フラカン武道館の成功を願いConton Candy、TOSHI-LOW、ヒグチアイらが熱いエールを送った『802 Jungle Attack』第6弾レポート
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写真=FM802提供(撮影:ハヤシマコ)
『802 Jungle Attack Vol.6 -フラカン武道館壮行会-』 2025.9.2(TUE)大阪・GORILLA HALL OSAKA
フラワーカンパニーズ、Conton Candy、TOSHI-LOW(BRAHMAN、OAU)、ヒグチアイが出演したライブイベント『802 Jungle Attack Vol.6 -フラカン武道館壮行会-』が、9月2日(火)に大阪・GORILLA HALL OSAKAで開催された。
『802 Jungle Attack』は、大阪のラジオ局FM802と大阪・住之江区のライブハウス「ゴリホ」ことGORILLA HALL OSAKA、プレイガイドのイープラスが、新たなライブハウスカルチャーを推進すべく2024年4月に放送を開始した『MUSIC Play-STANDARD』(月〜金曜23:48〜24:00)と連動するオムニバスライブ。通算第6回目となる今回は、9月20日(土)に東京・日本武道館で10年ぶり2度目のワンマンライブに挑戦するフラワーカンパニーズの公演成功を祈願した、一夜限りの「フラカン武道館壮行会」を兼ねて行われ、出演者が各々フラワーカンパニーズのカバー曲を披露するのも見どころだ。
初めに、FM802・DJ 加藤真樹子が、「フラカンを大阪からも盛り上げたいという気持ちで企画した」と壮行会を立ち上げた心情を明かし、いよいよ『802 Jungle Attack Vol.6』がスタートした。
Conton Candy
「『フラカン武道館壮行会』、若手代表Conton Candy始めます!」と紬衣(つむぎ)(Vo.Gt)が高らかに宣言し、冒頭から「普通」や「ファジーネーブル」とライブの定番曲でありアンセムを惜しみなく連発したConton Candyは、1989年のフラカンの結成から29年後に生まれたバンドだ。一見、接点がなさそうに見えるキャリアだが、「フラカン先輩とは去年末の『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY』に出させていただいたとき、ラジオで対談させていただいて……」(紬衣、以下同)と世代を超えた共演がまたも実現した縁を語り、ここでフラカンのカバー曲のコーナーへ。
「私は小学校4年生の頃に初めてフェスに行って、バンドを見て、音を感じて、自分もやりたいと思ってギターを手に取った。ロックンロールは続いていくのです」と、Conton Candyが放った一曲は、飾らないバンドサウンドが心地良くも力強い「ロックンロール」。そのあどけない歌声も相まって、Conton Candyならではのフレーバーが漂う名演となっていた。
「<ロックンロールはずっと続いてく>。私たちが続けていく!」と楽曲のアウトロに決意を乗せて、その後も有言実行のロックンロールチューン「102号室」、9月10日(水)にリリースを控える、アニメ『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』オープニングテーマの「スノウドロップ」と駆け抜けていく。
「いつまでも変わらないまま変わり続けていく先輩の背中を見ていたい。それが私たちがこのステージに立ってフラカンと音を鳴らせている一日で強く思っていること。またどこかで交われたらうれしいです。愛されるバンドになれるように、Conton Candyの音楽を続けていく、ここライブハウスで!」と、ラストはその名も「ライブハウス!」を。今日のトッパーはConton Candyしかいなかったと確信させる鮮烈な印象を、見る者にしかと刻み付けた。
ヒグチアイ
SEも照明もない暗闇にシルエットが浮かび上がり、軽やかにピアノを走らせた「わたしのしあわせ」で幕を開けたヒグチアイのライブ。言葉の一つ一つが、ゆっくりと自分の物語になっていくこの感覚。たった一曲で、シンガーソングライターの真髄をいきなり味わわせてくれる。
「今世は諦めたんですけど、来世はバンドマンになりたいなと思わせてくれるのがフラカンで。じゃあ逆に私にしかできないことは何なんだろうと、自分に光を当てる時間をくれるフラカンに久しぶりにお会いできて、この後ライブを見ることができるのがすごく楽しみです。フラカンが好きだと言ってくれた曲を」
そう告げて始まった「ラジオ体操」でも、息をのみ一気にグッと聴き入るオーディエンス。何とも優しい時間が流れていくなか、「<負け癖ばかりが 染みついてるから>……」という最初のフレーズから胸をつかまれたのが、フラカンの「感情七号線」だ。声質もアレンジも演奏形態も何もかも異なるカバーながら、2組が響き合う理由が伝わるひたむきさが、より感動を増していく。まるで自分のことを歌われているような「わたしの代わり」でも突き付けられる現状と、奮い立たされるちょっぴりの勇気。そう気付いた頃にはもう、ヒグチアイのとりこだ。
「武道館、すごいなという気持ちの1%に、いや40%ぐらい(笑)、悔しいなと思う自分を忘れずに、音楽を続けていきたいと思います」
どんななりわいにも訪れる分岐点に訴え掛ける「やめるなら今」まで、全5曲。ヒグチアイが、フラカンのみならずそこにいた全ての人にエールを送った、気高き30分間だった。
TOSHI-LOW
転換中のトークを終えたばかりの加藤真紀子を押し戻し現れたTOSHI-LOWは、「俺は武道館に大反対だから。一回目ですらギリギリだったんだよ。もしここですごい借金を抱えたら、ハイエースも売らなきゃいけない(笑)。反対してるのに、呼ばれてブッキングミスじゃない? だからFM802を代表して罰を受けてもらう」と早速の独壇場。加藤にフォークの名曲、加藤和彦・北山修の「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌わせ、あっという間に場を沸かせてしまう。さすがのライブ巧者にしてフラカンの恐るべき後輩が(笑)、満を持しての登場だ。
