海賊たちの絆、役柄重ね熱演！～『新ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊 単独公演「Caribbean Groove」』ゲネプロレポート

新ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team 柊 単独公演「Caribbean Groove」ゲネプロ 2024.10.4（FRI）

2024年10月4日（金）、東京・IMM THEATERにて『新ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊 単独公演「Caribbean Groove」』が開幕した。初日直前に行われたゲネプロ公演と囲み取材の模様をレポートする。

『スタミュ』は、音楽芸能分野の名門・綾薙学園を舞台にミュージカル学科で夢を追いかける主人公・星谷悠太（演：三井淳平）ら男子学生たちを描いた青春ドタバタ・ミュージカルアニメ。2017年にミュージカル化され、2020年までに「Caribbean Groove」を含む7作品が上演されてきた。2024年よりキャストを一新した新シリーズとして再始動し、2024年1月には『新ミュージカル「スタミュ」』が上演された。

本作はスピンオフ企画として、劇中に登場する戯曲をミュージカル化。辰己琉唯（牧田一成）が率いる申渡栄吾（小椋涼介）、戌峰誠士郎（中本大賀）、虎石和泉（藤岡勇成）、卯川晶（新谷聖司）の「team柊」が演じる劇中劇「Caribbean Groove」として上演される。

海賊黄金時代、カリブ海で最強と恐れられる海賊「ブラッディ・ロジャー」を率いる若き5人のリーダーたち。クリス役を辰己、アルベール役を申渡、ジョバンニ役を戌峰、ティエラ役を虎石、アンリ役を卯川が演じる。

圧倒的な力を持つ彼らの素顔は、互いを信頼し合う等身大の青年たちだ。だが、その裏にはそれぞれの過去と秘密を抱えていて……。

謎の男・アモルテ（柊木智貴）の暗躍により、航海の途中に立ち寄ることとなった港町。そこはとあるクルーにとって縁の深い場所だった。レジスタンスのリーダー・ジョルジュ（健人）、レジスタンスの若きメンバー・ピエール（新納直）と出会ったことで運命が変わっていく。

「仲間の絆」をテーマに据えた本作に厚みをもたらすのは、これまでteam柊として育まれた関係値。それぞれがミュージカル学科トップレベルの実力者でありながら、切磋琢磨しながら互いの実力を認め合っている。そんな信頼関係が根底にあるからこそ、この劇中劇に心を震わせる説得力を与えてくれているのだろう。

消せない過去、守るべき存在、死を覚悟しながら挑む戦い――壮大なストーリーを、5人の海賊たちが彩り豊かなミュージカルナンバーで魅了する。王道的海賊譚としてはもちろん、team柊の面々のキャラクター性が配役や関係性にどう影響するのかも楽しみながら観てほしい。

本公演は二部制。第一部「Caribbean Groove」の後は、team柊と指導者である柊翼（丸山龍星）の日常が垣間見えるストーリーが繰り広げられる。さらに、team柊の面々による盛りだくさんなレビューパートも。5人のナンバーをたっぷりと楽しもう。

ゲネプロ公演前には囲み取材が行われた。主なやりとりは以下の通り。

――演じる役の見どころをお聞かせください。

牧田：クリスは過去、現在、未来の成長過程がみられるキャラクター。ストーリー、劇中歌ともに注目していただけたら。

小椋：アルベールは基本、冷静沈着で指揮を執る航海士という役どころ。そのキャラクターがどう崩れていくのかに注目してください。

中本：一部と二部、ジョバンニと戌峰はまったくキャラクターが違うんです。原作者さん側からは「劇中劇では戌峰という役を忘れていただいて構いません」というお話もありましたので、ぜひギャップを楽しんでいただきたいです。

藤岡：ティエラは激しく、かっこいい海賊というイメージ。仲間一人ひとり、それぞれとの親密な絆と関係がある。今回、小さいお子様も見に来ていただけるということなので、小さな男の子や女の子にも憧れてもらえるようなキャラクターとして全力で演じられたら。

新谷：アンリは臆病で戦うことが嫌いで、生意気ではあるけどかわいらしい少年。後半になるにつれてどんどん成長していくキャラクターです。

――『新ミュージカル「スタミュ」』シリーズには前作に続く出演。自信や結束力など、team柊としてどんな変化が？

一同：仲はかなり深まりました！

中本：自信はもともとあるので（笑）！

藤岡：前作は5人でのシーンが多かったのですが、今回は一人ひとりフィーチャーされる。スター性がさらに増していると思います。

小椋：前作より、オフの時間に5人でいることが増えたよね？

新谷：そう！

中本：休憩時間も役作り、ダンスの話をしていて、明らかにお芝居を一緒に考える時間が増えた。その分、仲も深まり自信もついた。

牧田：前作の出演から得た経験が今につながっている。今回の経験もまた次の（2025年に上演が決定している）『新ミュージカル「スタミュ」-2ndシーズン-』につなげられたら。

――意気込みやお客様へのメッセージを。

新谷：一部ではシリアスな場面もありますが、二部は打って変わって楽しいシーンが多い。その温度感の差も含めて楽しんでいただけるように頑張ります。

藤岡：「Caribbean Groove」を演じるのは僕たちが2代目。僕たちだけにしか作れない「カリグル」が稽古で完成しました。自信をもってステージに立ちますので、本番を迎えるたびにまた成長くしていく僕らをどうか見届けてください。

中本：一言です、やるだけ！　来てくださるお客様がブラッディ・ロジャーの一員のような気持ちになっていただけたら。二部は全力で楽しんでください！

小椋：1カ月ちょっとの期間、心と体をすり減らして稽古に取り組んできた成果をやっとお見せできることが楽しみ。一部と二部の質感が全然違うので、1回の公演で2つの舞台を見たような感覚になっていただけると思います。

牧田：僕自身の一番好きな言葉で、大切にしているのが「全力で楽しく」ということ。お客様にも楽しんで帰っていただきたいですし、僕たち5人や他の皆にも「楽しかったね」って言ってもらえるような作品に作り上げました。その気持ちを感じていただけたら嬉しいです。ぜひ劇場へ遊びにきてください！

中本：……初座長の気持ちはいいの？

牧田：まだ2.5次元作品への出演が2作目。右も左もわからない状況から、みんなに支えてもらってきた。座長という立場として、今日から恩返しできるような公演にできたらと思っています。応援よろしくお願いします！

一同：ついていくよ！

取材・文・撮影＝潮田茗