ライブハウスへと想いを繋いだ、福岡『TRIANGLE 2024』2日目ーーHERO COMPLEX、SUPER BEAVER、HEY-SMITHら12組が狂宴

2024.5.30
レポート
音楽

写真=『TRIANGLE 2024』オフィシャル提供

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TRIANGLE 2024 2024.04.28(SUN) シーサイドももち海浜公園地行浜ビーチ内特設ステージ

『TRIANGLE 2024』2日目はビーチでの開催にふさわしい、青い空が広がる快晴に! この日もオープニングMCの長岡大雅(KBCアナウンサー)が「初の3日間開催。想いを繋いでいこう!」と、毎度おなじみのヘドバン体操で観客と一緒に体を揺さぶり起こす。

locofrank

トップバッターのlocofrankは景気づけと言わんばかりの軽快で早急なビートを連発させ、会場に大きな気迫のうねりを作り上げていく。海の中を泳いでいるの? ってくらいに人の上を泳ぐダイバーたちの活きの良さも痛快で、この開放感は『TRIANGLE』ならでは。「1発目を任されてドキドキした」と言いつつも、MCの時間さえももったいないと、「Mountain range」「across time」などショートチューンを連発。強制目覚まし時計みたいな体がシャキっとするタフなサウンドで駆け抜けていく。

THE FOREVER YOUNG

地元・久留米発のTHE FOREVER YOUNGはサウンドチェックで「もう楽しいです!」とニヤり。「明日はいらねぇ」のストレートなリリックが胸を締め付けるのだが、それ以上にうるさいど真ん中に響くロックンロールサウンドに、誰もが大はしゃぎ。「また来年も会えるように、それまで一生懸命生きていこう。福岡で観てもらって、一緒に呼吸して、歌えた事実があれば、ずっと生きていける。思い出のなかに君たちがいてくれてありがとう!」。正面衝突で向かってくる彼らの音楽は感情をガツンと掴んで離さない。純度100パーセントの感情のぶつかり合いだ。

Dizzy Sunfist

Dizzy Sunfistは「Tonight,Tonight,Tonight」「Punk Rock Princess」と、ご機嫌に踊り遊ぶ。「ベイサイドアゲ! もっとアゲたろかー!」、ご機嫌な関西弁で観客を煽るけど「好いとうよ」「私たちの音楽があなたのそばにずっといますように」なんて言葉も飛び出したりと、心ときめく「ずるい」ライブ展開が続いていく。ラスト「So Beautiful」まで、最後の一秒、その瞬間まで音を鳴らして目の前の観客に音を届けたい! そんな彼女たちのライブに懸ける熱い心意気がびしばしと伝わってくる。

Maki

「今日のオレたちのライブ、最高なんで!」、Makiは声高らかに勝利宣言。いつものように缶ビールをマイク越しにプシュっと開けるも、その音が野外のビーチ会場にとんでもなく似合っていて、それだけでも会場から歓声が。「良い景色作ろうよ!」と「斜陽」「虎」などシンプルで、でっかいバンドサウンドでフロアを沸かす。真摯に言葉を、音を届けたい、その前傾姿勢な想いに誰もが夢中になって魅入っている。「もっと気持ち良くなりたい人しかおらんよね?」と、新曲「Record Dogs」で感度はさらに上昇。

TETORA

「思いっきりハメ外して! 普段ため込んだもの放出して、思いっきりバカになって帰ってくれ!」。TETORAはさらなる上昇を求め「バカ」「嘘ばっかり」など、タイトなバンドサウンドで初出演の『TRIANGLE』に確かな軌跡を残していく。「全部全部見逃さないで! 目離さないで!」と、芯がぶっといギターをかき鳴らし、心の奥底から感情をむき出しにしていく。「さらにカッコ良くなって、またここに帰ってきます!」。念願だったイベントへの出演があまりに嬉しかったのか、駆け足でライブを終えてしまい大幅に時間が余り、予定外の楽曲を複数披露する、ファンには嬉しいハプニングも飛び出した。

かりゆし58

「『TRIANGLE』2日目が素晴らしいものになると信じております!」。かりゆし58は野外での『TRIANGLE』は初出演だが、観客のご機嫌スイッチを探り当てるのがとにかく早かった。1曲目「ホームゲーム」からあっという間にピースフルな空気を開場に広めていく。母親への想いを綴った名曲「アンマー」では共に口ずさむ人がとにかく多くて、楽曲がずっと長く愛され続けてきたことを改めて思い知る。ラスト「オワリはじまり」では風が、太陽が、砂浜が、すべてのシチュエーションが楽曲をより魅力的にし、忘れられない唯一無二のステージを作り上げていた。

撮影=SPICE編集部

MAN WITH A MISSIONコラボのクラフトビール「BREWDOG」 撮影=SPICE編集部

会場にはビーチ沿いにずらりとフードトラックが並び、多彩なフェス飯で観客の空腹を満たしてくれた。焼きそばに唐揚げ、ポテトフライにリンゴ飴にチュロス……etc。波音を聞きながら楽しむ食事はまるで海の家にいるような感覚もあって、ライブで疲れた体には「チル」感がちょうどいい。ドリンクにはMAN WITH A MISSIONとタッグを組んだことでも話題となったクラフトビール「BREWDOG」も登場。バンドをイメージして作られただけあって、ブースはつねにたくさんの人で賑わっていた。

dustbox

イベント後半、dustboxは「Riot」からさっそくキラーチューンを投下し、ステージ前方が霞むほどのドでかい砂嵐を巻き起こしていく。キレ味抜群な「Try My Luck」のタフさに気圧されかけるも、観客は大きなコール&レスポンスでバンドの音に応える。激しく打ち込まれるビート、ハイトーンボイスにソリッドなギターサウンド、テクニカルなベースライン。脳みその気持ちいいところをずっと突いてくるショートチューンの連続。新曲「To All My Friends」など、「これこそまさに!」なサウンドに喜びの歓声が止まらない。

