3日間で8万人超の動員を記録した『CENTRAL』最終日のオフィシャルレポートが到着 HANAが初フェス出演、「Echoes Baa」ではYOASOBIが横浜の夜景を背にフィナーレを飾る

2025.4.7
レポート
音楽

YOASOBI

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2025年4月4日(金)から6日(日)の3日間にわたり、横浜で初開催された都市型フェス『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』(以下『CENTRAL』)。最終日となる6日(日)は、KアリーナにはAwich・Creepy Nuts・YZERR・HANAの4組が登場、「Echoes Baa」にはスペシャルゲストとしてFRUITS ZIPPER(from ASOBISYSTEM)が登場し、YOASOBIがトリを飾った。

初開催となった今回は、3日間で約8万人を動員。横浜の街全体とともに、音楽とエンタテインメントが融合した都市型フェスとして、盛況のうちに幕を閉じた3日目のオフィシャルレポートをお届けする。


【CENTRAL STAGE】
Kアリーナ横浜で行われた「CENTRAL」ステージのオープニングを飾ったのはHANA。「BMSG」×「ちゃんみな」がタッグを組んだガールズグループオーディション『No No Girls』を通して結成された7人組が登場すると、割れんばかりの歓声が会場を包み、その注目度の高さを感じさせた。そして「Drop」「Tiger」と連続で披露。クールでパワフルなユニットパフォーマンスに加え、ソロパートで見せる個性でも観客を圧倒する。一方、MCでは柔らかい口調で観客への感謝を述べ、そのギャップも印象的だ。ラストは4月2日にリリースされたデビュー曲「ROSE」。HANAのポテンシャルの高さをしっかりと示した。

HANA

続いて登場したのは、ラッパーのYZERR。2024年の東京ドーム公演で解散したBAD HOPのリーダーであり、起業なども通して多角的にヒップホップ界を牽引する彼のライブは、ソロアルバムのタイトル曲「DARK HERO」で開幕。"今日のアーティストのように、いろんなヒップホップがあって刺激を受けている。そして俺は、クソみたいな環境で育ってきた"と語り、「Million Road」や「TEIHEN」などを通して、彼自身が見たストリートや育った環境、現在の成功、そして未来への展望を歌い上げる。"今日は横浜なのでこの曲をやります"と、横浜のヒップホップの礎を築いたDS455の楽曲「Miss Luxury」をカバーし、シーンへのリスペクトも表現。ラストは、自身のルーツである川崎を描いた「South Side」を、観客の合唱に包まれながら披露した。

YZERR

「コーチェラ 2024」への出演など、国内外で高い注目を集めるAwichは、スポットライトに照らされ、自身のキャリアを象徴する「Queendom」でライブをスタート。ダンサーと共に展開されたダンサブルな「ALI BABA」、“Kアリーナ、飛び跳まーす!”という呼びかけとともに、会場全体がジャンプで一体となった「Remember」など、会場を一気にAwich色に染め上げた。「WHORU?」や「Bad Bitch 美学」では、ハードな言葉と強いメッセージを観客に刻み込む。さらに同じ沖縄出身のOZworldやCHICO CARLITOとの「RASEN in OKINAWA」、JP THE WAVY、YZERRを迎えた「GILA GILA」などカラフルなライブを展開。最後は、アメリカのレジェンドプロデューサーRZAと制作した新曲「Butcher Shop」を披露し、圧巻のステージを締めくくった。

Awich

Awich、YZERR

このイベントのトリを飾ったCreepy Nuts。最新アルバム「LEGION」、「中学22年生」から始まり、観客の手拍子とジャンプで会場が揺れた「doppelgänger」「ビリケン」とライブを展開していく。そして「よふかしのうた」「合法的トビ方ノススメ」と、Creepy Nutsのクラシックにはオーディエンスが大きく手を上げ、さらにその一体感が強まる。DJ松永のターンテーブルプレイから「Bling-Bang-Bang-Born」と、世界でその名前を高めたパフォーマンスと楽曲で会場の熱気は最高潮へ。"間違いなく世界で一番盛り上がりました"とR-指定が観客に呼びかけた。アカペラとフリースタイルで再構成された「生業」、ヒット曲「二度寝」「オトノケ」に続き、“この光景を通常にしたい”というメッセージからラストは「通常回」を披露し、拍手に包まれてイベントは幕を閉じた。

Creepy Nuts


 

