国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』、新設の賞も加えより多様な音楽カルチャーを称えるアワードに

2025.11.7
レポート
音楽

©CEIPA /MUSIC AWARDS JAPAN 2026

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『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』記者発表会
2025.11.5 都内

国内最大規模の国際音楽賞『MUSIC AWARDS JAPAN』の記者発表会が2025年11月5日(水)に都内で行われ、『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』(以下『MAJ 2026』)の授賞式を2026年6月13日(土)TOYOTA ARENA TOKYOにて開催すること、また、新たな賞の新設など、“2026年の進化ポイント”も紹介された。

初開催となった今年5月の『MUSIC AWARDS JAPAN 2025』(以下『MAJ 2025』)では、アーティストをはじめとした音楽関係者による投票(一部部門を除く)によって、のべ3,000の作品・アーティストによるエントリーの中から、主要6部門を含む全62部門の最優秀作品・アーティストが決定。2025年5月21日(水)、22日(木)の2日間にわたり京都市・ロームシアター京都で行われた授賞式の様子は、YouTubeにて全世界に配信され、およそ700万人以上が視聴、NHK生放送(22日のみ)の後のNHK+での配信では歴代最高記録(紅白など除く)を更新するなど、おおいに盛り上がりを見せた。

冒頭、今年の授賞式の模様が映像で流れ「次のRUBYは誰の手に?」との煽りから、MCのクリス・ペプラー、山本里菜が登場して発表会がスタートした。主催者代表の野村達矢実行委員会委員長が登壇して、2025年5月の初開催にあたっての感謝を伝えると、「『MAJ 2025』は国際音楽賞として授賞式だけではなく、日本の音楽がどんな未来を描けるかを問いかけ、その可能性を示した尊い場となりました。世代やジャンルを超えて響き合い、日本の音楽が持つ多様な価値が世界へと広がり、その景色に私たちは確かな希望を見ました」と手応えを振り返った。また、“世界とつながり、音楽の未来を灯す”というこのアワードのコンセプトはこれからも変わらずに原点であり続けることを宣言すると、「透明性」「グローバル」「賞賛」「創造」という4つの約束を胸にさらに進化していくとして、『MAJ 2026』ではメイン会場を京都から東京に移すこと、さらに“2026年の進化ポイント3つ”が紹介された。

野村達矢 実行委員会委員長 ©CEIPA /MUSIC AWARDS JAPAN 2026


■2026年の進化ポイントは3つ

1つ目は、楽曲部門・アルバム部門の対象リリース期間を設定したこと。2025ではリリース時期に関係なく、設定期間中にチャートインした楽曲やアルバムを対象としており、かなり以前にリリースされた楽曲やアルバムも多く入っていた印象だった。2026では2025年1月1日から12月31日までの間、初めて配信または発売された作品を対象として、今年1年間でリリースされた楽曲を対象とすること。その上で別途、1年以上長く愛され、長くチャートインしている楽曲を称える賞として「ロングヒット楽曲賞」を新設。また、ランク外から再び注目を集めチャートインした楽曲を称える「リバイバル楽曲賞」も設けられる。この 2つを合わせて、「バックカタログ部門」として位置付ける。このことにより、今の音楽と時を超えて愛される音楽の、両方を称えるアワードへと進化を遂げることとなる。

2つ目は、注目される音楽カルチャーへのスポットライト。「ダンスポップ楽曲賞」を「最優秀ダンス&ボーカル賞(グループ/ソロ)と再設定し、「アイドルカルチャー楽曲賞」は「最優秀ボーイズアイドルカルチャー楽曲賞」(グループ/ソロ)、「最優秀ガールズアイドルカルチャー楽曲賞」(グループ/ソロ)として、それぞれの魅力を称え合うように再構成・新設された。また、「最優秀デジタルカルチャーアーツ賞」も新設し、ボカロPをはじめとした多様な音楽表現に光を当てていく。さらに、アナログレコード人気の再燃を受け、アナログレコードを対象とした特別賞の設置も予定されている。

このように、『MAJ 2026』では14部門を新設、トータルで66部門を設定してより幅広く多様な音楽カルチャーを称えるアワードを目指していくという。  

3つ目のポイントは、音楽制作に関わるクリエイターの表彰強化。これまで楽曲賞はアーティストが中心だったが、今後は作詞・作曲・編曲などのクリエイターも受賞対象に加え、プレイヤー、プロデューサー、エンジニア、ディレクター、マネージャー、A&Rといった、音楽を支える人々も受賞対象として光を当てていく。さらに、「最優秀ミュージックビデオ監督賞」の新設をはじめ、クリエイターカテゴリーの充実を図り、音楽制作を支える多様な才能に光を当てていくという。

