夢はでっかく「地元・大阪城ホールワンマン」SNS世代共感が魅力のまつむら かなうがファンに届けたいライブへの想い
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まつむら かなう
まつむら かなう、22歳。TikTokやYouTubeなどSNSメディア、Spotifyなど配信メディアを中心に、ドラマチックな恋愛ソングとR&B色の濃い表現力豊かな歌唱力で、同年代や下の世代から熱い支持を集めるシンガーソングライター。活動5年で「友達以上恋人未満」「幸せになるんだよ。」など、すでに多くのヒット曲を持つ若き注目株だ。
6月25日にリリースした最新デジタルシングル「初恋」も絶好調、次の目標は『まつむら かなう 2nd ONEMAN LIVE TOUR “EUTOPiA” 2025』と題した、8月8日の東京・duo MUSIC EXCHANGEと、8月29日の大阪・梅田クラブクアトロのワンマンライブ。大きな夢を掲げて目標へ向けて一直線、勢い溢れるフレッシュな言葉に耳を傾けてみよう。
――公式プロフィールの「目標」の欄に書いてあるのが、「地元・大阪城ホールワンマン」。いいですね、夢はでっかく。
この目標は近いうちに必ず成し遂げたいと思っています! 僕が音楽を始めるきっかけになった、音楽の先輩のライブを大阪城ホールで観たことがあって。普通にファンとして行ったんですけど、本当にすごいな!って、今でも印象強く心に残っています。自分も同じ道を進んでるからには、あの場所に必ず立ちたい!と思っています。
――ちなみに、その音楽の先輩というのは?
ベリーグッドマンさんです。僕の6つ上に音楽活動をしている姉がいるのですが、姉がベリーグッドマンさんのHiDEXさんにトラックメイクをしてもらっていた流れで、 “弟(まつむら かなう)が音楽始めるんだ”って伝えてくれたんです。その後Roverさんに突然連絡をいただいて“サシでご飯行こう”って誘ってもらえたのが始まりで、“お前の音楽やばいな”、“曲とか歌声とかめっちゃええやん!”と言ってくれたんです! その後も“かなう、今から飲まれへん?”って連絡をくれるぐらい親しくしてもらえて、今でもよくご飯とか連れて行ってもらってます!
――いい先輩。身近なお手本ですね。
ベリーグッドマンさんのライブを観させてもらったことが、僕も音楽の道に進むぞ!あのステージに立つんだ!と心に誓ったきっかけとなりました。
――まつむら かなうと言えば、最初はあれですよね。高2の時に修学旅行のバスの中で歌った動画。YouTubeで、ものすごい再生数になってます。
あの時は、“いいね”がついても実感がなくて、すごさがわからなかったんです。でも今思い返すと、音楽活動をはじめるきっかけの一つやったんかなと思います。
――高校時代は、どんな学生生活していましたか?音楽とか、スポーツとか?
高校の友達はみんな帰宅部で、部活よりも遊びが盛んで、僕も部活はやらずに普通に通ってバイトして、……遊んでました!
――その時の、遊びと恋愛の経験が、その後の歌詞にも生きてくると。
いや……、恋愛経験は全然なんです!
――嘘だ(笑)。あなたの歌詞は、経験してないと書けないでしょう。
ほんまにそんな経験なくて、バイトと遊びだけでした。恋愛に発展!というよりみんな友達になっちゃったんです。
――“友達以上恋人未満”というよりも、本当に“友達そのまま”という。
そうです(笑)。「友達以上恋人未満」の歌詞は、自分の経験談でも周りから聞いた経験談でもなくて、TikTokライブでみんなからアイディアをもらって出来上がった歌詞なんです。「友達以上恋人未満」という曲を作ろうと思ってるんやけど、“そういう経験をした人はいますか?”って問いかけて、みんなのコメントをメモして歌詞のアイディアに盛り込みました。
――そういう曲作りの裏側の話、知りたいです。2021年に最初にリリースした曲は「最上級の大正解」。あれはどんなふうに?
僕が高校を卒業して、バイトしながらでも音楽の道に進むことを選んだ時、できることといえばSNS投稿しかなくて、これに賭けるしかない!と思ってひたすらにやってたんです。投稿を続けながら、カバーだけじゃなくて自分の曲も作らないと自分の音楽が始まらないぞ!と奮い立たせて、試行錯誤の結果、初めて作ってリリースした曲が「最上級の大正解」なんです。たまたまですが、Spotifyのバイラルチャートに入るくらいに再生数が伸びてって、今の事務所にみつけてもらうきっかけにもなりました。
――「最上級の大正解」は、カップル動画で使ってもらうイメージで作ったと聞いてます。
この曲が出来上がった当時はカップル動画が流行ってたんで、使ってもらえたらアツいな!と思ってました。今の世間の流行りに合わせていたら、こういう曲はできてなかったかなとも思ったりします。
――曲作りは自己流ですか。初期の頃、「最上級の大正解」や「こいねがい」を作った時期は、どんなふうに?
