「京都のバンドとして堂々と迎え撃ちたい」Hakubi主催イベント『京都藝劇2025』がまもなく開催!Vo.Gt 片桐がイベント&出演者の魅力と意気込みを語る

19:00
インタビュー
音楽

Hakubi 片桐 撮影=翼、

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Hakubiが毎年地元京都で開催しているライブイベント『京都藝劇2025』が今年も8月11日(祝月)に京都KBSホールにて開催される。主催者であるHakubiの片桐(Vo.Gt.)に、今回の『京都藝劇2025』のコンセプト(&裏コンセプト)や出演バンドへの熱い思い入れを語ってもらった。

Hakubiだからこそ叶った出演者たちであり、Hakubiというバンドを産み育てた京都ならではの匂いを持った『京都藝劇2025』が何倍も楽しみになる最高のガイドとなっているので、片桐の言葉にもし1組でも気になるアーティストがいたらぜひ現場で体感してほしい。

ーーまずは『京都藝劇』をまだ知らない読者の方にむけて、イベントについて紹介をお願いします。

Hakubiが初めてライブをした日が2017年8月10日で、それを記念してこの時期にイベントを立ち上げました。自分たちが京都で音楽を始めて出会った仲間たちと一緒に、先輩たちに続くようなイベントを作りたい。一緒に京都を盛り上げていきたいという思いで、毎回コンセプトは変わりつつも自分たちがかっこいいと思うバンドやアーティストをお迎えしています。 

ーー今年の『京都藝劇2025』のコンセプトは? 

大きなコンセプトとしては、自分たちが今まで京都で出会ってきた人たちや、尊敬しているアーティストを呼びたい。京都のバンドシーンを盛り上げたい。それとともに、裏コンセプトとしては、今の自分を作り上げてくれたバンド、自分に影響を与えてくれたアーティストを呼びたいというのが今年はありました。今年で6回目ですが、趣旨に賛同してくれるお客さんが増えてきたり、「Hakubiが良いって言うなら行ってみようかな」と言ってくれるファンの方もいたりして、少しずつ知ってもらえるようになってきています。くるりの『京都音楽博覧会』や10-FEETの『京都大作戦』、ROTTENGRAFFTYの『響都超特急』のようなイベントに続けるようになっていきたいですね。

ーー『京都藝劇2025』出演バンドについて、それぞれ片桐さん目線で「ここは聴いてほしい!」という魅力と合わせてご紹介いただけますか? まずは、STAGE  右近に出演のバンドから。

【クレナズム】

クレナズムは「音楽で殴ってくれるバンド」。彼らは4人全員が作詞作曲をする人たちですが、個々にDTMで構築した曲を提示する手法と聞いて、出会った当時私たちの身近にはそういうバンドはいませんでした。それまでの自分にはなかった視点をくれたバンドであり女性ボーカルという共通点もあり、自分と近いルーツを辿ってきたメンバーもいてとても刺激的な存在ですね。「積乱雲の下で」という曲は、悔しいぐらいにメロディーが良くて特に好きです。

【The Novembers】

The Novembersのライブを浴びていると全部赦してもらえるような気持ちになるというか、ステージ上に神様がいてくれるような感覚になる。それは音の衝撃ももちろんですが存在感が大きい。自分と同じ人の形をしているけど、4人が纏っている力はそれはそれは大きくて。The Novembersには強い闇とその闇の中に光のような輝きがあって……、言葉にするとチープに聞こえちゃうけど、Hakubiを好きな人だったらその感覚、The Novembersに感じた衝撃や彼らの音楽を受け取ってくれると思っています。なかでも「今日も生きたね」という曲はHakubiの「しあわせ」という曲に繋がっています。Novembersには多大な影響を受けています。

ストレイテナー】

学生の頃から、ホリエさんのソロプロジェクト「ent」の音楽が好きで良く聞いていたのですが、ストレイテナーに出会ったのはバンドを始めてからでした。ライブを見た時に、メロディーもキャッチーで聴きやすいのにめちゃくちゃオルタナティブで、自分が目指したいバンド像にとても近い存在だと衝撃を受けました。4人の音がぶつかり合いがステージ上で繰り広げられていて、こんなそれぞれが光り輝いているバンドになりたいと思いました。私は生まれ変わったらホリエさんの声になりたいという気持ちで生きています。「LIGHTNING」も「TRAIN」も、「SILVER LINING」「瞬きをしない猫」……他にも好きな曲があり過ぎます!

