独自の道を探求するピアニスト アレクサンダー・ガジェヴ、ソロ・リサイタルを開催
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アレクサンダー・ガジェヴ photo:Vitoria Nazarova
 ピアニスト、アレクサンダー・ガジェヴによるソロ・リサイタルが、2025年11月11日(火)東京オペラシティ コンサートホールにて開催される。
イタリア出身のピアニスト、アレクサンダー・ガジェヴは、2015年浜松国際コンクール優勝および聴衆賞、2018年モンテカルロのワールド・ピアノ・マスターズ優勝、2021年7月シドニー国際コンクール優勝など、数々の輝かしい成績を収めてきた。同年10月の第18回ショパン国際コンクールでは第2位及びツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞)を受賞し、その個性豊かな演奏解釈と深い音楽性で世界的な注目を集めている。
9月26日に全国公開された映画『ピアノ・フォルテ』では、このショパン・コンクールに挑む若きピアニストたちの舞台裏が描かれ、ガジェヴもそのひとりとして登場。「コンクールなど誰も望んでいない。音楽で競うなんて」という印象的な言葉を残している。ガジェヴは、既成概念にとらわれず独自の道を探求し、卓越したテクニックと深い思索に裏打ちされた独創的な解釈で聴衆を魅了し続けている。
『アレクサンダー・ガジェヴ ピアノ・リサイタル』
今回の公演では、ガジェヴの新境地であるシューベルトの即興曲、ショパンの傑作バラード第4番、チャイコフスキーのドゥムカ、そして彼が最も愛する作曲家プロコフィエフの傑作群という、ガジェヴの多彩な魅力が詰まった珠玉のプログラムが披露される。
プログラムについて、ガジェヴは次のように語っている。
「シューベルトとプロコフィエフの音楽は、意外にも相性が抜群!と僕はかねてから考えていました。いずれも力強いリリシズム(抒情性)を持ち味とし、多彩な陰影や表情をきかせます。さらに、確固たる存在感を示す舞踊が、重厚な情感に軽やかな気分を添えています。私にとって、プロコフィエフは最も色彩豊かな作曲家です。彼はさまざまな要素を、誰も思いつかないような斬新な切り口で一つにまとめ上げます。だからこそ彼の音楽は、つねに新鮮で、意表をつく組み合わせに富んでいるのです。ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」は、目覚ましいリズム、美しいリリシズム、独特な和声感を特長とする傑作です。僕が愛してやまない作品です」
前半では、シューベルトの「即興曲集 D935」から第1番、第2番、第3番を披露。シューベルト晩年の深い情感と詩的な世界観が凝縮されたこの作品は、ガジェヴの繊細な表現力と内省的な音楽性が最大限に発揮されるレパートリーだ。
 続くショパンの「バラード第4番」は、ショパンの最高傑作のひとつとして知られ、ドラマティックな構成と豊かな詩情が融合した名曲。さらにチャイコフスキーの「ドゥムカ」では、ロシア的な憂愁と情熱が交錯する独特の世界が展開される。
後半は、ガジェヴが最も愛する作曲家プロコフィエフの作品群で構成。「10の小品」から「伝説」、「束の間の幻影」から第7、9、4、18番と、多彩な表情を持つ小品が並び、プロコフィエフ特有の鋭い感性と色彩感が際立つ。そしてフィナーレを飾るピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」は、激しいリズムと抒情性、独特な和声が絡み合う20世紀ピアノ音楽の金字塔。ガジェヴの卓越した技巧と深い音楽理解が結実する、圧倒的な演奏が期待される。
ガジェヴが愛してやまない作曲家たちの傑作が、彼ならではの独自の視点で紡がれる唯一無二の音楽体験。この貴重な機会を見逃さないでおこう。
公演情報
日程:2025年11 月11日(火) 19:00開演(18:30開場)
会場:東京オペラシティ コンサートホール
シューベルト:「即興曲集 D935」から 第1、2、3番
ショパン:バラード第4番 ヘ短調 op.52
チャイコフスキー:ドゥムカ op.59
プロコフィエフ:10の小品 op.12から「伝説」
束の間の幻影 op.22から 第7,9,4,18番
ピアノ・ソナタ第7番 変ロ長調 op.83 「戦争ソナタ」
S席6,500円 A席5,000円 B席4,000円(全席指定・税込)
※曲目・曲順等が変更になる場合がございます。 ※未就学児入場不可 ※
協力:ナクソス・ジャパン株式会社