大阪の新劇場SkyシアターMBS初のバックステージツアーにプラみちゃんが潜入、参加者から感激の声「好きな俳優と同じ舞台に立ててワクワク」
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入口でチケットをもらって劇場内へ!出演者がとっても粋。
2024年3月27日(水)にオープンした、大阪のSkyシアターMBS。その開業1周年を記念した初のバックステージツアーが7月5日(土)、6日(日)に開催された。同ツアーは、普段は入ることができない劇場の裏側をのぞくことができるというもの。劇場会員「ミルデ!」の入会者が参加対象で、各日4回(1回60分)実施された。初日にイープラス貸切公演の広報担当・プラみちゃんが潜入!
●ピンスポットライトが手動操作だと知って「そうだったんだ!」
バックステージへ足を踏み入れる前に、まずは村田元 支配人が劇場の裏側や裏方についてレクチャー。私たちが劇場を訪れるときは、なんらかの公演を鑑賞しに行くとき。そのため、ステージには必ずセットなどが配置されている。ただこの日は公演がなにも開かれておらず、がらんとしたステージに。村田支配人は「なにもないということは、どんなことでもおこなえますよということ」と、臨機応変に公演に対応できるようにしていると話した。
さらに村田支配人は、裏方の仕事にはどんなものがあるかを説明。ここで技術のチーフスタッフが迎えられ、「主に舞台(セット)、照明、音響の3つの仕事があります」と話したほか、美術セットや照明などを吊り下げるバトンのことや、人物を印象的に照らし出すピンスポットライトが手動操作であることなども明かすと、参加者から「え、そうだったんだ」と驚きの声があがった。
●「楽屋貼り」「着到板」で楽屋入りを体験
大楽屋を前にソワソワ……
そしていよいよ参加者は2班に分かれてバックステージへ出発。プラみちゃんのグループが最初に案内されたのは、いろんな俳優たちが利用している楽屋スペース。SkyシアターMBSの楽屋は「個室」や「大部屋」「衣裳・床山」など部屋の種類もさまざま。参加者は、楽屋に設置されている鏡の前に座ったり、衣裳が洗われる洗濯機スペースをのぞいたり、なかなか入ることができない楽屋スペースをすみずみまで見学した。
この一瞬は私だけの楽屋に
さらに、各参加者のために印字・配付された「楽屋貼り」(楽屋に貼り出される名前の紙)を楽屋前に貼りつけて記念撮影。持参した“推し”のアクリルスタンドなどと一緒に写真を撮る様子も見られた。
私の着到板も発見!
また楽屋スペースには、これまた参加者のために制作された「着到板」(出演者らが出退勤する際にひっくり返す板)が用意され、自分の名前が記入された板をひっくり返して楽屋入りの気分を味わった。ちなみに参加者のなかには、「楽屋とステージがこんなに近いなんて」とその距離感に驚く人も見られた。
椅子には3時間座り続けてもしんどくならない仕掛けがあるのだとか!
続いて参加者に伝えられたのが、客席内のいろんな設備について。SkyシアターMBSの座席はなぜ快適なのか、壁面に仕込まれているライトにはどんな効果があるのかなどが説明された。特に参加者の興味を集めたのが、客席内後方にある音響や照明の機材。参加者は実際にそれらを操作。
音響操作では、「カチーン」と剣と剣がかち合う音を出したり、問題に正解したときに鳴らされる「ピンポーン」の音を鳴らしたりしてみせた。演者の動きに合わせてそういった音を出す音響の役割を体験し、「難しい」と一言。照明操作では、舞台上の照明をいろんな色に変えるなどし、照明一つで作品の世界観がどれだけ変わるのかを目の当たりに。
じんわり背景が緑に、壁面が黄色に変わって胸が躍る!
●暗転、カーテンコールで俳優気分
夢の0番に立ちました!
