“４度目の興奮”がやってくる！ ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ2025』ビジュアル撮影レポート～東啓介×甲斐翔真×田村芽実

2025年春に４度目の上演が決定したブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ 2025』。そのビジュアル撮影が行われたスタジオにていち早く新キャストをキャッチ！　日本公演初のWキャスト体制となったカンパニーより、チャーリー＝東啓介、ローラ＝甲斐翔真、ローレン＝田村芽実チームの様子をレポートしたい。

スタジオに入って最初に目に飛び込んできたのは、山と積まれたプライス&サンのロゴ入りシューズボックス。ここは彼らの倉庫か工場かそれとも──そして、そんな“自慢の一足”が収められた箱に囲まれているのはチャーリー、ローラ、ローレンの３人だ。コスチュームはもうすっかりお馴染み、上はスーツで下はトランクス＆ブーツなチャーリーと、トレードマークの真っ赤なミニドレス＆ブーツのローラ。ローレンも柔らかなラインのドレスにブーティーを合わせたおめかしスタイルである。

カメラマンのキュー出しに合わせ、互いに呼吸を合わせながら「いらっしゃい！ 商売繁盛！」な勢いのある生き生きとした表情を繰り出す。「カメラを覗き込んで。そうそう！」とテンションを上げていく撮影者のリズムに乗っていくほどに、その場にハッピーなオーラが生まれていく。誠実さをまとった東チャーリー、ちょっと余裕風な甲斐ローラ、明るくキュートな笑顔で場を盛り立てる田村ローレン。物語本編の裏側を垣間見るようなセッティングも素敵だし、合間にちょっとしたおしゃべりなどもしつつワイワイとじゃれ合う３人の空気感も心地いい。

撮影はここが粘りどころと、バリエーション豊富なカットの中でも「これぞ」の１枚を目指し、モニターを確認しながらポーズや表情をさらに積み重ねていく。盛り上がる気分の中、「OK!」の声にほっとする一同。「この３人だから」の絶妙なバランスの瞬間が、バッチリとカメラに収められた。

続いてはチャーリーとローラのツーショット。長身にさらに高いヒールをプラスしたふたりが立ち並ぶ姿はもうそれだけで圧巻！　新たなコンビのイメージが新鮮だ。まずは姿見を見ながら一緒にポーズのシュミレーション。それぞれのキャラクターの内面にも思いを馳せながら、チャーリーとローラならどんな風に絡むのか？を探っていく。

この姿で出会うのは今日が初めてのふたりだけに、やはり序盤はちょっとおとなしい感じ。その空気を察したカメラマンが「もっと動いて！ やりきっちゃった方がカッコいいから」とレンズ越しに煽っていく。理想のツーショットに少しでも近づけるべく、モニタをチェックし、絡み具合を計算し、表情を研究し、イメージをすり合わせる作業を繰り返す。次第に場があたたまり始めると、「テンションつかんだよね」の言葉と共にホットな絵柄が次々生まれ出した。

楽しそうな東の表情と、美しい甲斐のスマイル。リスペクトと愛と友情で繋がったふたりのお茶目カッコいい様子の数々。どのカットが選ばれるのか楽しみだ。

ラストはローラのソロカット。真っ白な空間に立つ勝負服のローラはドレスもルージュも情熱のレッドグリッター。巻き髪も凛々しく、ヒップラインもレッグラインも健康的かつセクシーである。撮影中、口数はあまり多くないように見えた甲斐だが、スリーショット、ツーショットを経て自身のローラ姿にもかなり馴染んできたようで、ソロカットに至る頃には時折BGMのミュージカルナンバーに合わせて踊ってみせる余裕も。

ここでもまずは姿見でポーズをチェック。スタッフのアドバイスを受けながら、改めてローラという特別な存在の強さと美しさを体現するべく、足の開き方、体をひねる角度、重心を操るブーツ捌きや両手の指使いに至るまで、全身に神経を配りながら様々なポージングを試みる。

顔も同様だ。口角を上げ絶妙な開き加減の口元が印象的な笑顔にはローラの無敵感が漂い、一転、クッと引き締めた表情は清廉さと憂いがない混ぜとなった甲斐ローラならではの繊細なニュアンスが宿っていく。

見守るスタッフの間から「カッコいい！」「セクシーです」と次々に声が上がり、その姿ひとつひとつがカメラによって確実に切り取られる。ゴールまであともう少し。集中が増し、真剣勝負のシューティングは続いた。

JAPANカンパニーのすべてのキャストビジュアルも解禁された今、心は急くばかりだが……ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』は、2025年4月27日（日）～5月18日（日）東急シアターオーブにて東京公演後、5月26日（月）～6月8日（日）オリックス劇場での大阪公演へと愛のステップが繋がれていく。チャーリー＆ローラと仲間たちに再会できるその日まで、もう少しの辛抱だ。

取材・文＝横澤由香　撮影＝中田智章