「ガチチルでいこうかな」ユニゾン・TenTwentyの斎藤宏介が、一人語り&弾き語りありの新番組スタート『802 PSY TONE RADIO』スペシャルインタビュー
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写真=FM802提供
UNISON SQUARE GARDEN、そしてTenTwentyの斎藤宏介(Vo.Gt)が、4月から大阪のラジオ局・FM802でDJとして始動。担当するのは毎週土曜23:00よりオンエアの番組『802 PSY TONE RADIO』で、一人しゃべりあり、弾き語りあり、チラックス(チル&リラックス)タイムありと、聞きごたえ十分の1時間だ。そこで今回、6・7月にTenTwentyの全国ツアーを控えて多忙を極める斎藤をキャッチ。通常のインタビューではあまり聞くことのないラジオのこと、DJのことなどを聞いてみた。
――まずはラジオ自体についてお聞きします。学生時代などはラジオをよく聞くタイプでしたか?
高校受験の時はラジオを流しながら勉強していて。テレビとかだと目がいっちゃって気が散るけど、ラジオはBGMとして心地よく聞けるので、そこで支えてもらった記憶があります。そんなにラジオに詳しいわけじゃないんですけど、なんとなく局によってかかる音楽のジャンルが違うんだなっていうのがあって、この局がお気に入り……みたいな、チャンネル推しになることはありました。
ーーでは今回『802 PSY TONE RADIO』でDJを担当することになり、どんなことを思いましたか?
実は4年ぐらい前に別のラジオ番組を持つ機会があった時、FM802のDJのカトマキ(加藤真樹子)さんに相談したんですよ。カトマキさんのようにすてきにDJするにはどうしたらいいですか?って。そうしたら、「あなたはミュージシャンで、お仕事を振ってる側もミュージシャンとしてのあなたに期待してるんだから、上手にやろうとしなくてよくて、ミュージシャンだから、毎日音楽やってるから、ツアーをやってるから、見えることや思うことをそのまましゃべればいいんじゃない」と言ってくれたんです。それが胸に響いて。なので、軸足がしっかりミュージシャンにあるうえで、課外活動っていう意味でならラジオでやれることがあるなと思います。ミュージシャンがしゃべるからおもしろい……そういう番組ができたらいいなと思いますね。
ーー現時点で番組は2回オンエア。ご自身で聞かれましたか?
radikoに課金して東京でも聞けるようにしました(笑)。2回とも聞きました。リアルタイムで! 素直におもしろかったなって思います。普段は明確にファンと別のところにいるっていう線引きをして音楽活動しているつもりなんですが、その境界線がなくなって、ファンと一緒になった時の接し方みたいなものがちょっとずつ見えてきてる感じがします。お客さんやラジオリスナーの温度感みたいなものが見えてきた感じ。それをこの1年でさらにちょうどよくしていけたらいいなっていうような1、2回目でした。
ーーSNSでの反応には、斎藤さんの人生哲学に納得するというような声もありました。
しっかりとした質問がきていて……。「夢を志すにあたっての心持ちを教えてください」みたいな。しかも12歳から。すごいっすよね(笑)。
ーーで、それに対してはぐらかすことなく、ちゃんと回答されていましたね。
ラジオって基本的に一人で聞くものっていう認識で、それが念頭にあると、質問が来た時、はぐらかそうって発想にはならないかもしれないです。ちゃんと1対1で向き合って質問されてる気持ちになるから。僕なりのマイクの向こうにいる人の思い描き方かもしれないですね。
ーーそして番組では子どものころの話も。思い出を言語化することをどんな風に感じていますか?
改めて記憶に残るんじゃないですかね。特に、対バンもたくさんやるから、対バン相手とか、あと初めて見たバンドとか、その感想や興奮をしゃべる場所っていう意味ですごくいいですね。対バン相手(の出演順)があとだと、話すことがないまま終わっていってしまうので。それにラジオをやってると気づかされることがあるなって。言葉にすることで、それがちゃんと記憶に刻まれて思い出になっていくっていうのはあると思います。
ーーちなみに毎回弾き語りもあり、それも含め選曲作業が大変そうです。
でもある程度ストックがあるので。それがつきた時はちょっと……(笑)。
ーー2回目の放送では最後にインストゥルメンタルでTim Hesseの「From here I can see you」が。しっかり眠くなる曲で攻めた選曲だなと思いました(笑)。
僕も思いました(笑)。チラックスタイム(に合う曲)ってことで、どれくらいチルでいいのかな?って思ったんで、ガチチル(で選んだ曲)がチル過ぎたら、こっちの曲でお願いしますねって、2パターン用意してたんです。そうしたらディレクターさんが、ガチチルでいきましょう!って言ってくれて、あ、ガチチルでいいんだ!って(笑)。
ーーでは以降もガチの方向で……。
いや、そこはちょっと模索中(笑)。どっちがいいのか? でも「チラックスタイムの選曲が楽しみです」って言ってくださる方も今のところいるんで、そっちにしようかなってちょっと思ってはいます。
ーー3秒で寝落ちるような曲をぜひ(笑)。
いっぱいあるんですよ、そういう曲。好きなんです(笑)。
ーーそして今後はゲストも登場するとか。来てほしい人はいますか?
ミュージシャンと対談はたくさんやってるんで、それもあっていいと思いつつ、たとえばFM802のDJのオチケン(落合健太郎)さんとかカトマキさんとか。いつもDJをやってる人が逆にゲストになったらどうなるんだろう?って興味もありますし、どんな気持ちで普段DJをやってるのかっていうのは、実はあまり語られていないんじゃないかなって思うんで。
ーー具体的に聞いてみたいことは?
どんな準備があるのかが気になりますね。たとえばゲストの時間が10分とか短かったりもしますけど、その事前準備にかける時間とか。アルバムを1枚聴くのにも40分とか費やすわけじゃないですか。で、感想を自分の頭の中でまとめて……とか考えると、大変な仕事だなって思うんですよね。ほかにも名前や顔を覚えてとか、前にこんなこと言ってたなっていう確認の作業とか。だからそういうのが聞きたいです。で、そういうのを聞いたら自分がゲストになった時、頑張んなきゃ!ってやる気が自然にこう……(出て)ありがとうございます!ってなりますよね。
ーーたしかに。
いろいろな角度から自分の立場を見られるっていうのは楽しいですし、結構返ってくるものも大きいなと思ってます。
ーーでは最後に番組でやってみたいことを教えてください。
公開収録でもいいですし、弾き語りでやった曲の集大成みたいなライブとか、ゲストに来てもらった方と一緒に何か催しをするとか。ちゃんとリスナーを自分の目で見る機会が欲しいなって思っています。
取材・文=服田昌子 撮影=FM802提供
放送情報
毎週土曜23:00〜24:00 OA
DJ:斎藤宏介(TenTwenty/UNISON SQUARE GARDEN)
ツアー情報
「It’s Magic!!」
・2025年6月19日(木)北海道・PENNY LANE24