堂本光一、国内演劇における単独主演記録1位達成 前人未踏の2018回達成に今井翼らが駆けつけ祝う
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2000年11月の初演『MILLENNIUM SHOCK』以来、堂本光一が国内ミュージカル単独主演記録を更新し続ける『SHOCK』。2024年は、4・5月の帝国劇場公演を皮切りに全国ツアーをスタートさせているが、5月9日(木)夜の部をもって、堂本光一が国内演劇の単独主演記録2018回を達成。森光子さんがライフワークの舞台『放浪記』で1961年から2009年にかけて積み上げた2017回を更新し、単独1位となった。
9日(木)夜の部のカーテンコールでは、堂本光一のほか、佐藤勝利(timelesz)、中村麗乃(乃木坂46)、越岡裕貴、松崎祐介、島田歌穂らこの日のカンパニーメンバーそして、本作品に所縁あるスペシャル・ゲストとして、梅田彩佳、森公美子、前田美波里、中山優馬、上田竜也、米花剛史、町田慎吾、屋良朝幸、今井翼も駆けつけ、偉業を祝った。
スペシャルカーテンコールのMCを務めたのは、ふぉ~ゆ~の越岡裕貴、松崎祐介のふたり。セレモニーの実施は光一にはサプライズだったそうで、開演前ふたりに、「今日なにかあるか聞いてる?」と尋ねたが、知らないふりをされた、と光一が言えば、「今日は盛りだくさんなので、とりあえずお口チャックで!」とけん制して笑いを誘った。ちなみに、開演前、ふたりが楽屋でカーテンコールの打ち合わせをしているときに光一が訪ねてきてしまい、バレるわけにはいかないと咄嗟に喧嘩しているふりをして光一を楽屋から追い出し、難を逃れたそう。真相を知った光一は、「(2018回公演だけど)普段通りにやろうと思ってたのに、ふたりが見たことない顔で喧嘩してるからびっくりして!」と笑いながら、ホッとした表情で笑顔を見せた。
セレモニー最初に登場したのは、2018回を祝うくす玉。「これこのあいだ(2000回達成時)見たな~」と笑顔を見せる光一。『よっ 日本一!光一!!』と書かれた垂れ幕と大量の紙吹雪、そして客席には銀テープが降ってきて、会場は一気に華やかムードに。「今日はほんとうにすごい。数々のサプライズゲストが!」とテキパキ進行するふぉ~ゆ~のふたりの言葉に客席からはどよめきが生まれる中、最初に登場したのは、第15代リカ役の梅田彩佳、オーナー役の森公美子、前田美波里。華やかな衣装に身を包んだそれぞれが6本のバラを光一に手渡し、祝いの言葉を述べた。
森公美子、前田美波里
梅田彩佳
次に登場したのは、中山優馬と上田竜也。なんとふたりは盆(舞台機構のひとつ)を使っての登場! 2000本のバラでできているという、スクエア型のセットに乗っての登場だ。女優陣3名が渡した計18本のバラと、セットに使われた2000本のバラを足すと、今回の記録である【2018】になる、との説明をうけると、光一も感嘆の声。「これすごいね!」と終始笑顔を見せていた。
中山優馬、佐藤勝利、上田竜也、堂本光一/光一の髪についていた、くす玉の紙吹雪を上田がとる一面も。
さらに、サプライズ・ゲストは続く。会場がひと際盛り上がったのは、米花剛史、町田慎吾、屋良朝幸、今井翼の登場だ。初演『MILLENNIUM SHOCK』にも出演していた面々の登場には、光一も思わず「これはヤバいね!」と一人ひとりと固い抱擁を交わす。巨大なシャンパンも登場し、キャスト・会場が笑いに包まれた。初代ライバル役を務めていた今井は光一について「今でも舞台に立ち続けてカッコいいなと思います。40代の鑑です」と笑顔。屋良、町田、米花も「『SHOCK』という作品に関わらせてもらえたことが誇り」など口々に祝いの言葉を述べ、光一も「タイムスリップした気分」と懐かしさに感無量といった表情を見せていた。
今井翼
米花剛史(左)は「12年ぶり」の再会だったという
町田慎吾、屋良朝幸
セレモニー終盤には、メディアからの質問時間も。まずは国内演劇の単独主演記録更新という偉業達成について問われると、「まったく実感はない。2018回もやってきたという気はしていなくて、不思議な感覚」と、正直な気持ちを吐露した。一公演一公演が”命を削るような公演”で、続けてこられた理由については、「求めてくださる人がいるから」と、観客をはじめとする多くの気持ちに応えたいという想いが強かったと答えた。