TETORA】

 TETORAとは長い付き合いで、『京都藝劇』には第2回から出演してくれていて今年で5回目。周囲を見れば、解散してしまったり思うように活動できなくなるバンドも少なくない中で、年齢も同じで、同じ時代を一緒に生きれて、彼女たちの姿を見て自分も頑張ろうと思えるかけがえのない存在。数少ない「戦友」と思えるバンドです。 上野羽有音(Vo)の声は私が持っていない彼女にしかない声で、その声だからこそ歌える歌だなと思う「レイリー」はぜひ聴いてほしいですね。

ーーありがとうございます!STAGE 左近はいかがでしょうか?

今年は新しい試みで、左近はフロアライブをします。フロアライブが間違いなく最高だと思えるバンドばかりです!

【ULTRA】

まずはULTRA。宮本菜津子さん、壷坂恵さんのツインギター&ボーカルは、自分が女性として感じていたタイムリミットみたいなものを打ち破ってくれた。彼らの「Knight」という曲は思わず「……カッコいい」と息が漏れるというか、それしか言えなくなる。バンド名そのままのULTRAな4人によるULTRAなバンドだなと。

No Fun

No Fun​も音楽的に「食らう」系のバンド。中心メンバーの内田秋(Gt.Vo)さんが前身バンドのピアノガールで活動されていた頃から好きで、バンドが変わっても常に刺激的な音楽を鳴らしていることがすごいな。メンバーも楽器も多彩で大所帯ですがライブによって形態も違っていて、今回『京都藝劇』でフロアライブで、目の前で見られる機会なんてそうそうないのでぜひ食らってほしい。

【hananashi】

hananashiは真っ直ぐに心に飛び込んできてくれる、すごく身近にいてくれるバンド。悩みとか葛藤とかを音楽にそのまま映し出してくれているバンドで、すごく等身大であり、それがhananashiの良さだと思っています。身近に感じつつ自分にはない明るさを持っていたりもするし、純粋に「羨ましいな」と思うことがたくさんある京都の仲間。

【雪国】

雪国は、たぶん私が最初から自分のルーツを投影した音楽をやっていたら雪国のような音楽をやっていたんじゃないかな、やりたかったけど自分はできなかったなと衝撃を受けたバンド。音圧に頼るとか張り上げた声に頼るとかではなく、ミニマルな繊細さで音楽として心を届けてくれる。そういうところが素敵で一緒にライブをしてみたくてお誘いしました。

ーーなるほど。Hakubiに大きな影響を与えてくれたバンドや、NO FUNやhananashiのように京都の音楽シーンに欠かせないバンドなどさまざまな顔ぶれです。この日Hakubiはどんなライブを見せてくれますか?

 最高のバンド、最高のアーティストたちばかりでとにかく全力でぶつかるしかなくて、その全力でぶつかるための土台はすでにできていて、それはEP「27」を作れたこと、「27」のツアーを回ったことが自分の中で一つの大きな自信につながっているんですね。

ツアー初日の大阪で声が出せなくなってしまったことがあったんですが、あの時それをネガティブに取れるんじゃなくて、今の私だから、今のこの声だからやれることを全力でやろうというふうにすごくポジティブに捉えることができたし、いつもより声が出せなかったからこそ歌えた曲があったと思えたんです。その日の最後に歌った「しあわせ」も私のその日の全部を注ぎ込んで、あとはもうバタって倒れてしまってもいいぐらいやりきれたという気持ちだったし、今の私だからこそできるライブがやれたという手応えもありました。それは今までにない感覚だったし、それも全部「27」を作れたから得られたと思うんです。

『京都藝劇2025』は大好きで尊敬している人たちばかりと一緒に作るライブだし、今の時代「迎え撃つ」っていう言葉はちょっと良くないのかもしれませんが(笑)、その言葉の意味する通り、京都のバンドとして堂々とみなさんを迎え撃ちたいと思います。楽しみにしていてください。

取材・文=梶原有紀子  撮影=翼、

イベント情報

『京都藝劇 2025』
2025年8月11日(月祝)京都・KBSホール
OPEN 14:00 / START 14:30
出演:Hakubi / ULTRA /クレナズム / The Novembers / ストレイテナー / TETORA / No Fun / hananashi / 雪国
主催:アームエンタープライズ / KYOTO MUSE / ポニーキャニオン / 清⽔⾳泉
後援:α-STATION FM-KYOTO / FM802
協⼒:Amazon Music / 専⾨学校ESP エンタテインメント⼤阪
:一般前売 5,800円(税込)/ 学生前売 4,800円(税込)

ライブ情報

Hakubi live tour“2017-2025”
【大阪】
日程:2025年11月19日(水)
会場:大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
【愛知】
日程:2025年11月21日(金)
会場:愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
【東京】
日程:2025年12月4日(木)
会場;東京 SHIBUYA CLUB QUATTRO
 
時間:開場18:00/開演19:00
料金:前売4,500円(税込)
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