古舘佑太郎と171田村晴信が老舗キャバレーで弾き語り、開催直前『Untitled #4』特別対談でルーツや意気込みを語る
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古舘佑太郎、田村晴信(171)
2025年5月11日(日)大阪・グランドサロン十三にて、古舘佑太郎と田村晴信(171)による弾き語りツーマンライブ『Untitled #4 - JUSO twilight - 』が開催される。会場となるグランドサロン十三は、1969年の創業から今なお営業を続けている老舗キャバレーだ。大阪情緒あふれる十三の街の一角、飲んで語って歌える「大人の社交場」でのライブはきっと特別な体験になること間違いなしだ。今回は、当日に向けて初対面の古舘と田村が対談。ラジオDJの樋口大喜が聞き手となり、お互いのルーツやライブへの意気込みについて語ってもらった。共通項も見つかり、スペシャルなコラボの実現も!?
ーー古舘さんはThe SALOVERSの頃に、FM802では『MUSIC FREAKS』(2011年10月-2012年9月)でDJを担当されていたり、THE 2になってからもライブをよく拝見させていただいてます。171の田村さんは初めましてで、関西が拠点なんですよね。
田村:出身は京都で、大学で神戸に出てきて7年ぐらいになります。
古舘:そうなんだ。音楽を聴いても思ったんですけど、京都にしかない特異性みたいなものがありますよね。くるりから始まり、キセルもそうだし。
田村:街の規模のわりに大学が多いので、音楽をしたい若い人が集まっているからかもしれないですね。僕が高校生ぐらいの頃は、ROTTENGRAFFTYや10-FEETを聴いている人が多かったので、個人的には京都というとライブキッズのイメージもあります。
ーー神戸は神戸で特異なシーンがありましたよね。たとえば、黒猫CHELSEAやキュウソネコカミ、女王蜂とか。
古舘:そうだそうだ。あとSLMCTとか。
ーーそうですね。171はその京都と神戸のハイブリッドを感じますよね。
田村:ありがとうございます。
ーーそんな田村さんは、The SALOVERSのコピーバンドもしていたんですよね。
田村:大学の友達に教えてもらってThe SALOVERSのことを知って、コピバンをしてました。それと姉が大好きで、こないだ実家に久しぶりに帰ったら机にサラバーズのCDがいっぱい置いてありました。
古舘:マジ!? 僕は正直、今回のオファーをいただくまで171のことは知らなくて。この年齢になるとライブも仕事も、会ったことある人が増えてくるから、全く初めましての人は減ってくるんですよね。
ーーたしかにそうですよね。
古舘:だから、初めましての171とツーマンできることがすごく嬉しくて! それと最近の話なんですけど、クリープハイプの尾崎世界観さんとサシ飲みをしてたんですよ。尾崎さんって、いい意味でむやみやたらに人を褒めないし、お世辞とかも絶対に言わない人なんですよね。だからあえて、「若手の後輩で、かっこいいと思ってるバンドいないですか?」と聞いたら、「1組だけいる。171って知ってる?」って言われて。「え!? 今度、ツーマン決まっていて、対談するんですよ」って話をしました。本当に偶然。
田村:えー!
古舘:尾崎さんがそんなふうに言うのって本当に珍しいの。それでその場で曲を流して、二人で聴いたんですよ。だから、ライブが決まって、尾崎さんからもバンドの名前が出てきたもんで、なんだか勝手に縁を感じてるんです。
田村:びっくりですね……。周りもみんな聴いてたし、うちのベースもめっちゃ好きだし……。
ーーそれはうれしいですね! さきほどコピバンの話もありましたが、田村さんはYouTubeに音作りの解説動画を上げたりされてますよね。あの映像もまたおもしろくて。
田村:めちゃくちゃコピバンをやっていた大学時代に、ライブ映像もヒントも全然ないバンドを苦しみながら大量に耳コピしていたことがあって。そんな僕みたいな人が少しでも楽になったらいいなと思って始めました。俺たちはコピバンをしてもらえるようなバンドの規模感ではなくてもそこまでやってるから、もっと有名なバンドのみなさんもやってください、という思いも込めて(笑)。
ーーほかはどういうコピバンをしていたんですか?
田村:数えきれないぐらいやっていて……邦楽だけじゃなくて、ACDCとか洋楽もやっていたり。
古舘:そうなんだ! たしかに、洋楽も聴いてそうなサウンドだよね。
ーーThe SALOVERSもTHE 2も、171もギターがたぎる感じというか、かっこいいライブバンドを想像するサウンドだと思うので、通じるところはありますよね。171は「Video Killed the Radio Star」(バグルス)の曲をもじった、「Internet Killed The Internet Star」という曲もあったり、「僕の見たピストルズはスマホの中」とかロックの系譜の引用がありますよね。
田村:そうかもしれません。音楽を聴き始めた頃からYouTubeとかサブスクとか、ディグれるツールがたくさんあったので。ギリギリ僕はTSUTAYAでレンタルCDやDVDを借りてた世代ではあるんですけどね。
古舘:そうなんだ。6歳違うけど、やってる音楽は僕ら世代というか、なんならちょっと上ぐらいの感じがするもんね。2000年代のオルタナをめっちゃ感じて好きだった。
田村:そのあたりはすごく好きです! NUMBER GIRLに、THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、BLANKEY JET CITYが好きで、メンバー同士の共通点でもあります。あのロックが盛り上がっていた、オルタナが熱量を持っていた時代を取り戻したいという気持ちもあります。
ーーそういった音楽とはどこで出会ったんですか? やっぱり、大学の軽音部でコピバンをしていた時に?
田村:そうですね。大学に入ってからいろいろ聴くようになりました。
古舘:その時って、ゆらゆら帝国は解散してた?
