タイ俳優オーム・パワット、日本のファンと友達のような距離感で過ごした『Ohm Pawat 1st Fan Meeting in Yokohama』
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オーム・パワット
『Ohm Pawat 1st Fan Meeting in Yokohama 2023』 2023.11.26(Sun) 横浜ベイホール
ドラマ『Bad Buddy Series』や映画『デュー あの時の君とボク』など、数多くの作品でファンを魅了し続けるタイの人気俳優、オーム・パワットのファンミーティング『Ohm Pawat 1st Fan Meeting in Yokohama 2023』が11月26日(日)に横浜 Bay Hallにて開催された。歌あり、ギターの演奏あり、筋肉あり、ファンからの質問多数ありで、盛りだくさんの内容となったファンミーティング第一部の模様をお届けする。
オーム・パワット
男女問わず多くのファンの熱気で包まれた場内に、司会を務めるアキの声が高らかに響く。
「エナジーチェック! エナジーチェック! 皆さん準備できていますか? プリーズウェルカム! オーム・パワット!」
日本で初めてギター演奏を披露
ファンたちの歓声が響き渡る中、『Our Skyy 2』の挿入歌「My Word」のイントロが流れる。「サワディークラップ!(こんにちは)」と挨拶しながら茶色の革ジャケットに黒シャツ、白のボトムスに身を包んだオームが登場すると、会場のボルテージは最高潮に。満席の会場を嬉しそうに見回しながら歌うオームのギターを弾く手、客席を見つめる熱い眼差し、その佇まいすべてから言葉にならない彼の想いがダイレクトに伝わってくる。
右からオーム、司会のアキ
「僕のことを温かく迎えてくれてありがとうございます。あー、緊張して手が震える(笑)! 日本に来るのは4回目だけれど、こんなに緊張したのは今日が初めてです」と、笑いながら自身の手を会場に見せるオームに、ファンの温かい声援が飛び交う。「みんなに聴かせたくてギターを大きな箱に入れてタイから持ってきました(笑)。でも手が震えちゃったな。最高のステージを皆さんと分かち合いたくて昨夜は深夜2時まで頑張って練習したのに(笑)。そうそう、練習の合間に一人で散歩をしたんですよ。食料を買いに。バターケーキとか買いました。日本の食べ物は何でも美味しいですね」と嬉しそうに話す。「今日はとても寒い! 家族に写真を送ったら「涼しそうでいいな」と返事がきました(笑)。タイでは涼しくなるとキャンプが流行るんです。普段は暑すぎてアウトドアなんてできないから。タイに行ったことある人いますか?」と観客に問いかけると、客席からかなりの挙手が。「暑かった!」と言う声に、大爆笑するオーム。「暑いですよね? 暑すぎて外に出たら燃えちゃう(笑)。タイにも冬があるんですよ。でも運が良くないとそれに気づかない。つまり大体暑いんです」と笑って答えた。
オーム・パワット
満員のファンと友だちのような近しい距離感でコミュニケーションを取るオーム。緊張が解け、安心した表情で言葉を紡ぐ彼の姿を見ると、ファンたち同様彼自身も今日と言う日を心待ちにしていたことがよくわかる。「今放映中の『Wednesday Club』はどうですか? 観てくれてる? まだの人は今日帰ったら必ず観てね(笑)。来年は『Kid Nap』というドラマに出演します。放送日は未定だけれど必ず観てね!」と宣伝すると、会場から大きな拍手が沸いた。覚えた日本語があるかアキから尋ねられると、流暢に「とんかつ」と答え、場内から笑いが起こる。「ほかにもありますよ。「ありがとうございます」、「こんにちは。オームです」、「愛してる」」。すると会場から「もう一度言って!」と声が上がり「愛してる」と会場を見回しながら優しく囁いた。
「ほかに覚えたほうがいい日本語ある?」とファンに尋ねると「筋肉!」とどこからか声が。「筋肉、大好き。道を歩いている人に「筋肉」って言ったらひかれる? (マッチョポーズを作りながら)「キミ、キミ、筋肉」って」。これには思わず会場も大爆笑。第4ボタンまで開いた黒シャツを正しながら、「冗談、冗談」と笑って答えた。
怖いもの知らずのオーム・パワット
続いてゲームコーナ―。ゴキブリやヤモリを素手で掴めるというオームに用意されたゲームは「ミステリーボックス」。怖がりもせずボックス内に手を入れ、カツラ、ヘアマッサージャーと正解を叩き出すオームと慌てたスタッフとのやり取りに観客の笑い声が響いた。
ファンからの質問コーナーでは、ポストイットに書かれた質問を一枚一枚じっくりと眺め、時間の許す限り少しでも多くの質問に答えようとするオームの姿が印象に残った。
「タイ語を習っているが、覚えたほうがいいタイ語を教えて」と言う質問に「この質問を書いた人、とてもかわいい。勉強頑張って! 「ベンガムランハイジャイナ」これは、頑張ってねとか、サポートするよ、という意味です」と答える。「マイブームは?」と言う質問には、大爆笑しながら「バイク!」と即答。「SNSにアップした動画を観てくれた? レーシングバイクなんだけど、最高なんです。将来レースに出るかもね」といたずらっぽく笑いながら答え、「今一番やりたいことは?」と言う質問には「うーん、いっぱいあるけれどそうだなぁ、日本に観光に来たいかな。仕事じゃなく観光で来たいです」と答えた。「弾ける楽器を全部教えてください」という質問では、指折り数えながら「ギター、ベース、ドラム、ランナー(タイ楽器)……、タイ楽器ならラナートも」と答えると、主演作『Bad Buddy Series』でラナートを演奏するシーンを即座に思い浮かべたファンたちから歓声が上がった。
