五木ひろし、歌手生活60年特別公演を前に坂本冬美と対談「私の一番いい時を五木先輩に捧げたい」公式インタビュー到着
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坂本冬美、五木ひろし 撮影=河上良
10月31日(木)~11月21日(木)に新歌舞伎座にて新歌舞伎座開場65周年記念 歌手生活60年『五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演』が上演される。これに先立ち、五木ひろしと坂本冬美のオフィシャルインタビューが到着したので紹介する。
10月31日(木)より、大阪・新歌舞伎座にて新歌舞伎座開場65周年記念 歌手生活60年『五木ひろし特別公演 坂本冬美特別出演』が幕を開ける。五木ひろしにとって4年ぶりの新歌舞伎座となる。演目は第一部が三木のり平生誕百年と銘打ち、「花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛」を上演。第二部は五木と坂本冬美を中心にした「スペシャルショー」を上演する。特別公演に向けて五木と坂本が揃って来阪し、公演をアピールした。
コロナ禍を経て、新歌舞伎座での長期公演は4年ぶりとなる五木。それだけに第一部の芝居にも気合が入り、思い入れを次のように語った。「「花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛」は、小野田勇先生原作、三木のり平先生の演出の作品です。今年は三木のり平先生の生誕100年ということで、改めて皆様にのり平先生の演出をご覧いただこうと思っています」。
五木ひろし
五木が本作を初めて上演したのは約35年前。今回で5度目となる。「約20年ぶりの上演なのですが、立ち回りもある大変動きの激しいお芝居です。私ももう76になりましたので、50代にやっていたお芝居がどこまでできるのか、今回は大きなチャレンジです」。
相手役は特別出演の坂本冬美。加えて笹野高史、太川陽介、工藤夕貴、曽我廼家寛太郎らが顔を揃える。「私と同い年の笹野高史さんには当時、おかん婆さんというおばあさんの役をやってもらったのですが、これが見事にハマりまして、今回もリクエストをしました。笹野さんは「20年前のようにはいかないかもしれないけれど五木さんがやるんだったら」と承諾していただき、ご出演していただくことになりました」。
坂本冬美
坂本が演じる役は武家の娘。ちゃきちゃきで、男勝りの性格だという。そんな役柄について坂本は、次のように話した。「多分、10代(の役)だと思います。お客様には双眼鏡で見ないようにとくれぐれもお願いしたいんですけれども(笑)、遡りますと33年ほど前に初めて五木先輩の舞台に出させていただきました。その時も三木のり平先生の演出で、娘役でございました。私の原点はその舞台でございますので、30数年経って、50も半ばをだいぶ過ぎた私が娘役をどのように演じられるか。なんとか声のトーンを高くして(笑)、更に高くして、望みたいと思っております」。
五木は子どものころから見ていたスターだと話す坂本。そんな五木の歌手生活60周年を記念した公演に出演することについて、こう話す。「本当に光栄に思っております。力の限り、全てをかけて臨みたいと思います」。
五木が演じる安兵衛は、酒飲みのぐうたらだが、強い正義感があり、友情にも熱い、人間味のある人物。そんな安兵衛を囲む長屋連中らのやり取りも見どころだ。「ちょっとした喜劇あり、人情話あり、時代劇特有のチャンバラありと、とても華やかなお芝居です。安兵衛は後に赤穂浪士に加わっていくのですが、そのような背景の語りを講談師の神田伯山さんに務めていただくことになりました。とてもありがたいことと喜んでおります」。
過去に上演した「喧嘩安兵衛」の映像を見た坂本は、作品の魅力を次のように語る。「目まぐるしい大立ち回りもありますが、笹野高史さんと曽我廼家寛太郎さんのくだりではお腹がよじれるほどお客様が笑っていらっしゃって。見終わって「楽しかったし、うるっときたし、感動したし、大立ち回りも見れたし……」と思うほど内容が盛りだくさんで、いろんな要素が詰まっている作品だと思います」。
