薮宏太、平間壮一、南沢奈央らが出演 音楽劇『MONDAYS/このタイムループ、まだまだ終わらない!?』稽古場レポートが到着
(左から)平間壮一、南沢奈央、薮宏太、森田甘路、岡田義徳
2025年10月5日(日)よりPARCO劇場を皮切りに、大阪・長野で上演されるPARCO PRODUCE 2025 音楽劇『MONDAYS/このタイムループ、まだまだ終わらない!?』。公演へ向けてキャスト・スタッフが一丸となって邁進する稽古場より、稽古の模様を収めた写真とレポートおよび、映画『MONDAYS』の監督・共同脚本:竹林亮氏、脚本:夏生さえり氏と、音楽劇『MONDAYS』の上演台本・演出:ウォーリー木下、作詞・作曲・音楽監督:三浦康嗣(□□□(クチロロ))よりコメントが到着した。
このシーン、もう何度目? とタイムループの世界に引き込まれる新感覚の音楽劇
2022年の公開時、その面白さが口コミで広がると、80館を超える映画館でロングランヒットを記録した映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」(監督:竹林亮 脚本:夏生さえり・竹林亮 配給:パルコ 企画製作:CHOCOLATE Inc.)。
舞台版「MONDAYS」は、薮宏太演じるプランナー村田を主軸にした、映画とは目線を変えたオリジナルストーリーが加わる音楽劇だ。9月初旬、たくさんの仕掛けや試みを詰め込んだ稽古場を訪れた。
(左から)大空ゆうひ、南沢奈央、梶原善、岡田義徳、森田甘路
薮宏太
広告代理店「Zコミュニケーション」のオフィス。演出のウォーリー木下の合図と共に、キャストたちがステージ上の自分のデスクに着いた。すでに役柄通り、オフィスで疲弊した姿に見えるから不思議だ。音楽劇『MONDAYS』は、月曜日から始まる一週間をタイムループするストーリー。
一幕前半、徹夜明けのオフィスで社員たちが目覚める。流れるような台詞の掛け合いと動きは一見すると普通の芝居なのだが、所々でウォーリーからのきっかけの合図や音、カウントが聞こえる。三浦康嗣(□□□(クチロロ))が手掛ける、膨大な日常音を取り入れた音楽と共に舞台が進んでいく。なるほど音楽劇といっても一般的にイメージするものとは少し勝手が違うようだ。キャストらは常に音やカウントを感じながら台詞と動きを体に刻み込んでいく。
タイムループに気づき、そこから抜け気出そうと先陣を切る村田(薮宏太)と遠藤(平間壮一)は、会社の先輩後輩。スマートだが、なにかを抱えていそうな様子の村田と、人懐っこさを前面に出した遠藤、演じる二人にはすでにバディ感が生まれている。仕事に邁進するプランナー吉川(南沢奈央)が、ロートーンで同僚に詰めよる様子も、忙し過ぎる職場あるあるだ。
平間壮一
(左から)南沢奈央、岡田義徳
(左から)薮宏太、平間壮一
ディレクターの平(岡田義徳)が、コーヒーをこぼして熱がる瞬間のシーンでは、岡田の提案でいくつかのタイミングが試された。コーヒーを拭く事務の神田川(大空ゆうひ)も、それにすかさず合わせにいくなど、舞台経験が多い役者たちの仕事っぷりが光る。
月曜日から火曜日に移るシーン。映画なら一瞬で切り替わる場面も、ここではデスクから会議室まで8カウントで移動する。こうしたシーンが舞台上で何度も繰り返されるのだから、やはり一筋縄ではいかない作品だ。
アイドルオタクのデザイナー森山(森田甘路)がオフィスを横切りながらトイレに駆け込むまでの身のこなしも楽しい。楽しいといえば永久部長(梶原善)の明るい声だ。「グッドモーニン、また徹夜、若いねー」と出社してくる場面の繰り返しが、タイムループしていることを印象づける。
ほかにも村田の婚約者ちさを演じる吉本実憂、オフィスにたびたび荷物を届けに来る配達員を演じる松尾敢太郎はそれぞれが複数のキャラクターを担うので要チェックポイントだ。
(左から)森田甘路、大空ゆうひ
梶原善
どうやってタイムループを抜け出すのか。そして、個性派ぞろいのキャストたちが劇中で奏でる歌唱(ラップ)のリズムと歌詞が、どのように物語に溶け込むのかも楽しみでならない。今は期待と想像を頭の中でループさせながら開幕を待とう。
取材・文:演劇ライター 栗原晶子 写真:カメラマン 田中亜紀
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