松雪泰子、坂東龍汰らがM&Oplays×岩松了の新作公演『危険なワルツ』に出演 人間が持つ深く不条理な闇を暴いてゆく物語
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M&Oplaysプロデュース 『危険なワルツ』
2026年3月6日(金)~22日(日)新国立劇場小劇場(東京公演後は大阪、富山、宮城と全国へ巡演)にて、M&Oplays×岩松了の新作公演『危険なワルツ』が上演されることが決定した。
本作は、『クランク・イン!』(2022年、眞島秀和主演)、『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』(23年、黒島結菜主演)、『峠の我が家』(24年、仲野太賀主演)など、次々と話題作を発表、高い評価を得てきた、M&Oplaysと岩松了が定期的に行っている人気プロデュース公演で、『私を探さないで』(25年)に続く最新作。
かつて若い頃、犯罪まがいの行為を繰り返して世間からドロップアウトした夫婦が、心機一転新しい仕事を始めるにあたって若い男を引き入れてやり直そうとするが、この若い男がまた、ひと癖もふた癖もある男で———。
3者3様のエゴがぶつかり合い、また妻と男の関係が次第に接近してゆく様を目の当たりにした初老の男の嫉妬心が招く歪んだ3人の関係を描きながら、人間が持つ深く不条理な闇を暴いてゆく物語だ。
主演・吟子役には『そして春になった』(20年)、『カモメよ、そこから銀座は見えるか?』(23年)で岩松とタッグを組んだ松雪泰子。先日最終回を迎えたドラマ『最後の鑑定人』や、10月7日より開幕する舞台音楽劇『エノケン』への出演も控えるなど、その確かな演技力で数々の話題作に出演し続ける松雪が、今作では岩松と夫婦を演じる。言葉巧みに吟子に近づいてゆく一寿役には2017年のデビュー以来、振り幅の広い演技で注目を集め、今年1月公開の映画『君の忘れ方』では映画単独初主演も務めた、今最も勢いのある若手実力派俳優・坂東龍汰。夫婦の近所に住む友達溝口役には、劇団東京乾電池所属で、ドラマ『ホットスポット』、『地面師たち』、『海に眠るダイヤモンド』、カンヌ国際映画祭出品作『ルノワール』などに出演し幅広く活躍している谷川昭一朗。また、映画『サイレント・トーキョー』、『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』や、ドラマ連続テレビ小説『エール』、『大岡越前』などに出演する中村加弥乃と、映画『怪盗くいしん坊』、『はなとこと』や、ドラマ『#日本一の最低男※私の家族はニセモノだった』、『くるり~誰が私と恋をした?~』、『366日』などに出演する但馬智の2名がオーディションを勝ち抜き出演が決定した。
そして岩松自身も吟子の夫、龍臣として出演する。ユニークで刺激的なキャストで贈る濃密な人間ドラマに期待しよう。
龍臣(たつおみ/岩松了)と吟子(ぎんこ/松雪泰子)は若いころ、アウトローの生き方を貫いて、悪事も働いた。そして結婚して子供ももうけたが、今は、2人の子供たちも独立して、カタギの家庭を築いている。すでに男と言うには歳が行き過ぎてるように見える龍臣に対して、吟子はまだまだ女盛りと言えたし色気も充分で近所も認める「いい女」だった。
そんな二人の家に配管工事にやってきた若い男・澤田一寿(坂東龍汰)。その完璧な仕事ぶりと、まだ30歳にも届かないように見える若さに、ときめきを覚える吟子。一寿もそんな吟子に言葉巧みに近づいてゆく。
吟子の提案で新たに悪事の計画を進めることになった夫婦。その企みに一寿も参加して3人の奇妙な共同生活が始まる。龍臣と吟子の世界に、深く入り込んでいく一寿。始まりは行きあたりばったりの思い付きが、抜き差しならない状況まで暴走していくように見える一寿という男の企みとはいったい——。そして、3人の危険な関係はどこへたどりつくのか———。
作・演出 岩松了 コメント
この作品、松雪泰子という円熟の女優と坂東龍汰という新鋭の男優の捻れた恋のマッチアップを楽しんでいただければ、との思いで執筆にとりかかりたいと思っています。
若い頃『ボニーとクライド』をきどって(本人いわく)悪さのかぎりを尽くした(松雪泰子演じる)吟子は、相方だった(岩松了演じる)龍臣と夫婦になったが、歳を経て普通の一般人となって平穏こそ一番とうそぶく龍臣にすっかり愛想が尽きている。その二人の住処にひょんなことで出入りするようになった(坂東龍汰演じる)一寿、一見穏やかそうな一寿の裏の顔(彼女だと言っていた社長令嬢[遥子]を吟子の前で罵倒して見せた)を目撃した吟子は、歳の差を忘れて恋に落ちる。一寿は吟子の想像を超えてしたたかな男だったわけで、年上の女が自分に惚れてるとわかって手玉に取り始めるのだ。
そこに吟子夫婦の近所付き合いをしている溝口という年配の男(谷川昭一郎)とその娘(リサ)が絡み、一寿はその溝口とも親交を深めるそぶりで吟子を視界におく。吟子は若い頃情熱を燃やした悪さに加担していった自分を思い出すが、それは同時に一寿という沼に溺れていくことを意味していた。
松雪泰子には、生活臭から抜け出そうとする女、自分も老いていくことを連れ合いが見せつけるような気がして、若さへ、悪へ、傾いてゆく女を、坂東龍汰には、どういう事情からか身についてしまったニヒリズムの虜になっている自分を持て余す若い男を、演じてもらいたいと思っています。
そしてこのドラマは吟子夫婦の住居の中庭で展開するが、そこは一見、電車を待つ駅のホームのようにも見える。誰かと誰かが、ここから旅立とうとしているのかもしれない。
松雪泰子 コメント
この度、岩松了さんの新作『危険なワルツ』で吟子役を演じさせていただきます。
岩松さんの作品に参加できることは、俳優として本当に光栄であり、とても身が引き締まる思いです。岩松さんの戯曲には、言葉の奥に深い人間洞察や独特の詩情が息づいており、その台詞の一つひとつが、役を通して世界に広がる力を感じます。
吟子は、過去や現在、愛や嫉妬、希望や絶望が交錯する、とても人間味あふれる女性です。一筋縄ではいかない彼女の揺れ動く心を、丁寧に誠実に表現したいです。
素晴らしい共演者の皆さまとともに、お客様の心に何か深く残る舞台となるよう臨みます。
ぜひ劇場でお会いできることを楽しみにしております。
坂東龍汰 コメント
「岩松了さんの舞台に出ないか?」マネージャさんからそう聞いた時背筋が伸びると同時にとても心が踊りました。
僕が初めて岩松さんの舞台に出させていただいたのは八年前、デビューした二十歳の頃。右も左も分からないまま飛び込んだ日々でしたが、あの時間がいま思えば俳優としての土台を形づくってくれた気がします。全てを理解できていたかと言われると決してそうではありませんが、あの独特の世界にまた足を踏み込めると思うと緊張と共に胸が高鳴ります。
今の自分にしか出せないものを精一杯投じ、一瞬一瞬食らいついていく気持ちで演じられたらと思います。
どうぞ楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。
公演情報
作・演出:岩松了
出演:松雪泰子、坂東龍汰、谷川昭一朗、中村加弥乃、但馬智、岩松了
東京公演:2026年3月6日(金)~22日(日) 新国立劇場小劇場
大阪、富山、宮城公演あり
公式HP:https://mo-plays.com/waltz/
主催・製作:(株)M&Oplays