劇団山田ジャパン最新作は原 嘉孝・いとうあさこ出演 “あだ名”をテーマにしたシニカルなコメディ『愛称⇆蔑称』を上演

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舞台
2023.12.17
(左から)原 嘉孝、いとうあさこ

(左から)原 嘉孝、いとうあさこ


2024年3月7日(木)~15日(金)東京・六行会ホールにて、原嘉孝主演による舞台『愛称⇆蔑称(あいしょうべっしょう)』が上演されることが決定した。

2008年に山田能龍、いとうあさこ、羽鳥由記らを筆頭に旗揚げされた劇団「山田ジャパン」。Netflixオリジナル配信ドラマ『全裸監督』(19年、21年)の脚本チームに名を連ねた山田能龍が主宰する同劇団は、独特のコメディ感と哲学感で構築された演劇を得意とし、これまでに数多くの作品を発表している。

作・演出の山田能龍は、お笑い芸人から脚本家・演出家に転向した異色の経歴を持ち、笑うことは、人が生き延びるための最後の知恵であるという持論のもと、哲学的なテーマを計算された笑いにのせて問題提起する作風で、多くのファンを魅了してきた。その山田が最新作のテーマとして掲げたのが“あだ名”。同窓会に顔を出し、あだ名で呼び合えば、その響きと共に記憶が蘇る…。誰もが当たり前に享受してきた文化が、現代社会の新たな常識に晒されたとき、たちまち愛称か蔑称かの境界線が曖昧になってしまう。果たして“あだ名” に正義はまだあるのか。

物語の主人公で、初の学年主任を任されることになる教師歴5年の畑中忠平役に、近年ストレートプレイからミュージカルまで数々の作品で活躍する原 嘉孝、口うるさい教頭の大山佳奈役に、お茶の間を賑わせるお笑い芸人としての人気はさることながら、山田ジャパンの旗揚げメンバーとして劇団公演に笑いと花を添えるいとうあさこが出演する。

本作は山田能龍による当て書きで書き下ろされた最新作で、原自身も教員免許を持っていることから等身大の学校教師を演じることにも期待が高まる。また、初共演となる原といとうあさこを始めとする山田ジャパン劇団員の猛者たちが繰り出すコメディタッチの掛け合いにも注目したい。

子供の頃、当たり前に使っていた“あだ名”という文化。“あだ名”とは、愛称か蔑称か。あるいは子供が初めて行うクリエイティブか。賛否あるこの難問に堂々と切り込みつつも、一風変わった哲学コメディで笑いを搔っ攫う、山田ジャパン特有の世界観。今を生きる現代人に一体何をもたらすのか。劇場で確かめよう。

【ストーリー】
長野県佐久市の川北中学校に勤務する畑中忠平(原嘉孝)は、今年で教師暦5年を迎える。田舎を出ることなく、「母校の教師になる」という夢を叶えた忠平はこの年、初の学年主任に任命された。優しい校長に、やたらと口うるさい教頭・大山佳奈(いとうあさこ)の指導のもと、癖の強い教員たちをよくまとめ、充実した日々を送っていた。生徒たちは今どき珍しい程に素直で、取り立てて問題を抱えた生徒もいない。素朴な見た目で、子供らしく“あだ名”を呼び合う。そして、ちょっとしたことでもゲラゲラと無邪気に笑い合う。そんな笑顔溢れる子供たちと川北中学校を、忠平は心から愛していた。
しかしある日、忠平が担任するクラスに、東京都中央区銀座の中学校から転入生がやってきたことで、事態は一変していく。転入1週間もしないうちに、母親から忠平に激しいクレームが入ったのだ。その内容は、「あだ名を禁止にしてください」というもの。何でも、東京都心の多くの学校が子供をいじめから守るため“あだ名”を禁止し、生徒同士に“さん付け”を義務付けているのだという。母親は呆れた様子で「この学校、地域のリテラシーは絶望的に遅れています!」と声を上げる。
これを機に、教員と親たちによる職員室での議論が始まる……。

 
作・演出:山田能龍 コメント

あだ名を禁止する小中学校が増えているそうです。最初にそれを聞いた時には正直、世代感覚的に「何を馬鹿馬鹿しい」と思ってしまいました。ただ、この数年で目まぐるしく常識が移りゆく中、自分の感覚も変化しているなと素直に感じます。このあだ名問題についても、よくよく考えると「確かにな」という気がしないでもない。自分が学生の頃、悪意なく何気に呼んでいたあだ名の中に、人を傷つけていたものもある気がしてくるんですね。
何が「アップデート」で、何が「ブレる」ことなのか。自分が育ってきた時代と今とを照らし合わせれば、馴染むものと馴染まないものがある。揺蕩っているものや、世間の目を恐れ今に合わせて馴染むフリをしているものもある……せっかく作家なのですし、そういったひとつひとつに物語で向き合って、考えをまとめてみようと思いました。
ゲストに原嘉孝さんを迎え、共に見応えのあるお芝居をお見せできるよう努めます。ぜひ劇場にいらして下さいませ。

原 嘉孝 コメント

この度「山田ジャパン」初参加させていただきます。あー楽しみ!!
ごめんなさい、ファンみたいな事を言うんですけど山田さんが脚本を手がけた『全裸監督』『CODE-願いの代償-』めっっっちゃ観てました! 今回光栄なことに、自分に当て書きをしていただけるということで、どんな役、作品になるのかが今から楽しみで仕方ありません! そして初めてご一緒させていただく、いとうあさこさん、劇団員の皆さん!このメンバーで作る空間、面白くないわけがないじゃない!! っということでお客さん以上にワクワクしているかもしれません。
必ず素敵な作品をお届けしますので是非劇場に観に来てください!

いとうあさこ コメント

来年3月に向けて動き始めました。舞台本番のあの高揚感もですが、このスタート時のワクワクは何回やっても痺れます。
今回初めてご一緒させていただく原さんは、テレビ等で拝見しているととにかく元気でパワフルで明るくて、そしてタンクトップ(笑)お会いするのが今からめっちゃくちゃ楽しみです。
あ、タイトルで思い出した“あだ名”の話を。幼稚園の頃から“あーちゃん”としか呼ばれなかった私。それが中3の時、当時超ブームだった“ウーパールーパー”があだ名に。のっぺり顔の私はあっという間に「似てる!」となったのです。超思春期の女の子にはどう考えても“蔑称”ですが、“あーちゃん”オンリーだった私には新鮮で、なんか嬉しかったなぁ。
初めての作品、初めての劇場、そして初めての原さん。さあ、どうなるでしょう。どうぞ皆さま、是非劇場でお確かめください。お待ちしております。

公演情報

山田ジャパン2024年3月公演
『愛称⇆蔑称』(あいしょうべっしょう)
 
日程:2024年3月7日(木)〜15日(金)
会場:六行会ホール
 
作・演出:山田能龍
出演:
原 嘉孝  いとうあさこ 他
 
(山田ジャパン劇団員) 羽鳥由記 横内亜弓 浜名一聖 長江愛実 高島麻利央 西雲アキラ 金子美紗 他
 
企画・製作・主催:らでん
 
公式サイト:http://yamadajapan.com/stage/aibetsu/
公式X:@yamadajapan2008
お問合せ:山田ジャパン info@yamadajapan.com
 
一般発売:2024年2月3日(土)10:00AM~

料金:
S席 前売7,800円/当日8,300円
A席 前売6,800円/当日7,300円
A席のみ平日昼割 前売5,800円/当日6,300円
(全席指定・税込)
 
に関するお問合せ:SUI〈スイ〉03-5902-8020(火・金12:00~17:00)
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