ステージ上で参加者は、幾多の熱演が繰り広げられてきた“聖域”へ通された。そこで最初に解説されたのが、舞台上の最前線に貼られている番号について。「0番」を中心とし、「1番、2番…」と左右対称に番号が振り分けられている。この番号は、出演者の立ち位置を分かりやすくするもの。「0番」はセンターポジションであり、すなわち主役の証明。参加者は憧れの「0番」に立って、客席を見渡した。
ここでツアーの案内スタッフが「ステージから客席ってよく見えますよね? お客様が盛り上がっていたり、ペンライトを振っていたりするところがよく分かるんです。もちろん寝ているところも!」と言うと、参加者から笑いが起こった。
小さな目印だけを頼りに移動できるなんて……
さらにここで、俳優になりきって照明の暗転を体験。暗転とは、シーンの転換時や演出などのために、ステージ上の照明を一度落として真っ暗にすること。「あんなに真っ暗ななかで、俳優はよく移動ができるなとか、スタッフはよくセットチェンジできるなということを体験してください」ということで、本番同様にステージ上が暗転。そのあまりの暗さに「えー!」「どうやって(動いているの)?」などの感想が暗闇のなかから聞こえてきた。
ブラボーなカーテンコールでした!
ツアーのフィナーレは、参加者がステージにずらっと横並びになっての「カーテンコール」。物語を終えて締めの挨拶を済ませるも、客席からの拍手が鳴り止まず、一度は下がった出演者が再登場して礼をするセレモニーだ。カーテンコールは「三方礼」(左手を上手に伸ばしてお辞儀、続いて右手を下手に、最後は両手を伸ばして正面にお辞儀)が作法。案内スタッフよりその仕草について教わった後、いよいよカーテンコールを実践。緞帳(どんちょう)が一旦下がり、音響演出で万雷の拍手が起きる。そしてスタッフより「緞帳、上がります」の掛け声。参加者はそこで客席に向かって目いっぱい手を伸ばし、三方礼。満面の笑みでカーテンコールをおこなった。まさに「ブラボー」なツアーの締めくくりとなった。
●ツアー参加者「作品を届けてくださって、ありがとうございます」
憧れのあの人もここに座っていたのかな?
ツアー後には、参加者の女子高校生の2人組にインタビュー。小学3年生の頃から吉田羊さんのファンだという女子高生は「羊さんもこの舞台に立っていたんだ、と思うとワクワクしました。ツアーではカーテンコールを体験させていただきましたが、羊さんが『ライトが当たる感じや、舞台に立つことが好き』とおっしゃっていた理由がよく分かりました」と感無量の様子。また、「1ヶ月前までは違う舞台をやっていたのに、次に劇場へ来たらまったく違う世界がステージに広がっている。今日、なにもないステージ上を見て、すべてゼロから作られているんだなと思いました」と実感が深まったそう。
将来は舞台の仕事に就きたいという女子高生は「舞台制作に携わっていらっしゃる方々の声を聞くことができて、すごく勉強になりました。私は、天海祐希さん、柚香光さん、濱田めぐみさん、橋本さとしさんのファンなのですが、私もいつか舞台の仕事に就いて、輝く世界にいらっしゃるみなさんを支えたいです」と目を輝かせた。さらに「舞台の出演者のみなさんはもちろんのこと、スタッフのみなさんにも感謝しかありません。ツアーに参加し、あらためて『私たちに作品を届けてくださって、ありがとうございます』という気持ちでいっぱいです」とコメントした。
初めて実施された、SkyシアターMBSのバックステージツアー。参加者には、劇場内のカフェで使用できる割引
舞台を作り上げる一つ一つの仕事の裏側に触れた参加者たちの喜びと感動。このバックステージツアーでは、好きなものに打ち込む人たちの「輝き」を見ることができた。
取材・文=田辺ユウキ 撮影=SPICE編集(川井美波)
公演情報
上原理生 上川一哉 ・ 知念里奈 / 鹿賀丈史 ほか
『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』
咲妃みゆ 山西惇 音尾琢真 矢崎広 須賀健太
清水葉月 土屋佑壱 武谷公雄 浅野千鶴 王下貴司 遠山悠介
安井順平 菅原永二 犬山イヌコ 緒川たまき 高橋惠子