最初はアコギで適当にコードを鳴らして、鼻歌でメロディと歌詞を乗せていくという単純な作業でした。1日ぐらいで作って、“試しにSNSに載せてみよう”みたいな、初期の数曲のうちの2曲ですね。「最上級の大正解」と「こいねがい」は。
――さっきの話だと、恋愛の実体験が少ないということは、歌詞はけっこう想像が多いですか?
想像と妄想ですね(笑)。歌詞の中のストーリーの主人公が言われたら嬉しいこととか、曲を聴いてくれる人から言われたら嬉しい言葉とか、代わりに言ってほしい言葉とかを想像する感じです。
――例えば、リスナーが10代の女性だとしたら、彼氏に今こう言ってほしいんじゃないか? とか。
失恋した女の子やったら、その子の気持ちをどう表現するか?言っちゃえば当てずっぽうではあるんですけど、代弁してあげたいなという気持ちはすごくあります。
――「幸せになるんだよ」(2023年)は? あの曲、なぜかずっと心に残るんですよね。
「最上級の大正解」からの流れで、ストレートに失恋に振り切った曲があんまりないことに気づいて、もっと重たい失恋の曲を作ってみたいなと思ったんです。それで最初にできたのが「幸せになるんだよ」のサビ。試しにTikTokに投稿したらみんなの反応が悪くなかったんです。じゃあフルサイズを作ろう!って進めているうちに……。この曲は失恋にも聴こえるし、遠距離恋愛にも聴こえるし、それこそ死別にも聴こえるよな?と思ったのはよく覚えています。サビの段階ではそこまで考えてなかったんですけど、どんどん重くなっていったというか、そういう裏テーマがありました。
――それはいい意味の想像、妄想じゃないですか。実体験だったら重すぎるけど、物語だから歌える。
これに関しては、恋人だけじゃなくて、例えばペットでも、会えなくなった存在に当てはまるかなというのがありました。
――対照的に、「最上級の大正解」は、ウェディングソングみたいにも聴こえる。
実際この曲は嬉しいことに、結婚式で使ってくださった方がいるんです!
――毎回ストーリーの切り口というか、見せたいシーンが違うから。1曲ごとに試しているのかな?と思ってました。
そこまで強く意識してないですけど、無意識に試しているんですかね。
――そこが面白いんですよね。「意外と言っちゃなんだけど」みたいな、ポンコツ彼氏の歌とか(笑)。あれは何割、自分ですか。
8割ぐらい(笑)。“たぶん俺、こんなんやろな”みたいな、自分への想像もあります。
――サウンド面では、リズムとアコギとピアノ中心の、シンプルなトラックが多いです。どういう感じが自分に合ってると思いますか?
シンプルなほうがいいかな?と思いますが、アレンジャーさんに任せながらあんまり派手にはならないように意識はしています。
――じっくり歌詞のストーリーを聴かせたいタイプ? アップンテンポも少ないし。
実のところはアップテンポも作りたいんですけどね! バラードとアップテンポ、うまい具合に両立していきたいです。今年の春にやらせてもらったファーストワンマンツアーが、全体的にバラードが多い印象があったので、今後はアップテンポを増やさないとなって思っています。
――ただいま絶賛進化中。そんなまつむら かなうの新曲は「初恋」。どんなテーマで作った曲ですか?
元々「初恋」というテーマは、タイトル案の一個としてメモに残していたものなんです。ある日、寝起きで頭にフレーズとメロディが出てきた時があって、それがまさにこの曲のサビの部分。寝てるけど意識はあるみたいな、そんな時に何か勝手に頭で作ってて、“これいいかも”みたいな感じで、寝ぼけたままでボイスメモに残していたんですけど、そこから広げていきました。
――それはメロディが?
歌詞もある程度出ていた気がするんですよね。メロ先とか詞先とかってあるじゃないですか。僕は同時が作りやすくて、鼻歌で歌いながら、自分の好きな譜割でワードを出していって、自分が出したワードたちでストーリーを広げていくという感じが多くて。だから作り始めた時に、自分でもどんな曲ができるかわからないんですよ。“こういうワードが今出てきたということは、こういうテーマにしようということかな”ということがほとんどで。この曲も最初にサビができてから、「初恋」をテーマにしようということになって、TikTokに載せてみたんです。そしたら反応がすごく良くて、やっぱり世間はわかりやすいテーマを求めてるんだなと気づかされたので、とにかくわかりやすい歌詞にしようと思いました。ただその中でも、全部が全部ありきたりな歌詞にはならないように意識はしましたね。
――自分自身の初恋の経験も少しは入っている?