「可愛くてごめん」の振りをなぞるオーム・パワット
「筋トレをするならどこから鍛えればいいですか」と言う質問には、腕を組みながら「筋トレはどこでもできるんですが、まずは筋トレを好きになること。それから食事。これが大事。体に良いものを摂取してよく眠る。そして何よりサボらないこと!」と全観客のパーソナルトレーナーの如く真剣に答えた。そんな彼が一番慌てたのは「オームのダンスが見たい」という質問。笑い声と拍手が鳴り響く中、「何を踊るの? 何も踊れないよ。え? (PP Kritの)「Fire Boy」? 無理無理(笑)」と今まで以上に早口で答え全力回避を試みるが、TIKTOKでバズった「可愛くてごめん」の振りを会場のファンやアキに教わりながら披露し、会場を大いに沸かせた。
オーム・パワット
2曲目に披露されたのは、現在放送中のドラマ『Wednesday Club』の主題歌「All or Nothing」。赤とオレンジのサイリウムが美しく揺れる中で丁寧に歌い上げ、拍手と歓声が響く中、次に歌ったのは「Still Together」。遠くの客席にも届くように手を振りながら喜びに満ちた歌声を響かせた。
「選曲した理由を話してもいいですか? 2曲目は(GMMTV所属俳優。『Wednesday Club』にも出演している)サタン(・キッティポップ)の曲です。彼がこの歌をレコーディングしている時、キャスト全員に聞かせてくれたんです。それがとても嬉しくて。サタンがどんな思いで歌ったのかが凄く伝わってきて、思わず「僕のコンサートで歌ってもいい? 」と聞いたら、サタンが「P’(タイで目上の人を指す)ほんと? 絶対に歌って!」と喜んでくれたんです。あー! 良かった―! サタンとの約束が果たせました(笑)。3曲目の「Still Together」を選んだ理由はとても簡単。だってみんなとまだ一緒にいるから」と大喜びで話し、会場は拍手喝采!
オーム・パワット
続いてのセッションはヒアリングゲーム。爆音が流れる猫耳スピーカーを付けたオームに、アキが日本語で単語を伝え、何と言っているかを当てるというもの。会場の音が全く聞こえない状態で猫耳をつけながらポーズをとるオームに会場から「かわいい!」、「ナーラック!」と歓声が響く。一問目は「一休さん」。オームは困惑しながら「ギンドリアン? (タイ語でドリアンを食べるという意味)」と答え、会場から笑いが起きる。正解を聞き、「あ! やっとゲームのルールがわかった! 日本語で答えるんだね。でも「ギンドリアン」にしか見えない(笑)」と指をくわえ悔しがっていた。その後続々と正解を叩き出したが、最後の問題「犬」が何度やり直しても「ショー」としか見えないようで、幾度となく「ショー?」と声に出し、最後には「ショー……」と力なく答え、しょんぼりしていた。その健気さに会場から拍手と笑いが巻き起こった。
最後のゲームはじゃんけん大会。オームと全観客がじゃんけんし、勝ち残った1人が5秒間オームと見つめあうというもの。オームが日本語で「じゃんけんぽん」と声をかけると、勝った観客たちの喜びの悲鳴が上がる。一回戦目は比較的早く決まり、5秒間の見つめ合いが始まった。本人曰く「ワーンジアップ(タイ語で、超甘いという意味)」らしいが、にらめっこのような表情をするオームに会場もアキも思わず大爆笑。「このゲーム、大好き!」とオームが気に入り、3回戦まで続いた。茶目っ気たっぷりに観客とやり取りし、勝者がどれくらいいるか一生懸命会場を見まわす。彼の人柄の良さとユーモアを存分に感じられるゲームだった。
オーム・パワット
「今日は寒い中来てくれて、本当にありがとうございました。こういう雰囲気が大好き! ずっと一緒にいたいです。外は寒いけれど、心の中はみんなのおかげでとてもあたたかいです。(日本語で)みんなかわいいです」と会場を見渡し、最後の曲、ジェミナイ・ノラウィットの「Anything You Want」を披露。会場の一番奥まで届くように視線を送ったかと思えば、しゃがんで前列の観客を見つめ歌うオーム。最初の緊張はすっかり消え、リラックスして楽しむ彼の姿に胸打たれた。 曲が終わると丁寧に一礼し、「ありがとう! バイバイ! チュ!」と手を振りながら笑顔でステージ奥に消え、80分に渡るアットホームなファンミーティングは幕を閉じた。
オーム・パワット
「あなたのオームはどこから?」と尋ねたくなるほど数多くの出演作を持つオーム。『Make It Right』のフレーム役でデビューし、その後も『He's Coming To Me〜清明節、彼は僕のお墓の隣にやって来た』、『BLACKLIST』、『The Shipper』、『10 Years Ticket』、『Double Savage』など数多くのGMMTV作品でメインを務め、その確かな演技力が幅広いファン層に支持されている。
現在も複数の作品を抱え多忙を極める彼が、ここ日本でファンミーティングを開催してくれた奇跡に感謝し、彼の今後の日本での活躍にも期待したい。
取材・文=渋谷のりこ