八神純子、世界を熱狂させ進化し続ける声と歌を間近で感じることができる『ヤガ祭り』開催迫る

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コラム
音楽

『ヤガ祭り』

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今年デビュー47周年を迎えた八神純子。6月にはZerppツアーを行なうなど、その歌声はますます冴え渡り、今まさに充実の時を迎えていると言っていい。その充実ぶりがわかるのが、八神が毎年行っているライブ、『ヤガ祭り』だ。今年も10月4日に『ヤガ祭り the 7th Legends ~with 稲垣潤一~』、5日に『ヤガ祭り the 7th ~ヤガミグミ Special~』を東京・昭和大学人見記念講堂で開催する。

初日の『ヤガ祭り the 7th Legends ~with 稲垣潤一~』は、自身のラジオ番組への出演をきっかけに交友を深めた稲垣潤一をゲストに迎える。二人は、稲垣の女性アーティストとのデュエットアルバムシリーズ『男と女5-TWO HEARTS TWO VOICES-』(2015年)で、「愛は時を越えて」(大橋純子)をカバー。八神のエネルギッシュかつ繊細な歌と、稲垣の柔らかくそして凛とした歌とが交差し、極上のハーモニーを響かせている。二人とも声の熱量、トーンがデビュー当時から全く変わっていない。今回の『ヤガ祭り』ではヒット曲を多く持つ二人がどんなセットリストで、“深化”した稀代のボーカリストたちの芳醇なハーモニーを聴かせてくれるのか楽しみだ。

そして2日目は、6人編成のバックバンド・ヤガミグミにホーンセクションとストリングスを加えた、ヤガミグミ Specialとセッション。『ヤガ祭り』は元々「歌いたい歌を歌いたいだけ歌う」という八神の想いを実現したライブで、毎回30曲以上披露する。その中で恒例になっているのがこれまで発表したアルバムを、キーもアレンジもそのままで完全再現するコーナーだ。八神のボーカリストとしての“凄さ”を目の当たりにできるコーナーだ。さらにシークレットゲストの登場も見どころだ。一昨年は大黒摩季、昨年は寺田恵子が登場し客席は熱狂。「歌いたい歌を歌いだけ歌う」のだから、当然ライブは約3時間半(休憩を挟んで)という長丁場だが、美しいメロディとメッセージ、圧巻の歌、そして手練れのミュージシャンが揃ったバンドの素晴らしい演奏、全てがひとつになって大きな感動を作り上げてくれる。

現時点での最新オリジナルアルバム『TERRA ~here we will stay』(2021年)について八神にインタビューする機会に恵まれたが、タイトルチューンは11分超えの組曲で「私の今までのアーティスト人生は、この作品を書くためにあったという気がしていた」と語ってくれたように、今伝えたい言葉、メッセージが溢れている。そして「世界の平和だけを歌うシンガーにはなりたくなくて、永遠にラブソングが歌えるシンガーでいたい。人と人が愛するということが健全に存在していたら、きっとこんな世の中にはなっていないでしょう。だからラブソングをリアルタイムで歌える、そんな女性シンガーソングライターでずっといたい」というブレない想いがある。

その創作の根源に男女の愛があり、そして生まれてきた子供への愛があり、そこからどんどん広がっていくものを歌い続けてきた。そんな多様性に長けた音楽性が評価され、2022年にアメリカの「Women Songwriters Hall of Fame 」(女性シンガーソングライターの殿堂)に、日本人女性シンガーとして初めて選出されるなど、その音楽は海外でも高く評価されている。シティポップの世界的人気が続いているが、八神の作品も海外で支持されている。特に海外のリスナーに人気の「黄昏のBAY CITY」や「みずいろの雨」を韓国出身のDJ・Night Tempoがリミックスしたバージョンも話題を集めた。

2024年6月にはニューヨークの老舗ジャズクラブ「バードランド」での初の単独ライブを2日間行ない、両日ともにソールドアウトになるなど、その音楽と歌はアメリカのリスナーも熱狂させた。

衰えを知らないどころか進化を続けるその声、歌は、国内外のファンを熱狂させている。その“熱狂”を一番感じることができるのが『ヤガ祭り』とも言える。現在と過去、未来を丁寧に歌い、伝える、八神の“現在地”を鮮やかに映し出す“場所”だ。

文=田中久勝

ライブ情報

ヤガ祭り the 7th Legends ~with 稲垣潤一~
2025年10月4日(土)昭和女子大学 人見記念講堂
【開場・開演】17:45/18:30

ヤガ祭り the 7th ~ヤガミグミ Special~
2025年10月5日(日)昭和女子大学 人見記念講堂
【開場・開演】15:45/16:30
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