【Echoes Baa】 Day2
赤レンガ倉庫 赤レンガパーク特設会場では、2024年4月に設立された新レーベル“Echoes”がキュレーションする「Echoes Baa」Day2が開催。昨日に続き、YOASOBIを始めとするEchoes所属アーティストを中心とした豪華ラインナップによるライブパフォーマンスに加え、DJフロア、アートウォール、数量限定のEchoesオリジナルグッズを販売する初のポップアップショップ「Echoes Maaket」の出店。さらにYOASOBIと移動式書店・BOOK TRUCKのコラボレーションによる「旅する本屋さん YOASOBI号」や、シルクスクリーン体験やタフティング体験といった、ここでしか参加出来ないワークショップも出店。集まったオーディエンスが、音楽に限らない新しいエンターテイメント体験を楽しんでいたEchoes Baa。

Day2のトップバッターとしてメインステージに登場したのは、スペシャルゲストのFRUITS ZIPPER。あいにくの小雨模様ながら、超満員のオーディエンスの拍手と歓声に迎えられた7人が、「NEW KAWAII」で賑やかに派手やかにDay2の幕を開ける。メンバー紹介ソングの「うぇるかむとぅ〜ざ♡ふるっぱー!」、ライブ定番曲の「ぴゅあいんざわーるど」と続き、“可愛い”を存分に振りまくと、MCでは8月にさいたまスーパーアリーナで3周年記念ライブを行うことを告知。ラストは代表曲「わたしの一番かわいいところ」で、オーディエンスの心を撃ち抜いた。

FRUITS ZIPPER

雨も上がり青空が広がる中、続いて登場したのはLuov。「大脱走計画」、「透明シャボン」で勢いよくライブをスタートすると、「Louvって“自由な”って意味があって。みんなにも自由に楽しんで欲しいと思います」とHALDONA(Vo)が挨拶。今年2月に結成されたばかりと思えないのびのびしたステージングで「DIVE」、「ラッキープラザ」を披露すると、「ちょっと楽しすぎません? 晴らしたよね、私たちが」と笑うHALDONA。ラストに披露したバラードソング「てんつなぎ」は、伸びやかで透明感ある歌声が青空に溶けていくようだった。

Luov

北海道札幌市からやってきたChevonは、「ノックブーツ」でライブの幕を開けると、重厚かつ独創的なロックサウンドと谷絹茉優(vo)の胸を刺すハイトーンボイスでオーディエンスの心を掴む。新曲「さよならになりました」、「サクラループ」と春ソングを届けると、MCでは「今年からChevon第二章。派手な動きをしていきます!」とここからの“大行侵”を宣言。ラストは「ダンス・デカダンス」で会場中を踊らせて、ハイトーンシャウトを高らかに響かせた。

Chevon

続いての登場は、スペシャルゲストのTOMOO。「Ginger」で軽快にライブをスタートすると、オーディエンスと対話するようにライブを進めていく。アニメ『アオのハコ』のEDテーマとして描き下ろしたエピソードを語り、「空の青、海の青。この雰囲気に似合うな」と鍵盤を奏でてしっとり歌い上げた「コントラスト」や、「私から見えるこの平和な景色にピッタリかも」と軽やかに届けた「Present」とこの日のステージによく映える楽曲たちを披露し、ラストは代表曲「Super Ball」で一体感を生んだ。

TOMOO

1曲目「アパシー」からフィールドを埋め尽くすオーディエンスが掛け声やクラップを合わせ、会場の熱気を急上昇させたのはAooo。コール&レスポンスでオーディエンスと心を繋いだ「ネオワビシイ」から、「横浜、もっとブチアゲていくよ!」と石野理子(Vo)が煽り始まった「BAQN」と前半戦を駆け抜けた彼女ら。MCでは秋にツアーを開催することを発表し、アニメ「ウォッチウォッチ」のEDテーマとなる、4/16にリリースされる1st EP『Fooocus』収録の新曲「魔法はスパイス」をライブ初披露。ライブ終盤は「イエロートイ」、「水中少女」、「リピート」と続く人気曲で大いに沸かせ、ラストは「サラダボウル」でフィニッシュ。オーディエンスの熱気は、終始冷めることが無かった。