「俺ら(=BRAHMAN)は今年で結成して30年ですけど、それを越えてやっているフラカンはバンドとして共感する部分があって」というTOSHI-LOWは、まずはフラカンの「年をとるってこと」をカバー。膨大な知見にユーモアを織り交ぜた緩急自在の会話から、いつの間にか歌に導かれていたことを知るたびに、TOSHI-LOWのステージマンとしての実力と魅力を痛感する。
「俺は有名な曲だけカバーするのが嫌いで。フラカンには有名な曲が一曲しかないけど(笑)、ちゃんと選びたいじゃん」と、Instagramで展開されたフラカンの全曲レビュー企画『フラカンの音楽目録』にも目を通し、全321曲の中からTOSHI-LOWが選んだ次のナンバーは「変わらないもの」。シンプルな弾き語りだからこそより刺さる選曲で、TOSHI-LOWの包容力のあるボーカルにじんわり心が満たされる。
「人生が移り変わり、年を取って成長、成熟していくことで、曲のことが分かってくるのは長く続けているバンドのファンの醍醐味だと思う」とフラカンの歌詞のすごみをかみ締めつつ、またもフラカンの「遠い空」を歌うTOSHI-LOW。フラカンのアーカイブを丹念にたどり歌い継ぐ姿には、愛とリスペクトを何より感じる。
最後の最後で、OAUの「帰り道」とBRAHMANの「今夜」を伸びやかに響かせたTOSHI-LOWは、「9月20日(土)、星空の下にある大きな玉ねぎを見上げて、<生きててよかった>と言う夜が必ず来ると思います」と一言。これ以上ないほど頼もしいアクトが、「フラカン武道館壮行会」に熱い思いをささげた。
フラワーカンパニーズ
鈴木圭介(Vo)がマイクスタンドを高く掲げ、初っぱなの「最高の夏」からフロアを総立ちにさせたフラワーカンパニーズは、痛快無比な「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」でも理屈抜きに盛り上がるなど絶好調! 間近に迫った運命の日本武道館を前に、「少年卓球」や「夜空の太陽」でもエネルギッシュに躍動する抜群の仕上がりぶりで、ミスター小西(Dr)のカウントを受け、竹安堅一(Gt)がメランコリックなあのイントロを奏でれば、一気に空気が引き締まる。幾千もの夜を積み重ねてきた「深夜高速」が、フラカンの魂の叫びが、ついにゴリホに鳴り響く……!
MCでは、「今日はもう3組の仲間がカバーもしてくれて。Conton Candyの「ロックンロール」、まぶしかったね。ヒグチアイちゃんの「感情七号線」、素晴らしいね」と鈴木が言えば、「TOSHI-LOWに「ダメだよ、原曲を超えたら」って言われてたけど(笑)。自分たちの曲を他の人が歌うと、違う良さが分かるね。TOSHI-LOWがやってくれた「年をとるってこと」を聴いてたら、さだまさしさんの「関白宣言」的な良さが、鈴木のルーツが見えるよ」とグレートマエカワ(Ba)。
後半戦は、「僕らはGORILLA HALL OSAKAは初めてで。FM802にもすごく感謝してます。メンバーチェンジなし、活動休止なし、ヒット曲は次回作、4人そろってフラワーカンパニーズ、今年で結成36周年、永遠によろしく~!」と呼び掛けた鈴木のブルースハープが冴えわたる「ただいま実演中」、これぞロックバンドな重たいギターリフとビートがせめぎ合う「恋をしましょう」と畳み掛け、締めくくりはConton Candy、TOSHI-LOW、ヒグチアイらも勢ぞろいで、大阪でしかやらないともっぱらのうわさのFM802とのコラボレーションソング「ファンキーヴァイブレーション」! コール&レスポンスで演者も観客も改めて闘魂注入、加藤が「日本武道館、いってらっしゃい!」と送り出し、『802 Jungle Attack Vol.6 -フラカン武道館壮行会-』が終了した。
「4組とも最高の演奏をありがとう!」、「みんな元気に武道館で会えますように!」etc、ゴリホのエントランスに設置された「ゴリラパネル」に書き込まれたライブの感想やアーティストへのメッセージは、後に『MUSIC Play-STANDARD』で紹介されることもあるのでぜひチェックを! また、同番組では4組のライブ音源や楽屋突撃インタビューがオンエアされた。タイムフリーで視聴可能となっているので要チェックだ。
そして、次回は『802 Jungle Attack Vol.7 -MINAMI WHEEL EDITION-』と題し、SATOH、(sic)boy、808を迎え、10月4日(土)GORILLA HALL OSAKAで開催。
取材・文=奥“ボウイ”昌史 写真=FM802提供(撮影:ハヤシマコ)
イベント情報
日時:2025年9月20日(土)開場15:30 / 開演16:30
会場:日本武道館
※4歳以上有料。3歳以下のお子様は、保護者1名につき、膝上観覧であれば1名まで無料。(但し別途席が必要な方は有料)
※中学生以下で座席を購入されたお子様は公演当日、窓口にて2,000円キャッシュバックいたします。保険証等、年齢のわかる身分証をご持参ください。
主催:フラカンの日本武道館実行委員会
SNS情報
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◎フラワーカンパニーズ
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放送情報
◎放送日時=毎週月曜日~金曜日 23:48~24:00
◎DJ=週替わり
◎番組 HP=https://funky802.com/site/blog/1123
◎番組 X:@fm802_MPS
◎番組 Instagram:@fm802_mps
イベント情報
-MINAMI WHEEL EDITION-』
開場:大阪・GORILLA HALL OSAKA
出演:SATOH 、(sic)boy 、808
MC&DJ SHOW 落合健太郎&板東さえか