いや、全くないです!(笑) 僕の初恋は中1ぐらいだったと思いますけど、全然こんな可愛いやつじゃないです! それよりも、僕自身の経験談とは言えないかもしれないですけど、例えば夢に好きなタイプの女性が出てくると、その女性が一層気になりますよね? 寝起きの時、その瞬間だけ恋してるというか。僕も好きなタイプの女性が夢に出てきたら、寝起きで“あれ?夢か”ってなるじゃないですか。いつもはそんなに頭にないのに、なんかもやもやしちゃうみたいな、“うわー、会いたいわ”みたいになる時があって。そういう、ちょっと曲がった体験談ではあるんですけど、同じように、好きな人が夢に出てくる人は結構多いんじゃないかなと思ったんですよね。
――それは実体験に入れていいんじゃないですかね。
夢に出てきたらより一層意識しちゃうというか、“めっちゃ好きな人がおったら絶対夢に出てくるやろな”というのもあって、サビのフックをそれにして。二番のサビは、だいたい初恋って学生時代だと思うんですけど、今の学生から僕より年上の方まで、絶対通ってきた “ピュアな恋愛”を思い出してもらいたくて、あえて学校のワードをちょっと出してみたりとか。あと、寝ながら見る夢だけじゃなくて、夢見心地とか、夢のマジックとか、夢という言葉をたくさん使ってストーリーを作っていきました。
――ターゲットは現役初恋世代から、初恋を懐かしく振り返る世代まで、幅広く。
はい。そうですね。
――「初恋」ぜひライブで聴いてみたいです!どんな雰囲気になりますかね?
あったかい感じになりそうですね! 軽く揺れながら、ぐらいの。
――次のワンマンライブで聴けるのが楽しみです。『まつむら かなう 2nd ONEMAN LIVE TOUR “EUTOPiA” 2025』は、8月8日(金)に東京・duo MUSIC EXCHANGEと、8月29日(金)に大阪・梅田クラブクアトロの2本。どんな感じになりそうですか。
ファーストワンマンとは、かなり印象が変わると思います。バラードじゃない曲も増え、みんなで楽しめるライブになると思います!
――編成は? バンドですか?
はい。ドラム、ベース、ギター、キーボードのバンド編成になります。
――理想のライブのイメージってあったりしますか? まつむら かなうのライブは、どういう場所でありたいか。
お客さんと、めちゃめちゃ近い距離感でやりたいです。MCもほんまにこの感じのまま、噛み噛みになっちゃって、また噛んでるわとか言われながら(笑)。友達としゃべってるみたいな感じでやりたいんですよ。……でも、今回はなるべく噛まないように頑張ります!(笑) ライブは自分で作るのはもちろんなんですけど、やっぱりみんなと一緒に作りたいので。僕の最終目標は、お客さんにUSJとかディズニーランドみたいな幻想をテーマにしたライブを届けたいと思っています。
――おお。またでっかい目標が出ました。
テーマパークとかに行った時って、現実を忘れて楽しんで、帰る時に憂鬱になったりするじゃないですか。また明日から仕事や学校が始まるけど、“まだ帰りたくない”みたいな、それと似たような感情を僕のライブでもみなさんに届けたいんです。USJで働いてる人とか、いいなぁと思うんですよね(笑)。働いてる人からしたら、そこが職場だから、もう慣れちゃってるかもしれないですけど。僕は普通が嫌だし、非現実とか幻想空間が好きなので、エンターテインメントでありたいんですよね。自分がそういう空間を作れるぐらいまで大きくなれたら最高やな!って思います。自分自身も非現実的な気持ちになれるし、みんなもそこに行くことで夢を見られるし、ほんまにワンダーランドみたいにしたいです。そして僕の曲を聴いて、失恋の悲しい涙よりも、感動の涙を流してほしいんですよね。それが僕の一番の理想です。
――まつむら かなうにとって、音楽の世界は非現実的な夢を見られる世界。
そうかもしれないです。あくまで理想なんですけど、人に何かを届けたくて、自分もワクワクすることをやりたくて、それがたまたま音楽やったということだと思います。
取材・文=宮本英夫
リリース情報
ライブ情報
【東京】8/08(金)duo MUSIC EXCHANGE
【大阪】8/29(金)UMEDA CLUB QUATTRO
イベント情報
2025年7月17日(木)19:00頃〜 ※雨天中止
敷地内北西部「和牛特区」店舗前スペース