Rhythmic Toy World主催『玩具大戦 2025』特別座談会 #2(MAGIC OF LiFE・LEGO BIG MORL・kobore・Klang Ruler)

2025.10.18
インタビュー
音楽

『玩具大戦 2025』特別座談会 #2

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10日3日に公開された第一弾に続く、Rhythmic Toy Worldの主催フェス『玩具大戦』に出演するバンド同士の座談会企画・第二弾。いずれもリズミックからすれば先輩にあたるバンドからの金言が飛び出した前回と比べ、今回はキャリアこそ違えどより同胞感の強いMAGIC OF LiFEにLEGO BIG MORL、後輩にあたるkobore、今回が初の対バンとなるKlang Rulerとより多岐にわたる面々が集結した。いずれも先輩にあたる3組とリズミックとの出会いから互いのリスペクト、本番への想いまでたっぷりと語り合ってくれた。リズミックは各バンドのどこに惚れ込み、声をかけるに至ったのか。逆に彼らの目からはリズミックはどのように映っているのか。本番への意気込み面も含めてざっくばらんに語り合った。本番まであと1ヶ月足らず、本稿を読んで当日への期待がより膨らめば幸いだ。

──今回は世代もキャリアも幅広い顔ぶれの座談会となりましたけど、まずMAGIC OF LiFEは唯一前回の『玩具大戦』に出演されていて。

Rhythmic Toy World・内田直孝:そうですね。関わりはもう──

MAGIC OF LiFE・高津戸信幸:長いよね。LEGO BIG MORLとどっちが長い?

LEGO BIG MORL・タナカヒロキ:いや、よっぽどMAGICの方が長いんじゃない?

内田:一緒にGIFTMENっていう合同のバンドもやってますし。唯一2年連続っていうことなんですけど、彼らが先に栃木で始めた音楽フェス(通称・栃フェス)にも呼んでもらったりと切磋琢磨しながらやってきた仲なので、唯一の証人になってほしいなっていうのがあったんですよ。1年目と2年目で出てくださる人は違うんですけど、そこで何がどう変わっていったのか、どういう魅力が増したのか……まあ逆も然りですけど。そこでいちばん忖度も気兼ねもなく話せる仲間に、僕らの歴史の証人になってほしいなっていう。

高津戸:そんな重積があるとは思ってなかったです(笑)。

内田:いま初めて言ったんで(笑)。LEGOは去年も呼びたかったんですけど、枠がすごく限られていたので。1年目にすごく頑張って、2年目も開催できるとなれば、絶対に声をかけさせてもらおうと思ってました。ここ数年は年に1回は自分たちの企画に呼んだりしてるし。

タナカ:そう。呼んでもらってばっかりでアカンなっていう。

内田:で、koboreはめっちゃ久しぶりの対バンです。前回は静岡かな。

kobore・佐藤赳:ですね。

内田:その時もバチクソかっこよかったですけど、あの時のkoboreのかっこよさから、いまどんどん大人になってきてどういうふうに洗練されているのか。絶対に刺激をもらえる確信があって呼ばせてもらいました。

内田直孝(Rhythmic Toy World)

高津戸信幸(MAGIC OF LiFE)

タナカヒロキ(LEGO BIG MORL)

──koboreから見たリズミックって、活動を本格化した頃にはもうバリバリやってた先輩って感じですよね。

佐藤:バリバリで最前線を走ってました。

内田:俺がロン毛三つ編みやったもんな。

佐藤:はい。怖!みたいな感じで、喋るのためらった気はします(笑)。でも実際に話してみたら、めちゃくちゃ良いお兄ちゃんで。で、SPICEに書けないくらいのすさまじい打ち上げをしたんですよ。ベースのすーさん(須藤憲太郎)が凄すぎて。

内田:あの時さ、koboreの機材車に乗せてもらってたよな。

佐藤:そうです。みんな帰っちゃって、すーさんだけ僕らの機材車に乗って、静岡から東京までの2時間くらい、泥酔状態のすーさんだけが喋ってました(笑)。内田:(須藤は)それ以来ずっと「あいつらは良いやつだ」「間違いない」っていうのをひたすら言ってまして。今回出てくれることになって、彼はめちゃめちゃ喜んでます。今回はちゃんと自分らの機材車で帰らせますけど(笑)。

──そしてKlang Ruler。

内田:バンドの存在はかなり前から知ってまして。共通の知人がすごく応援してるという話をしてくれてて。フェスに出るたびに「どこどこに出るんです」みたいに知らせてくれたり。

Klang Ruler・やすだちひろ:うわぁ!

内田:で、今回呼んだきっかけとしては、最近になって他のメンバーが「このバンドめちゃくちゃ良いよ」みたいな感じで僕に言ってきたんですけど、「前から知ってるよ」っていう感じで(笑)。でも自発的にメンバーの中で「良いバンドだよね」っていう共有ができたということは、このタイミングでお声掛けするのが運命的かな?と思って。

Klang Ruler一同:ありがとうございます!