Aooo

そして、2日間に渡って開催された「Echoes Baa」のアクトもいよいよラスト。陽の落ちた会場に響くオーディエンスの大歓声に迎えられ、ステージに登場したYOASOBI。派手やかなライティングに照らされて歌う姿が神々しくさえ見えた「アイドル」でライブの幕を開けると、「Echoes Baaラストのステージ、全員で全力で楽しんでいきましょう!」とikuraが力強く告げる。新曲ながら会場中がクラップや歌声を合わせた「PLAYERS」、みんながスマホの光を掲げて心繋いだ「優しい彗星」とたくさんの魅せ場を作った中盤を経てのMCで、「日本の音楽は世界に絶対届いてる。もっと誇った方がいい!」と熱く語ったAyase。「祝福」では横浜港に花火が上がり、“花火と音楽のコラボレーション”という凄まじすぎる演出が施され、オーディエンスのボルテージは最高潮。ラストは会場中が歌声を重ねた「群青」の大合唱で、「Echoes Baa」は美しすぎるエンディングを迎えた。

YOASOBI


【NEW GENE FEST】
▼CLAN QUEEN
1組目はCLAN QUEEN。「CENTRAL、よろしく!」という挨拶とともにハードかつダークなロックサウンドが鳴らされると、観客は拳を突き上げたりジャンプをしたりして盛り上がった。CLAN QUEENのステージは、MCを挟む事なく、次々と楽曲を届けるストイックなスタイル。抑揚の激しいメロディを華麗に乗りこなしながら歌声に感情を込めるボーカルや、様々なジャンルを飲み込んだハイブリッドなサウンドが、オーディエンスに刺激をもたらした。

CLAN QUEEN

▼Conton Candy
続くConton Candyは、イベント名に因んで「今日はみんなの心のセンター、ド真ん中しか狙ってないです!」と意気込みを語った。そ¥んな熱い気持ちとともに3人が披露したのは、代表曲「ファジーネーブル」や、ライブハウスの歌と紹介された楽曲「好きなものは手のひらの中」など計6曲。みずみずしく情熱的なバンドサウンドは、ここから始まる『CENTRAL』の歴史に、そしてオーディエンスの心に確かに刻まれた。

Conton Candy

▼Cody・Lee(李)
3組目のCody・Lee(李)は、高橋響の体調不良のため、急遽特別編成で出演。インスト形式と思いきや、ボーカルパートを他のメンバーが代わりに歌うという熱い展開だ。メンバーは歌いながら、観客はレアなライブを目に焼き付けながら、高橋の書いた楽曲の素晴らしさを改めて嚙みしめていたことだろう。ラストには力毅がメンバー紹介後に「ボーカル高橋響。そして、We are Cody・Lee(李)!」とシャウト。フロアに歓声が広がった。

Cody・Lee(李)

▼離婚伝説
離婚伝説は、品があり涼やかなボーカル、表情豊かで雄弁なギター、心地よいグルーヴでオーディエンスを魅了した。曲間を繋ぐバンドセッションなど、ライブならではのアレンジも聴き応え抜群。観客は自由に身を揺らし、メンバーによるファインプレーの数々に、興奮しながら歓声を上げた。歌詞のリフレインが特徴的な「愛が一層メロウ」では、松田歩がフロアからのシンガロングに「みんな最高だった、ありがとう」と反応する一幕も。4月9日(水)に配信リリースする新曲「紫陽花」もサプライズで初披露された。

離婚伝説

▼秋山黄色
トリの秋山黄色は、イベントを最初から最後まで楽しんだオーディエンスを気遣いつつ、「ごめんなさいですけど、ガチガチでやっちゃいますから。みなさん最後まで激アツでお願いします!」と告げる。その宣言の通り、ギターは歪みまくりで歌は全身全霊、バンドのアンサンブルは超タイトという攻めのステージで観客を熱狂させた。秋山は「フェスの良し悪しはトリで全部決まるんだぜ!」とも言っていた。だとすれば『NEW GENE FEST』2日目は大成功だったと、止まない歓声が物語っていた。

秋山黄色


『CENTRAL』最終日もフェスの熱気が街全体に溶け込み、音楽とエンターテインメントを感じる一日となった。

臨港パーク内の入場無料エリア「「CENTRAL FIELD」には、家族連れや若者を中心に多くの人々が訪れ、にぎわいを見せた。特設ステージで行われた「四月は君の嘘」のトークステージでは、イシグロキョウヘイ監督、宮園かをり役の種田梨沙が登壇し、音楽とストーリーが織りなす舞台裏を語った。

「四月は君の嘘」トークステージ

また、桜木町駅前広場では、横浜市消防音楽隊が『CENTRAL』出演アーティストの楽曲を披露。道行く人々も足を止め、街なかに自然と笑顔と拍手があふれるひとときとなった。

ライブ終演後には『横浜ナイトフラワーズ2025』と連携した花火が打ち上げられ、『CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025』は華やかなフィナーレを迎えた。

花火

 
  • イープラス
  • YZERR
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