また、これまでの国内演劇 単独主演記録2017回のレコードを持ち、2000年の『SHOCK』初演から体調を崩す直前の2009年まで毎年本作の観劇を続け、光一を激励してきたという森光子さんにも言及。森さんの言葉「あいつより うまいはずだが なぜ売れぬ」を引き合いに、それとは正反対に、「あいつよりヘタなんだから命燃やさないと」という信条でやってきたと胸の内を明かした。「自分にはなにもないから。だから命を燃やしてやらないとというか、そういったものをお届けするしかないなと思ってやってきた」と2018回に至るまでの真摯な想いを静かに語った。
2008年年1月6日『SHOCK』500回カーテンコールに駆け付ける森さん
この日は奇しくも森光子さんの誕生日。狙って合わせたわけではなかったという。今でも楽屋に森光子さんの写真を掲げ、リスペクトを抱き続けている光一は、森さんへの想いを聞かれると、「自分はそこ(森)と同列には並べられないので。今も昔も変わらず、偉大な大先輩です」と変わらぬ尊敬を示した。
『放浪記』初演1961年 森光子さん当時41歳
光一は挨拶中、何度も、”いつも通りに”と口にした。今年、2024年の公演は、現・帝国劇場の建て替え休館に伴うクロージング ラインナップの一環であると同時に、今年1月に行われた製作発表にて光一は、『SHOCK』もまた終幕を迎えることを宣言した。記者が森光子さんのマネージャーからのコメントとして「2025年の新・帝劇でも、森光子さんが好きだったあの美しいフライングを見せてほしい」と伝えると、会場からは割れんばかりの拍手が起こったが、光一は、「気持ちはうれしいです」と微笑みながらも「今年が最後というのは自分が決めたことですから」と固い意志をみせた。同時に、「それがまた、新しいものに繋がっていったりするのかなと」と未来に向かって言葉を紡いだ。
島田歌穂、中村麗乃(乃木坂46)
マイクがMCのふたりに戻り、松崎が「最後にパシッと締めてください!」と光一に言ったところ、その言葉が「パシャっと!」に聞こえた光一が、写真撮影をするのだと勘違い。仕切りに戸惑う光一の隣にいた佐藤がこそっと、「話してくださいってことだと思います。パシャっとじゃなくて、パシッと」と控えめに伝えると、光一も会場も爆笑、松崎は「僕の言い方が!」と平謝り。温かな雰囲気の中で締めくくられた。
「この景色が見られることがほんとうに幸せです。今日改めて温かい拍手をいただいて、こんなに力になるものかと感じました。ステージに立つ仕事は怖いものでもありますが、みなさんの顔を拝見するとすごく幸せそうな顔……といったら失礼かもしれませんが(笑)、人を幸せにできる仕事につけるって、自分自身が幸せなことだなと思いました。今年は『SHOCK』としては終止符を打つ流れですが、また新しい自分をお届けできればと思いますし、改めてお客様、そしてほんとうに素晴らしい仲間たちがいるんだなと実感できる、素晴らしい一日になりました。ありがとうございました」(光一)
『SHOCK』終幕には惜しむ声も多いが、セレモニー中に光一は、「20代~30代に比べて、体力的な限界を感じることもありましたが、皆さんがこうしてお祝いしてくださるということは、まだまだ期待しているぞということなのかなと思いますので、自分を鼓舞していきたいと思います」と意欲を滲ませていた。偉業達成のお祝いムードの中でも、決して浮かれることなく、その記録を噛み締めながらも、今この時と未来を真っ直ぐ見据えて前を向く、芯ある語りが印象的だった。
2024年の『SHOCK』は、4・5月の帝国劇場(本編・エターナル編同時上演)公演を皮切りに、7月・8月は梅田芸術劇場(本編のみ)、9月博多座(本編のみ)、そして11月に現・帝国劇場最後の公演(本編のみ)が予定されている。
取材・文・撮影=yuka morioka
公演情報
出演:堂本光一、佐藤勝利、越岡裕貴、松崎祐介、高田翔、寺西拓人、松尾龍、尾崎龍星、石川直、中村麗乃、前田美波里・島田歌穂
2024年7・8月 梅田芸術劇場メインホール(本編のみ上演)
出演:堂本光一、中山優馬、林翔太、室龍太、高田翔、原嘉孝、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、島田歌穂
2024年9月 博多座(本編のみ上演)
出演:堂本光一、佐藤勝利、福田悠太、辰巳雄大、室龍太、高田翔、松尾龍、尾崎龍星、綺咲愛里、前田美波里
2024年11月 帝国劇場(本編のみ上演)
出演:堂本光一、上田竜也、福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介、松尾龍、尾崎龍星、石川直、綺咲愛里・中村麗乃、前田美波里