やすだ:共通の知人というのが、わたしの元バイトの先輩なんですけど、それこそわたしがKlang Rulerに入る前からずっとリズミックのことを「いちばん好きなバンド」だと聞いていたので。これまでご一緒する機会がなかったし、いつか交われることがあるんだろうなという想像すら至ってない状況だったので、まさかお誘いいただけるとは思ってなくて。今回の『玩具大戦』のラインナップも、わたしたちがいつかご一緒してみたいと思っていた方々、まだもう少し先だと思ってた方々がたくさんいっしゃるので……今日は気合を入れて全員で来ました(笑)。

内田:いや、本当に嬉しい。ありがとうございます。バンドとしての付き合いはここから始まっていきますけど、ずっと切磋琢磨していきたいなと思えました。

佐藤赳(kobore)

やすだちひろ(Klang Ruler)

yonkey(Klang Ruler)

──という面々による今年の『玩具大戦』ですが、去年出ていた高津戸さんから見て、どんな部分が印象に残ってますか?

高津戸:バンドがやってるフェスのとても良いところとして、ハンドメイド感があるというか。入った瞬間から人のあたたかさが、置いてあるものとか、スタッフの表情とかを通じて伝わったので。まず素晴らしい空間だなと思ったのと、去年の出演バンドと僕はほとんど顔見知りだったんですけど、あんなにしっかり喋ったのは初めてだった。出演バンドの距離感がすごく近くて、それは楽屋が一緒だったとかは関係なく、自然と「今日よろしくね」のハイタッチができるというか。ステージ上も楽しかったし、ライブが終わった後も1日純粋にイベントを楽しめたなと。

──前回の3組にも聞いたんですが、こういうイベントに呼ばれた時ならではのライブへの姿勢とかモードについても聞いてみたいです。

タナカ:今回に関して言えば、さっきも言ってもらった通り去年に呼んでくれようとした努力が見えたんですよ、なんか偉そうやけど(笑)。LACCO TOWERのギターの大ちゃん(細川大介)とリズミックのギターの(岸)明平と僕の定期的な飲み会があるんですよ。そこで去年LACCOが出るという話になって。へえ、こっちは誘われてないけど?みたいなことをギャグで言ってたら、後日すぐにちゃんとした謝罪のLINEが送られてきて、「候補に上がってたんですけど本当に枠が埋まってまして」みたいな。で、蓋を開けてみたらスケジュールの関係でLACCOも出てなかったんですけど(笑)。ということがあっての今年のお誘いやったんで、だから今日僕が来てるんですよ。

『玩具大戦 2025』特別座談会 #2

──ああ、なるほど。

タナカ:なので、明平の想いに乗っかって今回は出させてもらいます。あんまり僕は他のバンドのためにライブをすることはないんですけど、今回は明平に捧げようかなって思って。他のバンド主催フェスとかよりも、僕は勝手に気負ってます。

内田:ありがたいですねえ。こないだもボーカルのキンタさん(カナタタケヒロ)と弾き語りで一緒やったんですけど、楽しすぎて結構お酒も進んで、アンコールは僕がバーサーカーモードでみんなを振り回して終わるっていう。

高津戸:(笑)。僕らは栃木でフェスをやってたから、すごい大変なプレッシャーとかあることは知ってるつもりなので、去年出た時にも勝手に「頑張ってるなぁ」という親心があって。友達として支えたかったし、助けてあげられるところは助けたかったんですけど、それ以上に楽しすぎた。楽な気持ちでできたことによって、すげえ良いライブができたんですよ。なので今年もそうなればいいですね。あまり気負うとかはなく、koboreとかKlang Rulerのライブを観られるのも含め、純粋に楽しみです。

──koboreはどうですか、他のバンドに呼ばれて対バンすることも多いタイプですけど。

佐藤:がゆえに、あんまり考えてないというか。前年出てたMAGIC OF LiFEが「気負わなかったら良いライブができる」と言ってるので、それでいこうかなと。

高津戸:はははは!

佐藤:僕も気負うとよくわからなくなっちゃうんで、とりあえずかますだけというか。あとはそこに通じるプロセス──僕たちも府中という地元があって、そういう土地ならではの会場やスタッフ雰囲気とか、僕はそっちの方を大事にしたいし、感じにいきたいなと思っていて。そういう部分をライブに活かせたらいいなとは思ってます。

やすだ:Klang Rulerはバンド主催のフェスやイベントに呼んでいただくの自体が初めてなので。先輩、背中をお借りします!っていう気持ちと、普段わたしたちがやってきた界隈──っていう言葉があってるかはわからないですけど、そこのバンドとはまた違うところに飛び込ませてもらう感覚があって。そういう意味でも、まだKlang Rulerを知らないお客さんがきっとすごく多い気がするんですけど、リズミックがこれまで作り上げてきた空気感やお客さんの中に入ってライブをして、楽しんでもらえたり知ってもらえるように。いつか「Klang Rulerをいちばん最初に呼んだの俺らやぞ」って言ってもらえるような一日にしたい気持ちが一番大きいです。

内田:いいっすねえ(小声)。そういうのめっちゃ好きっす。

──ワシが育てた的な?

