浅野ゆう子×中村梅雀、朗読劇『たとへば君 四十年の恋歌』が開幕 コメント&舞台写真が到着
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朗読劇『たとへば君 四十年の恋歌』
2025年9月17日(水)新国立劇場 小劇場にて、朗読劇『たとへば君 四十年の恋歌』が開幕した。舞台写真ならびに浅野ゆう子、中村梅雀のコメントが到着した。
歌人の夫婦・河野裕子と永田和宏が紡いだ、短歌と随筆で綴られた感動の記録、『たとへば君 四十年の恋歌』(文春文庫)を、男女二人の俳優が短歌とともに二人の人生を表現し朗読劇として立ち上げる本作。その夫婦の40年間を演じるのは、浅野ゆう子と中村梅雀。長年、日本の芸能界を牽引してきたベテラン俳優の朗読は、ただ台本を読むだけでなく、言葉の裏にある感情の機微までを表現し物語に命を吹き込む。
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
朗読劇初挑戦となった浅野は、20代から60代までを豊かに演じ分け、茶目っ気のあるかわいい河野裕子像を熱演。その裕子に出逢い意識しながら振り回されていく様子を梅雀が微笑ましく演じ、熱烈な想いが胸に染み渡る。
さらにドキュメンタリータッチのドラマに定評のある演出家・星田良子と、中村匡宏による音楽が朗読を彩り、ピアノとチェロの生演奏が登場人物の心情を深く掘り下げ、俳優・加藤和樹による挿入歌が物語にそっと寄り添い、感動の世界へと誘う。
本作では、夫婦が詠んだ短歌そのものが朗読される。シンプルな言葉だからこそ、その奥にある真実がダイレクトに心に響き、言葉の持つ力、人と人とのつながりの美しさを再認識させられる。出逢いから結婚、闘病や子育て、そして死別といった人生の局面で詠まれた短歌は、飾り気のない言葉で二人の愛情と絆が伝わり、観客の心にも共感を呼び起こす。ベテラン俳優の朗読と生演奏で体験するこの作品は、心に深く、永く残る特別な時間を届ける。
朗読劇『たとへば君 四十年の恋歌』は9月20日(土)まで新国立劇場 小劇場にて上演。
浅野ゆう子コメント
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
――初日を迎えた心境をお願いいたします。
いよいよという想いです。
まだこれでいいんだろうかという迷いみたいなのもあるのですが、全て星田監督と梅雀さんが受け止めてくださって、いいんだよとご指導いただきましたので、自信を持ってお届けする所存でございます。
――稽古から様々な挑戦があったと思いますが、今日までの手応えをお聞かせください。
感情移入をしてしまうのは演じ手として当然のことではあるのですが、毎回どうしても涙が出てきてしまいます。これはいたし方ないことなんですけれども、逆に短歌というのはここまで涙をも誘うものなのかと、とても驚いています。短い文章でありながらも、こんなにも深い想いが込められているんだと発見と勉強をさせていただき、とても大きな感動がありました。
べそべそ泣いてしまうのは致し方ないですね。フィクションではなく現実のことなので、心の響き方がまったく違うんです。今作ではそういう部分をとても勉強させていただきました。
今も河野裕子さんが心の中で生き続けていらっしゃるご家族の皆さんの前で演じさせていただきますが、決して嘘にならないように、それを一番に心がけて、少ない公演期間ですけれども、私が自分で納得がいくように演じられたらという想いです。朗読劇は初めての挑戦で、本を持って読みますが、気持ちを入れていくのはこれまた非常に難しい。つくづくハードルの高い芝居だと感じております。
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
――あらためて朗読劇となった本作の魅力をお聞かせください。
今作で生まれて初めて短歌に触れましたが、ほんの少しでも触れてみると、短歌の奥深さや感動がきっと皆さまの中にも生まれ出てくるのではないかと思います。
全く短歌にご縁のなかった方々でも、家族の絆や家族への想いが心の中にあれば、どなたにでも心深く染み込んでいく作品になっていると思います。
短歌が好きな方はもちろんのこと、河野裕子先生のファンの方でいらっしゃる皆様も、久しぶりに河野先生に触れていただく機会になると思います。
――最後にメッセージをお願いいたします。
ストーリーは本当に切なくて切なくて、短歌はちょっとハードルが高いわって思う方が多いかもしれませんが、とても愛に満ちた素晴らしい作品です。今まで私の舞台を観てくださった方には全く新しいジャンルに挑戦している姿を観ていただけるかと思いますし、とても近い空間で同じ時間を過ごせることが、この朗読劇の醍醐味だと思います。今まで体験したことのない世界観を感じていただけると思います。
私と一緒に新しい空間、時間を体験していただければとても嬉しいです。お待ち申し上げております。
中村梅雀コメント
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
――初日を迎えた心境をお願いいたします。
早い時期に台本をいただいて、早いうちに稽古をして、まだ先だなと思っているうちにあっという間に初日になってしまってびっくりです。とても難しいことに挑戦するという意識があり、やりがいがあります。
非常に激しい感情の嵐が渦巻くドラマで、それに朗読劇から短歌を詠むということで、お客様にどういう表現が一番伝わるのか、非常にドキドキです。たった5公演しかない中で、できる限りベストの状況に持っていけたら。
――稽古から様々な挑戦があったと思いますが、今日までの手応えをお聞かせください。
本をいただいた時の予想やイメージとは全く違う状態にあると、とても感じています。
ここまで突っ込んでやるのかと。しかも100分間ノンストップ、あらためて凄い作品だなと思います。
ずっと最上級に凝った言葉が続いていくので、いろんな力を使いまくります。短歌の言葉が持つリアルさにびっくりしますね。
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
――あらためて朗読劇となった本作の魅力をお聞かせください。
朗読劇だからこそ、観ている方、聞いてらっしゃる方の想像に余白があるので、見た目よりももっと広がる可能性があるのは面白いですね。お客様が集中して観る部分が決まってくると、さらに内容への集中力も高まってくるんじゃないかなと思いますね。
経験豊かな永田先生が想いを込めて作った原作、そしてとても高い熱量の演出の星田さんが脚本と演出を担当されて、さらに才能豊かな中村匡宏さんが音楽を作曲し、生演奏が物語を彩り、そして経験を積んできた2人の俳優が演じる。単なる朗読劇ではないすごい作品になっています。
――最後にメッセージをお願いいたします。
今時のテンポが速い作品と違って、じっくりと聞かせる作品は最近あんまりなかったと思います。短歌というものを知らなかった方も、短歌をよくご存知の方も、この作品を観ると、人間の感情、人間の生業、男女の心のいろんな交わり、生活と短歌の結びつきがさらに奥深く分かるし、近しいものにも感じるでしょう。
出会って、恋愛して、結婚、子育てをして、そしていろんなことが起こって乗り越えて、また試練と戦い、そして別れる時が来てしまう。その40年間の重みとその起伏の面白さ、人間の面白さを深く味わえる作品になっています。是非ともこの機会を逃さずに観に来ていただきたいです。
カメラマン:間野真由美 (C)2025. たとへば君 四十年の恋歌
公演情報
上演台本・演出:星田良子
音楽:中村匡宏
企画協力:文藝春秋
企画・製作:アーティストジャパン
演奏:西尾周祐(ピアノ)、中西哲人(チェロ)
歌/加藤和樹
作詞/鈴木紀代 作曲/中村匡宏
料金:S席8,000円 A席7,000円(税込・全席指定)
お問合せ:アーティストジャパン 03-6820-3500
公式サイト:https://artistjapan.co.jp/performance/ajrt_tatoebakimi2025/