なお、主要6部門「最優秀楽曲賞」、「最優秀アーティスト賞」、「最優秀ニューアーティスト賞」、「最優秀アルバム賞」、「Best Global Hit from Japan」「最優秀アジア楽曲賞」が中心であることは前回と変わっていない。


■2026年6月8日~6月13日『MAJ 2026』開催ウィークは各所でイベントも

TOYOTA ARENA TOKYO

『MAJ 2026』の授賞式は2026年6月13日(土)に決定。メイン会場となるのは東京・青海に2025年10月にオープンしたばかりのTOYOTA ARENA TOKYOだ。アーティストや関係者が集うレッドカーペットに続き、主要部門の受賞作品アーティストを発表するグランドセレモニーが行われる。また、13日の昼にはその他の部門の受賞作品アーティストを発表するプレミアセレモニーが東京ドリームパーク(2026年3月開業)で開催され、音楽とカルチャーが交わる特別なステージが行われる。

さらに、東京各地でも多彩なプログラムを同時開催する。各地のサテライト会場にて、他ジャンルのアーティストが出演するライブプログラムを開催予定。6月8日から6月13日の 1週間を 『MAJ 2026』開催ウィークとして、ライブ、トークイベント、セミナーなど、音楽を通じて街全体がつながるフェスティバルとして展開していく。


■「今何が盛り上がっているのか、今何が評価されるべきなのかっていうことに、よりスポットを当てたカテゴリに」

©CEIPA /MUSIC AWARDS JAPAN 2026

発表会の後半では、ゲストとして登壇した俳優・ミュージシャンの櫻井海音、お笑いタレントのヒコロヒー、音楽ジャーナリストの柴那典、デジタルプロモーション・マーケティング会社arneの松島功代表と共に、『MAJ 2026』の新しい取り組みが紹介された。

先ほど紹介された新設の賞、新しいカテゴリーについての考えを求められたゲスト陣は、それぞれの所感を語った。

「ダンス&ボーカルというのは日本独自の音楽文化であるとも言えるんですよね。言ってしまえば和製英語でもあって、日本の音楽文化にすごくフィットした言葉になったと思いますし、ダンス&ボーカルという言葉になったことで、より“こういう人たちを表彰する賞なんだ”ということが分かりやすくなったと思います。それはガールズアイドル、ボーイズアイドルも同様で、アイドル文化って男女で様式もファンの感じも違うので、日本のアイドル文化にすごくフィットしたような形で、部門が変わってきたと思います。それと今回すごく大きいのは、ノミネート対象が2025年リリースの作品になること。このアワード自体がタイムレスなものではなく、今の音楽シーン、今何が盛り上がっているのか、今何が評価されるべきなのかっていうことに、よりスポットを当てたカテゴリに全体的になっている感じがします」(柴)

「ロングヒットアルバムや過去カタログと呼ばれる昔の曲に注目されるのがすごくうれしいと思います。なかなか外に出ない情報ってあるんですよね。例えばサザンオールスターズって、名曲がたくさんありますけど、去年のストリーミング数より今年のストリーミング数って2倍ぐらい聴かれているんです。だけど、こういった事実はあんまり業界の外の方には知っていただけてなかったりするので、そういったレジェンドアーティストの過去の作品とかがいまだにこうやって聴かれてることが、このアワードを通じて出てきたらうれしいなと思います」(松島)

「私は「ミュージックビデオ監督賞」っていうのが新設されたというのはすごくうれしいです。MVを見てめっちゃ面白い映像とかがあると、“これ誰が作ってんねん?”と思ってすごく調べたりとか、その監督がやってる違うMVに飛んでとか、そういう面白いカルチャーの変遷をたどれるっていうところも、この日本の音楽シーンのMVが担っている部分だと思うので、そこにフィーチャーされるこの新しい部門っていうのは個人的にめちゃくちゃ楽しみですね」(ヒコロヒー)

「楽曲単体でも、もちろん作品として成立しているものではあるんですけど、いわゆる“ライブ化け”する楽曲だったりとかライブパフォーマンス込みで、その楽曲が生かされるものがあったり。「ラージェスト・ライブ・オーディエンス賞」(国内/海外)がありますけど、アーティストにとってパフォーマンスの部分が評価されるというのは、モチベーションにもつながることだし、すごく素敵なんじゃないかなというふうに思います」(櫻井)