四星球

「楽しみすぎてどんなライブにすればいいか分からなくなりました!」。四星球はこの日のライブはヤ◯ー知恵袋を参考に、博多や『TRIANGLE』をイメージしたライブ展開に。「は・か・た・の・しお!」の超ショートなSEで登場すると、それだけで掴みはOK! 「ロックフェスの代にはコミックバンド分は含まれてない、タダなんです。楽しむほど得します!」と、バンドも観客も総動員なパフォーマンスに。「クラーク博士と僕」「馬コア」と、ここでしか味わえない&誰にも真似できない、愛とリスペクトたっぷりのステージで盛り上げてくれた。

HAWAIIAN6

HAWAIIAN6は1曲目「Burn」から熱量高いパフォーマンスで突き進んでいく。「いつもと一緒で構わない。ルール全部ぶっ壊せ! 愛とマナーがありゃいいんだよ!」、その言葉通り、野外なのに濃密なライブ展開はライブハウスそのもの。「数字が決め手じゃない。デカイフェスに出るのがえらいんじゃない。あなたの目で見てカッコ良いと思ったら、それが一番カッコ良い。ライブハウスを楽しんで。お前らの街に行くのはそういう理由、また会おう。一生青春だ、終わらない青春なんだ」。ただただ武骨に、目の前の観客に音を届けるのみ。誰もがニッコニコの笑顔でダイブして、拳を突き上げているその姿こそ、相思相愛の証拠だ。

HEY-SMITH

観客の歓声もハンズクラップも笑顔でダイブしていくキッズの人数も、砂嵐も。ひときわ規模のデカい反応が沸き起こっていたのがHEY-SMITH。「Be The One」「Living In My Skin」と、突き抜けるホーン、タフなビート、キラーチューンの連発に感情も体も大忙しだ。「お前の声を福岡中に響かせろ!」、シンガロングが沸き起こる「California」は夕暮れのビーチの心地よさも相まって、はちゃめちゃに気持ちがいい! 「『TRIANGLE』の火はずっと燃え続けたまんまやったね。九州のバンドがトリを務める、素晴らしさを最後まで見届けたい。みんなで思い出一個作っちゃいますか!」と、ひと足早いサマーチューン「Summer Breeze」など最後の一音を出し切るその瞬間まで、観客の感情を引っ張り上げていく。

SUPER BEAVER

「ご機嫌いかがですか! 疲れたなんて言いませんよね! おれはこの場所にきて、あなたにどうしても言っとかなきゃいけない言葉がある」。SUPER BEAVERは「幸せのために生きているだけさ」「アイラヴユー」と、じっくりと大きく熱を高め、音を、想いを共有していく。常にパフォーマンスの最高点を求めるのはどのバンドも同じだけれど、SUPER BEAVERは「あなたと音楽を作りたい!」と、観客との共感を常に求めていく。もっともっとと観客に声を求め、それに呼応するように心の底から納得できるライブパフォーマンスをぶつける。感情豊かに歌い上げる「切望」など、全6曲、圧倒的な存在感で感覚を魅了していった。

HERO COMPLEX

2日目のトリを飾るのは、北九州・小倉発のHERO COMPLEX。地元の雄として、イベントを締める存在として、期待が募るなか「『TRIANGLE』! ヒーローがきたぜ!」と、ドカンとド派手に音を鳴らし「Feel so good」へ。タイトルまんま、最高なコンディション&パワフルなツインボーカルがご機嫌に響く。実は事前に決めていたセットリストを、当日ガラリと変えてきた彼ら。これが大正解! そう思わせるほど「ライブハウス直送」なサウンドが観客の想いを昂らせる。

HERO COMPLEX

HERO COMPLEX

「巡る」「想」「証」の楽曲の流れも素晴らしくて、彼らのイベントに、ライブに、音楽に懸ける心意気がびしりと伝わってくる。「会いたくなったらライブハウスにおいで!」、ドカドカうるさいロックンロールサウンドを鳴らしながら、フロムライブハウスなバンドの姿を噓偽りなく真正面から見せる。『TRIANGLE』が掲げてきたライブハウスへの想いをしかと体現させ、2日目のトリを大団円で駆け抜けていった。

HERO COMPLEX

取材・文=黒田奈保子 写真=『TRIANGLE 2024』オフィシャル提供

■1日目のレポートはこちら
>>福岡『TRIANGLE 2024』5年ぶりに完全復活ーーSHANK、マンウィズ、オーラル、ジーフリらと12組がビーチを熱狂の渦に

■3日目のレポートはこちら
>>記録よりも記憶を残した、福岡『TRIANGLE 2024』最終日ーーSIX LOUNGE、ハルカミライ、ホルモン、The BONEZら12組が集結

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