継続と新たな出会い〜東京二期会が2016/2017シーズンラインアップを発表
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左から)山口毅(事務局長兼企画制作部長)、中山欽吾(理事長)、木下美穂子(ソプラノ)、成田博之(バリトン) Photo:M.Terashi/TokyoMDE
7月16日、東京二期会の「2016/2017シーズンラインアップ」の記者会見が行なわれた。登壇は、中山欽吾理事長、山口毅事務局長兼企画制作部長、ソプラノの木下美穂子とバリトンの成田博之の4名。シーズンのテーマは「継続と新たな出会い」となり、これまで共に作品作りに携わってきた指揮者、演出家及び海外歌劇場と引き続きコラボレーションを行なう一方、新たなアーティストも積極的に起用していく。また、ドイツ・オペラ上演の伝統をもつ二期会として、これまでにも日本初演を多く手がけてきたリヒャルト・シュトラウス作品を、《ダナエの恋》(10月、日本初演)、《ナクソス島のアリアドネ》(2016年11月)、《ばらの騎士》(2017年7月)と三年連続で上演することとなった。《ナクソス島のアリアドネ》では、これが日本でのオペラ・デビューとなる指揮のシモーネ・ヤング、そして演出カロリーネ・グルーバーと、ヨーロッパの歌劇場でしばしばコンビを組んでいる女性二人が登場する。
2016年2月上演の《イル・トロヴァトーレ》の指揮は、今年2月の《リゴレット》も好評だったアンドレア・バッティストーニ。演出のロレンツォ・マリアーニは二期会初登場となる。ルーナ伯爵役で出演する成田博之は2月の《リゴレット》 でもタイトルロールを歌っており、バッティストーニについて、「歌い手の目を見ながら指揮し、音楽を一緒に作り出していくので、自然に歌えるし、聴衆にも心地よい音楽として響く」と語る。
7月には宮本亜門演出の《フィガロの結婚》の四度目の再演が登場。二期会初登場の指揮のサッシャ・ゲッツェルは、昨年ウィーン国立歌劇場でもこの作品を振って好評を博している。
二期会初上演となる9月の《トリスタンとイゾルデ》を指揮するのは、《ニーベルングの指環》の日本初演(1987年、ベルリン・ドイツ・オペラ来日公演)を振ったヘスス・ロペス=コボス。演出はウィリー・デッカーが手がける。
2017年2月の《トスカ》タイトルロールを歌うのは木下美穂子。指揮は昨年二期会の《蝶々夫人》で日本デビューしたダニエーレ・ルスティオーニで、木下は《蝶々夫人》でも共演したルスティオーニについて、「イタリア語のニュアンスからくる音色を引き出していく力がすばらしい」と絶賛していた。
この他、指揮・演出等、調整中の項目についても、随時ホームページで発表される予定だ。
(取材・文=藤本真由 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)
東京二期会 http://www.nikikai.net/