と、それぞれの感じたことを語った。

続いて今年の音楽シーンを振り返って、「2025年の音楽を語る上で欠かせない3つのキーワード」が、松島と柴により解説された。まず最初のキーワードは「新たな価値観」。柴は、「アーティストの名前で言うと、今年最もブレイクしたグループがHANAです。彼女たちは『No No Girls』というオーディション番組から選ばれたグループなんですが、そのオーディションも、いわゆるこれまでのリアリティショーのサバイバルオーディションとはちょっと違っていて、プロデューサーのちゃんみなさんが打ち出すメッセージ性、例えばルッキズムにとらわれないとか、そういったことを打ち出して、その価値観にすごく共感や支持が広まったことがHANAのブレイクにつながったと僕は考えているんです。最も象徴的なのはHANAですが、他のアーティストやグループも含めて、単に人気・セールス・動員があるというだけではなく、そのメッセージ性や活動のスタンスに支持が集まっているアーティストが飛躍したんじゃないかと思っています」と鋭い分析を聞かせた。

松島は柴の意見に同意すると、「そういったアーティストたちがいわゆるショート動画系でも結構バイラルヒットして話題になってっていうのはあると思いますが、何事もカウンターカルチャーってやっぱあるなと思っていて。この2、3ヶ月ぐらいに関しては、セカンドバッカー、カネヨリマサル、ねぐせ。、ヤングスキニーといった若いJロックアーティストも結構TikTokでバイラルしていて、すごく新しいロックバンド像みたいなところを見させてくれているので、そういったカウンター的な感じも盛り上がってくると思います」と独自の切り口で応えた。

ヒコロヒーが、「新たな価値観というのは、もう本当に(2人が)おっしゃるとおりだと思いますし、いろんなこう形で活動されるアーティストさんやいろんな種類の楽曲があって、それを我々リスナー側も好きなものを選んで、好きなカルチャーをみんなで育てていくっていうことが、どんどん当然になってきたのかなというようなことを、今年はより感じましたね」と今年を振り返った。櫻井は、「僕自身も新たな楽曲と出会うときって、SNS だったりがより多くなってきていて、その SNS の中でも音楽の発信のされ方がアーティストによってすごく多様化しているとも思うので、そういう新たな価値観がどんどん音楽を前に進めていってるんじゃないかなと思いますね」と、若い世代ならではの実感を語った。


■「アーティストやクリエイターが好きなものを突き詰めたものが、たまたまグローバル化していくのはこの時代の良さ」

2つ目のキーワードは「日本のカルチャーがグローバルへ」。「2025年というよりは、本当にここ数年、どんどん大きくなってきている一連の流れだとは思うんですが、2025年ということで言いますと、例えばAdoさんが日本人アーティストとしては最大規模のワールドツアーをやったり、藤井風さんや米津玄師さん、それから ONE OK ROCK やBABYMETAL など、ワールドツアーを本当に大きな規模でやるアーティストが増えました。各国にアーティストが行ってライブをやって、そこで熱狂を生むと、そういう動きがあったのが特に 2025年のトピックだなと。もう1つはやっぱり映画ですね。日本のアニメ映画が今本当にグローバルで大きなヒットになっています。「鬼滅の刃」と「チェンソーマン」がアメリカの商業収入ランキングで1位になった。これって本当に大きな地殻変動が起こっているわけですし、当然そこに音楽も紐付いている。米津玄師さんの「IRIS OUT」が、「チェンソーマン レゼ篇」の主題歌としてヒットしていたりする。本当にカルチャーが全般全方位でグローバル化しているのが 2025年かなというので、こういうキーワードにしました」(柴)

ヒコロヒーは、「これは結果論の話かなとは思っていて、日本で音楽を作ってる人たちが、海外へ発信しやすくなったことによって、手に取っていただきやすい、入ってきやすいっていう中で、結果としてグローバル化したっていうことだと思うので、そんなに作り手側はグローバル化っていうふうになってないっていうところが、私はすごく素敵だなと思っていて。先ほどのリバイバルの話にも通じるんですけど、ここ数年、山下達郎さんであったりですとか、そういった方々の楽曲も本当に海外に行くと、特にアジア圏は、「ああ、タツロー・ヤマシタのところから来たの?」みたいに歓迎してくださったりするんです。最近だとimaseさんとかもそうだと思うんですけど。アーティストさんやクリエイター側が、好きなものを突き詰めて突き詰めてというのが、たまたまグローバル化していくって、これはこの時代の良さだなと思いますし、単純に裾野が広がっていくっていうのは素敵な時代に入ってきているなと思いますね」と、じつに腑に落ちる意見を聞かせてくれた。


