロッパ・ツアーで取り上げて以来、10年ぶりとなるコバケン先生の『春の祭典』」だという。さらに同曲は「実は若き日から取り上げてきた隠れた十八番」である。となれば、久々の指揮に燃えたコバケンによる、バーバリズム全開の爆発的ハルサイが展開されることは間違いない。いっぽう「シェエラザード」は、うねるような旋律線とハイカロリーのサウンドが特徴。こちらも当然、物語を生々しく表現した絢爛豪華な音絵巻が繰り広げられる。
ラザレフに培われた日本フィルならではのロシア・サウンドと、日本随一の雄弁な語り部がコラボする新春の2大名曲。誰もが体の芯から温まること必至だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
2016.1/22(金)19:00、1/23(土)14:00
サントリーホール
問合せ:日本フィル・サービスセンター03-5378-5911
http://www.japanphil.or.jp