続いて、五木に原作の小野田勇と演出の三木のり平への思いを尋ねた。「のり平先生は俳優としても、演出としても超一流の方。森光子さんが演じられていた芸術座の『放浪記』も、菊田一夫さんからバトンタッチされたのちは、のり平先生が演出されていました。のり平先生が生前、「ひろし、僕の芸を全てお前に譲る」とおっしゃってくださったこともあって、のり平先生が演出されたお芝居をたくさんやらせていただきました。私も色々な喜劇作品をやりましたが、のり平先生が演出をされたものはすべて面白かったですね」。
小野田については、こんな裏話も明かした。「小野田先生は本当に台本ができるのが遅いんです。ひどいときは初日の前日に後半ができたこともありました。小野田先生は(台本が)早くできると面白くない、遅いほど面白いというのが定番だったので、覚悟はしていたのですが。それで、初日が開けると先生が楽屋にずっといらっしゃるんです。そして僕の顔を見るなり「ちゃんとやれるじゃない」と。なので、「ちょっとお願いしますよ、先生。もっと早く書いてくださいよ」と言ったことがあります」。
五木は、江戸前の三木のり平、上方の藤山寛美。この二人が喜劇の大師匠であり、憧れの人とも続けた。
第二部の「スペシャルショー」は、構成を考え中と五木。坂本に加えて、工藤夕貴や森山愛子も登場する。「工藤夕貴さんは「あゝ上野駅」を歌った歌手の井沢八郎さんの娘さんでもありますので、それを歌い継ぎなさいと私が言ったものですから、「あゝ上野駅」を歌ったり、私が作った新曲も出したりしております。森山愛子ちゃんは冬美ちゃんの後輩で、同じ事務所ということもあり、力強いステージで魅了します。私と冬美ちゃんのジョイントコーナーがメインになりますが、このお二人を含めて、4人のステージになります」。
デビュー当時から坂本を見てきた五木。今、歌手としての彼女は五木の目にどう映っているのだろうか。その魅力を尋ねたところ、「今が一番いい時」と断言し、次のようエールを送った。「この数年は一番輝いているのではないかと思います。より一層輝いて、女性歌手のトップとして頑張ってもらいたいと期待しています」。
そんな五木のエールに坂本は「ありがたいお言葉です」としみじみかみしめる。「数年前からこうして(座長公演に)お声をかけてくださって、私が座長としてできるように頑張れよと背中を押してくださったり、見守ってくださっている五木先輩です。五木先輩の60周年記念は来年の7月まで続きますので、私の一番いい時を五木先輩に捧げたいと思っております(笑)」。
聞き手・文=岩本 和子 撮影=河上 良
公演情報
1階席 14,000円
2階席 7,500円
3階席 4,000円
特別席 14,500円
1階席 12,500円
2階席 6,500円
3階席 3,500円
特別席 13,000円
三木のり平生誕百年
花のお江戸の快男児 喧嘩安兵衛
三木のり平 演出
吉本哲雄 補綴
金子良次 補綴・演出
元禄十五年十二月十五日明け七ツ、降り頻る雪を踏みしめ辿り着いた、赤穂四十七士の面々、ここは本所松坂町吉良上野介門前。首領、大石内蔵助が打ち鳴らす山鹿流陣太鼓を合図に亡君の意趣を晴らさんと討ち入ったり。
ヤアーヤアー、我こそは吉良家中小姓清水一学、赤穂浪士見参!
播州赤穂浅野内匠頭旧臣堀部安兵衛武庸、お相手仕る――。
ふたりの運命の歯車が廻り始めるのです。
五木ひろし、坂本冬美、太川陽介、曽我廼家寛太郎、工藤夕貴、笹野高史 ほか
スペシャルショー
五木ひろし
よこはま・たそがれ、長良川艶歌、契り、こしの都 ほか
坂本冬美
あばれ太鼓、夜桜お七、ブッダのように私は死んだ、ほろ酔い満月 ほか
制作協力:五木プロモーション/ティアンドケイ・ミュージック/プロデュース・コーバ/アイエス/オフィスプロペラ
製作:新歌舞伎座
HP:https://www.shinkabukiza.co.jp/perf_info/20241031.html