田村:してましたね。
ーーやっぱりロックシーンの背景があるバンドですよね。言葉をただ借りるだけじゃなく、ちゃんとその背景があるからこそ、そういう曲を作っていきたいんやなという覚悟がうかがえますよね。そんな初めましてのお二人が、今度は大阪・十三にある現役の老舗キャバレー「グランドサロン十三」でライブをすると。
古舘:十三はちょっと変わった町だから印象深いし、今は堺に移転したファンダンゴでライブをしたことがあるからすごく覚えてる。けど、今回の会場のことは知らなかったなぁ。1969年からあるんですよね。こういうところでやったことある?
田村:ほとんどないですね。
古舘:僕はちょいちょいあって。東京だとキネマ倶楽部みたいな。ステージがすごいですよね。
ーー171は十三にまつわる曲もありますよね。
田村:そうなんです。「快速急行」という新しい曲で、十三が本当に好きなんですよね。ご飯を食べたり飲んだり、電車を寝過ごしたりしてよく十三で終電を逃すんです。そうすると、一夜明かすためだけの店が駅の周りにはたくさんあって、その儚さがなんかすごく好きで……。あと、ご飯が本当においしい。
古舘:そうなんだ! ねぎ焼 やまもとって十三だよね? 若い頃にそれが食べたくてわざわざ行ってました。
ーー十三ですね! 僕は住んでたことがあって、ああいう昔ながらの下町が好きな関西の人も多いんですよね。
田村:そうなんですよね。僕は京都出身で、京都の人はハイソなプライドみたいなものがあったりすると思うんです。だけど、僕はそういうところにコンプレックスがあったので、十三みたいな下町が関西らしくて羨ましいところもあるんですよね。
古舘:ディープな町として存在してるんですね。だから、キャバレーもあるのか。
ーー当日、ライブに来られる方はぜひ十三の町を散策して楽しんでほしいですね。
古舘:僕も久しぶりに十三に行くから楽しみですね。ねぎ焼 を食べに行ってたのもThe SALOVERSの頃だから10年以上前だもん。
ーーちなみに、今回の一騎打ちの前にお互いのことで知っておきたいこととかあったりしますか?
古舘:知りたいというか、お願いしたいのは……僕、先輩に対しては体育会系のノリで後輩らしくできるんだけど、逆に後輩に先輩扱いされるのがすごく苦手で。だから、なるべくフランクにしてほしいです。友達になってほしい。むしろ後輩扱いしてくれた方がありがたい(笑)。
田村:ありがとうございます。頑張らせていただきます!
古舘:それがもう後輩だから(笑)。でも一騎打ちというか、どちらかというと初めましただから楽しみの方が大きいかもしれないですね。どんなライブをするのだろうかとか、情報が少ない分、めっちゃ気になる。
ーー弾き語りだから、当日はアコギですか?
田村:アコギですね。バンドの曲だけでなくて、実はどこにも出していない弾き語り用に静かな曲もあって。
古舘:そうなんだ! 僕は去年バンドを解散しちゃったから、バンドマンと一緒にやるというのは若干のうしろめたさもあるんですよね。だけど今はバンドの世界を外から見てる感じもあるからこそ、このポジションでバンドマンと絡めるのはうれしい。
ーー再スタートという意識もある?
古舘:うーん、今はまだ新曲を作ってライブして、というガツガツ自分で自主的に動いていく感じではないかもしれない。もちろん、誘ってもらったライブは一生懸命やるんだけどね。
ーーなるほど。いやぁ、でもどんな化学反応が怒るのか楽しみですね。あとはバックグラウンド的に被ってる部分もあるんじゃないかな、というのも気になりました。
古舘:絶対にあると思う。くるりがずっと好きで、NUMBER GIRLもゆら帝も好きだし。
田村:他にはどんなバンドが好きですか?
古舘:ザ・リバティーンズとか大好きですね。ザ・ストロークスもアークティック・モンキーズも好きだったけど、ザ・リバティーンズが1番好きだった。アークティック・モンキーズとか好きなんじゃない?
田村:めっちゃ好きですね。
ーーザ・ハイヴスとかは?
古舘:わぁー、めっちゃ好き。
田村:かっこいいですよね!
ーー同じバッグラウンドを持っていたら、お客さんとしてはコラボやセッションも期待したいなと。
古舘:いいね。今日、ここで曲を決めて、当日までに練習して何かやろう!
田村:やりたいですね!
ーー今日いろいろなアーティストの名前がでましたが、一緒にカバーをするのか、それともそれぞれの曲をカバーするのか……。
古舘:昭和のキャバレーに似合うのがいいよね。あれがいいんじゃないかな?
田村:おー! きっと予想がつかないし、いいですね! めっちゃ気持ちよさそう。
古舘:決まりました! あとでライン交換して、当日までにキーとか相談しましょう。
田村:ありがとうございます!楽しみです。
取材=樋口大喜 文=大西健斗 撮影=浜村晴奈
イベント情報
日時:2025年5月11日(日)開場17:00/開演18:00
会場:グランドサロン十三
出演:古舘佑太郎 / 田村晴信(171)
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一般 ¥4,200-/学割 ¥3,200- +1ドリンク必要(整理番号有・全自由)
来場者全員におやつプレゼント!
注意事項:
※未就学児童のご入場はできません
※小学生以上は
※学割
※学割対象者は小学生・中学生・高校生・大学生・専門学校生となります。
※小学生は年齢を証明できるものを、中学生以上の方は学生証を当日ご持参ください。
問い合わせ:
GREENS 06-6882-1224(平日12:00~18:00)
https://www.greens-corp.co.jp/