内田:いやいや、そうじゃないけど(笑)。そう言ってもいいんやって思ってくれてることが熱くていいなと思いました。

SimiSyo(Klang Ruler)

Gyoshi(Klang Ruler)

かとたくみ(Klang Ruler)

──Klang Rulerのみなさんは、今日いないバンドのことも含めて、当日楽しみにしてることはあります?

Klang Ruler・SimiSyo:個人的に、高校生でドラムを始めた時の最初の憧れがBUNTA(TOTALFAT)さんだったんですよ。イベントで一緒になるのは今回が初めてなんですけど、袖から見れるあの距離感が楽しみですね。本当、ドラムヒーローなんで。

Klang Ruler・かとたくみ:なんか高校生の頃、写真撮ってたもんね。

SimiSyo:TOTALFATの出てるフェスに行かせてもらって、外で一緒に写真撮ってもらったのが未だに思い出に残ってて。

Klang Ruler・Gyoshi:高校生の頃から知らない名前がないバンドしかいないので、そこに並べるだけでもう興奮というか。一緒にやらせていただけることに感謝だし、頑張るしかないな、爪痕残したいなという感じです。

──yonkeyさんはどうですか。

Klang Ruler・yonkey:僕のバンドを始めたのが18歳の時で、10年くらいやってるんですけど、長く続けることの難しさやすごさは本当に感じていて。そういう方たちと一緒にできるのが本当に楽しみです。……すいません、なんか緊張しちゃってて(笑)。

内田:この間のステージの時は、超パーティーピーポーな感じでしたけどね(笑)。

──逆にリズミックから見て、このバンドのここが楽しみ!みたいなこともあります?

内田:この間Klang Rulerのライブを観に行った時に、自然と体が揺れる音楽だし、自然とお酒も進むなと。そういう音楽を僕は自分で作るわけじゃないですけど、聴くのはめちゃくちゃ好きなので。でも、それでいてMCの感じが僕はすごく刺さって。等身大よりもっとエグ味があって、本当だったら隠したくなるような自分の心の中身の苦い部分、脆い部分とかを言うんですけど……なんかね、聞いてて「ウッ」とならんのですよ。それだけこのバンドのストーリーには不純物がないし、音楽の色と真っ直ぐな人間性の混ざり合いが他のバンドとはまたちょっと違うなと思ったので、そこも楽しみにしてほしいなと思います。koboreに関しては、「かます」と言ったら、かまさないライブを絶対にしないバンドなので。

佐藤:ありがとうございます……!

内田:間違いなく情熱の弾丸みたいなものを撃ち込まれ続けると思うので、当日はみんな受け止められるだけ受け止めてほしいなというふうに思ってますね。LEGOは、僕個人的に……会場自体はステージも大きいですけど、あの規模でもやっぱりLEGOって3人並んだらデカいんかな?っていう。

──サイズ的な話ね。

タナカ:音楽の話して?

内田:(笑)。MAGICとLEGOって、音楽の感度みたいな部分で言うと似た色をしていると思うんですよね。言葉の紡ぐ感じや、メロディの繊細さみたいな部分とか。この2バンドが同日に並ぶ現場に、僕は多分いたことがないかなっていう。

高津戸:へえー!

内田:最近は特に、それぞれのバンドとの対バンは定期的にあるので、今の2バンドが重なった時にどういう色になるのかな?っていうことと、そこにどっぷり浸かれるのを僕は楽しみにしてます。

──逆に、こんなリズミックが見たいとかもあります?

高津戸:この前一緒に回ったツアーも素晴らしくかっこよかったし、リズミックの良いところは、過去も素晴らしいんですけど、今が一番かっこいいとはっきり言えるところなので。ドラムが変わった時は一回潜ったかな?と思ったんですけど、久しぶりに会った時には挽回してまた新しいリズミックになってたし。そうやって「俺も頑張らなきゃな」って思わせてくれる仲間なんで、やっぱり今までで一番いいライブを観せてほしいですね。


取材・文=風間大洋 撮影=大橋祐希

『玩具大戦 2025』特別座談会 #2

イベント情報

Rhythmic Toy World Presents 「玩具大戦 2025」
2025年11月9日(土)埼玉県 ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールA
OPEN 13:15 / START 14:00

出演:Rhythmic Toy World / BIGMAMA / Klang Ruler / kobore / LACCO TOWER / LEGO BIG MORL / MAGIC OF LiFE / TOTALFAT
 

一般 ¥7,500(税込)/ 学割 ¥5,000(税込/全自由/D代別)
"玩具大戦"オフィシャルWEBサイト:https://rhythmictoyworld.com/gangu-taisen2025/