田中樹が単独初主演! 舞台『ぼくらの七日間戦争2025』で「中学生を取り戻したい」【会見レポート】
-
ポスト -
シェア - 送る
1985年に宗田理により書き下ろされた『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫・角川つばさ文庫刊)を原作とした舞台『ぼくらの七日間戦争2025』が今夏、東京、大阪、愛知、熊本など全国5カ所で上演される。2025年6月25日(水)には制作発表会が行われ、田中樹、上遠野太洸、佐野ひなこ、中山莉子、二瓶有加、山崎裕太、金子昇、大林素子、伊藤かずえ、比企理恵、野々村真が登壇。公演に向けた意気込みを語った。
本作は、大人による管理教育に反抗した中学1年生の主人公たちが廃工場に立てこもり、爽快な逆襲劇を繰り広げる物語。思いがけず起こる事件や難題に立ち向かう子どもたちの勇気と知恵と行動力を青春群像劇として描く。
主人公の菊地英治を演じるのは田中。田中にとって本作は単独初主演舞台となるが、「舞台でのお芝居も数年ぶりですし、普段からお芝居のお仕事もそれほど多くないので、この作品で単独初主演というのはかなりプレッシャーもあります。ですが、今日、(共演者と)ほとんど初めましての状況でもリラックスできたいいメンバーなので、ワクワクもしてきています」と現在の心境を明かした。続けて、自身の役柄について「中学生の設定なので、それをどうしようかなと思って。どうやって中学生に見せればいいんだろうというのが演じる上での課題かなと考えています」と語った。
また、中学時代の思い出を聞かれると、田中は考え込みながらも「中学1年生になりたての4月にこの事務所に入ったので、中学生らしい何かは意外とできない中高時代だったんです。なので、思い出はない(笑)。30歳になりたてホヤホヤで中学生を取り戻したいと思います」と笑顔を見せた。
田中演じる英治の母親・菊地詩乃役は伊藤と比企のダブルキャスト。伊藤は「責任感の強い母親で、息子をとても大切に思っているので、意志の強さを出せれば」と役作りについて話した。実は伊藤にとって本作は30年ぶりの舞台出演。舞台出演自体、2度目となるそうで、「緊張もしていますが、みんなに助けてもらって頑張っていこうと思います」と意気込んだ。
一方、比企は「正義感が強くて、息子の気持ちに寄り添っている人物なので、そこを丁寧に描けたらと思うのですが、樹さんとの絡みがないんです。至近距離でお会いするのは今日が最後だと思います」とコメント。これを聞いた田中は「言っていただければ、プライベートで至近距離で」と冗談めかして話して場を盛り上げた。
上遠野が演じるのは、中学生グループのリーダー的存在である相原徹役だ。上遠野は「それぞれが演じる役がどんな人間なのか、台本から得られるセリフや設定以上のものを皆さんから滲む感情や空気から感じて、この作品ならではの世界観とそれに合った関係値を築き上げられるリーダーになりたいと思います」と思いを述べた。
そして、佐野は中山ひとみ役について「すごくまっすぐで信念のある役だと思います。自分の10代を考えると、やりたいことをやっていて自由な子だったと思うので、そうしたところを思い出しながら演じていきたい」、瀬川卓蔵役を風間トオルとダブルキャストで演じる野々村は「唯一、大人の中で彼ら(中学生たち)の味方になる、浮浪者の役です。大人でありながら精神年齢は彼らと一緒なので、勇気を与えて、大人たちと戦って一緒に勝ち抜いていきたいと思います」とそれぞれの役柄について言及した。
酒井敦役の山崎と金子、橋口純子役の中山と二瓶もダブルキャストで演じる。山崎は「樹が単独初主演なので、座長としてしっかりカンパニーを引っ張っていってくれたら嬉しいなと思います。でも、キャラの濃い先輩たちが多いので、裏座長は僕がやってしっかりと抑えていければ。実質4カ月くらい一緒にいて、120日くらいの“戦争”になると思います。来てくださるお客さまを満足させられるように頑張っていこうと思います」、金子は「僕は後半戦に出演するので、山崎裕太の良いところだけ盗んで演じようと思います(笑)。不理不尽な大人たちに立ち向かう子どもたちがどう成敗するかを観てスッキリして帰ってもらうものですが、“理不尽オブ理不尽”な役をどれくらいできるか。僕はプライベートは“いい人オブいい人”なので、今、格闘しているところです(笑)」とそれぞれ意気込みを語った。
また、中山は「私は私立恵比寿中学というアイドルグループで“永遠に中学生”をテーマに活動しているので、24歳の今でも青春を味わっている真っ只中です。中学生を演じられるのが楽しみです」、二瓶は「舞台の良さは1回1回が生もので、同じ人間が演じていても観に来てくれるお客さんが違うことで、反応が違って全く同じものにならないのが良さ。二瓶有加だからできることをスパイスとしてこの作品にプラスになればいいなと思っています」と目を輝かせた。
相原徹の母・園子役は大林が務める。本作は東京、大阪、京都、愛知、熊本と5カ所で上演されることから、大林は「東京に来られない方々がここなら行けると各都市で待っていてくださって、楽しみにされている。なので、しっかりと過ごしたい。元アスリートとしては、座組の健康と最後まで完走できるようにというケアをしていきたいと思います」と力を込めた。
本作にちなんで、「七日間あったら、どのように過ごしたいか?」という質問が挙がると、佐野は「旅行に行きたいです。LAに行きたい」、中山は「夢の一つでもある、アフリカのリアルサファリツアーに行きたいです」、二瓶は「洋服の衣替えをしたい。まだセーターが家中に転がりまくっているので、それを仕舞って、夏物の掛け布団を出したり、排水溝の掃除をしたい」とそれぞれ回答。田中は熟考の末、「夢とかこれやりたいなということがあまりなくて…。現実的なことだと、渋谷で飲みます。知り合いのバーがあるので、そこに毎日通いたいなと思います」と答えた。
最後に田中は「初単独主演で座長をやらせていただきます。想像するだけで緊張したり、プレッシャーを感じますし、想像するような頼もしい座長ができるか分からないですが、僕なりに一生懸命、役と作品に向き合ってお届けしたいと思います」とアピールし、発表会を締めくくった。