オ・マンソク、ユ・ジュンサン、朝夏まなと、加藤和樹、 別所哲也 日韓ミュージカルスターが饗宴!『JAPAN-KOREA Friendly Concert 』レポートが到着

2025.6.2
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日韓国交正常化60周年関連イベントの一環として、また『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2025』の幕開けを記念して、2025年5月31日(土)に『JAPAN-KOREA Friendly Concert』が開催された。日本と韓国を代表する5人の俳優が饗宴した、この特別コンサートのオフィシャルレポートならびに写真が到着した。

日韓ミュージカルスターの饗宴、楽しさが会場中に浸透したコンサートに

国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2025』の特別イベントとして、『JAPAN-KOREA Friendly Concert』が5月31日にTAKANAWA GATEWAY CITY Convention Center LINKPILLAR Hallにて開催された(13:00、17:00の2回公演)。

出演は、韓国からオ・マンソク、ユ・ジュンサン、日本から朝夏まなと、加藤和樹、そして『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア』を1999年に立ち上げ主宰する別所哲也の5人。

オープニング映像の後、別所が登場し、『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア』や28日より開幕したオープニングイベントの事を紹介。この映画祭をきっかけに縁をつないだオ・マンソクを呼び込み、このコンサートがマンソクの提案から始まったことを明かし、日韓国交正常化60周年を迎える今年に相応しい企画に今後の新たなプロジェクトのスタートを予感させる。そして、ユ・ジュンサン、朝夏まなと、加藤和樹も登場し、日韓のミュージカルスターの饗宴がスタート。トップバッターは朝夏が『エリザベート』の「私だけに」を歌い上げ、続いてマンソクが自身の原点だと語るヘドウィグを演じた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』から「Origin of Love」を客席降りしながら繊細さと力強さの絶妙なバランスで歌い上げて観客を沸かし、別所が『ジキル&ハイド』から「This is The Moment」を得意の英語で歌いつなぐ。

ジュンサンと加藤が再び登場。加藤は韓国ドラマ『愛の不時着』のOSTから「Photo of My Mind」を韓国語で披露。ドラマを見たことがある人はどっぷりと感傷に浸れたのではないだろうか。そしてなんと夜の部では歌の後半にマンソクが登場、加藤と一緒に歌うというサプライズに観客から歓声が上がった。曲の最後にふたりでとったポーズは観客への特別なプレゼントになったに違いない。そしてジュンサンがこのコンサートのために選曲したのは「季節の感覚」。2021年に日本でドラマ化された小説「旅屋おかえり」が韓国ドラマとして制作することが決まっており、その音楽をジュンサンが担当。自ら作詞作曲したこの曲を日本語で情感豊かに歌う。

そしてコーナーは韓国から日本へ、日本から韓国へと渡ったミュージカル作品の話へ。日本と韓国それぞれで誕生した作品が、お互いの国で上演されていることに対して俳優ならではの想いを綴った。そして、なんといっても初めて大劇場クラスの作品が日本で上演された韓国ミュージカルが『フランケンシュタイン』だ。その楽曲から「ただ一つの未来」をジュンサンと加藤が韓国語で披露をしたが、なんとリハーサルでジュンサンがいきなり劇中のセリフを言い始め、それに呼応するように加藤がセリフを韓国語で返したのだ。先月までアンリ・デュプレ&怪物として出演していた加藤から韓国語のセリフが出たことに驚いたが、なんと夜の部ではさらに「日本初演を聞いたときから、日本語と韓国語でこの曲を歌ってみたかった!」とジュンサンが提案し加藤も賛同。日韓のアンリとビクターの夢の共演が実現し、ぶつかり合いながら共感していく二人の歌声に観客の拍手が鳴り止まなかった。そしてジュンサンがステージに残り、同じく『フランケンシュタイン』から「偉大なる生命創造の歴史が始まる」を静寂の中に歌い始める。オリジナルキャストであるジュンサンの会場に響く重低音の心地よさと後半の歌い上げる際のどこまでも伸びていく高音に圧倒され至福の時間となった。

そして加藤が2025年の秋に上演が決まっている『マタ・ハリ』から「戦いが終わっても」を力強く歌い、続いて朝夏が『マリー・アントワネット』の「100万のキャンドル」を歌唱。表現力に磨きがかかってその世界観に容易に引き込まれる。夜の部では加藤が『デスノート』から「ゲームの始まり」、朝夏が『フランケンシュタイン』から「その日に私が」を選曲。最初の音が鳴った瞬間に役に入り込む二人の歌に、日本のミュージカルスターとしてのプライドを見せた。

コンサートの締めくくりは、マンソクによる『ラ・マンチャの男』から「見果てぬ夢」を、後半には語りかけるように韓国語から日本語に切り替えて歌い上げた。一方、別所は『レ・ミゼラブル』から自身が演じたジャン・バルジャンではなく、ジャベールの「Stars」で穏やかさと悲哀を併せ持った人物像を見事に表現する歌唱を見せた。夜の部では、昼の部でそれぞれが歌唱していた曲をサプライズ披露する。別所が「見果てぬ夢を」、マンソクが「This is the moment」を熱唱し会場が感動で包まれた。

最後は全員で『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の「Your Song」を歌い、5人の熱量と技量が重なり合って会場全体が幸せな一体感で最高潮に。アンコールは『キンキー・ブーツ』から「Raise you up」を客席総立ちになり大歓声の中コンサートは終了した。

楽しい!このひと言に尽きるコンサートだった。何よりステージ上にいる5人の役者たちが誰よりも楽しく歌っていたし、そして、すべての観客を楽しませようとたくさんアイデアを出して臨んだことが感じられ、彼らの心が観客に伝わり、楽しさは会場中に浸透したコンサートだった。この瞬間に立ち会えた観客の帰り道の足取りはきっと軽やかだっただろう。そして音楽は国境をも軽やかに超えていくことを実感した。これからもたくさんの作品が日韓&韓日を行き来することを願ってやまない。そしていつか、両国の役者がアジアオリジナル作品で舞台に立つことを夢見てもいいだろう。

なお、国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2025』は6/11まで都内各所で開催中。

撮影=阿部章仁 

関連情報

国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル&アジア2025』
6/11まで都内各所で開催中!
https://www.shortshorts.org/2025/
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