■「自分が生まれるより前に発表された楽曲を好きになったり、そういうことがもっと進んでいくと“やっぱり音楽っていいな”というところに立ち返れる」

櫻井海音 ©CEIPA /MUSIC AWARDS JAPAN 2026

3つ目のキーワードは「Y2Kリバイバル」。「Y2Kリバイバルって、ファッション用語だったり、もしくは海外での 2000年代のポップカルチャーのリバイバルっていうイメージの言葉ではあるんですが、日本の音楽に当てはめると、まさに平成のリバイバルが今年起こった曲で挙げると、例えばORANGE RANGE「イケナイ太陽」、これはマユリカさんが出演して平成あるあるを詰め込んだMVが起爆剤になってすごく話題になったりして、ずっとORANGE RANGEのファンだったっていう人だけじゃなく、若い世代がMVやストリーミングをきっかけにどんどん聴くようになって、ライブに来るようになったというのが1つ。  あとはRIP SLYMEの「熱帯夜」がTikTokとかショート動画でリバイバルして盛り上がってきたところに、いよいよ 5人で復活したっていうことで大きく話題になりました。あとは例えばSTUTSさんのような、今ヒップホップシーンを支えている DJ トラックメーカー、ラッパーの方々が、「RIP SLYMEで僕は育ちました」っていうリスペクトしているっていう縦のカルチャーの関係も含めて、あえて2つ挙げるとするならば、やっぱりORANGE RANGEとRIP SLYMEが日本の Y2Kリバイバルだったんじゃないかということで選ばせていただきました」(柴) 
 
「一方で海外まで目を向けると、この1年に関してはHALCALIがすごくリバイバルとして大きかったと思います。彼女たちの楽曲はどちらかというと海外で先にTikTokとかショート動画でバイラルして、YouTubeの再生回数も増えてきて、その波が日本に来てUGC として動画を使う人も増えてきたという流れですね。なので、本当にリバイバルの仕方も多様化してるっていう感じで、そこも含めて面白いんじゃないかなと思います」(松島)

「私はもうド世代なんですよ。1989年生まれなので、2000年代というのはもう自分の青春時代と同じなんですけど、その当時は別に「ふ~ん」って感じで、自分のその時代の流行ってるカルチャーとかで、特に何か思い入れがあるっていうわけではなく過ごし切ったんですけど、それが今こうしてリバイバルっていう形で、いろんなこうものが生まれているのを見ると、このメロディーラインが確かになんか安らぐなとか、2000年代を過ごしてた人たちにも、また別の角度からリバイバルさせてもらってるような気持ちです」(ヒコロヒー)

「僕は2001年生まれなんですけど、“いいものはいい”って言いやすい世の中にもなってると思いますし、昔の楽曲、今の楽曲、流行りとか、そういう区分けがなくてもいいじゃんっていうのはすごく素敵だと思います。僕の世代でも、自分が生まれるより前に発表されている楽曲を好きになったりとか、そういうことがもっと進んでいくと、「やっぱり音楽っていいな」というところに立ち返れるのかなと思いますね」(櫻井)


■主要3部門の中間発表

エントリー対象作品は、2025年1月27日~2026年2月22日の集計期間を、8週間ごとに1ピリオドで区切り、計7ピリオドで集計する。そのうち、1~4thピリオドを集計した中間集計が30部門にて発表された(なお、中間集計で発表した作品がすべてエントリー作品に選出されるとは限らない)。

発表会では主要3部門、「最優秀アルバム賞」、「最優秀楽曲賞」、「最優秀アーティスト賞」の中間発表がスクリーンで公開された。「最優秀アルバム賞」の文字を目で追いながら櫻井は、気になる作品にONE OK ROCK『DETOX』を挙げた。

「僕自身も音楽を始めたきっかけがONE OK ROCKさんで、ライブDVDを見て音楽を始めて、今俳優活動につながっているので。ちょっと前に僕が出演していたドラマの主題歌もONE OK ROCKさんにやっていただいて、ライブもツアーも見に行かせていただいたので、そういった意味ではすごく注目してますね」と思いを語った。

柴は、「すごく納得の並びだなと思います。実際はここから、この6月以降の活動も入って、3月にノミネートエントリーが決まって、そこから音楽関係者、アーティストなどの投票でノミネートが決まるという段取りなので、実際ノミネートはこのリストからはちょっと読めないとは思うんですが、すごくこの段階でも、“あ、やっぱり今年この人活躍してたな”って思う、いろんな情景が思い浮かぶようなリストだなと思います」と現時点での感想を述べた。

ヒコロヒーは「私は緑黄色社会さんもよく聴きましたし、JENNIE(BLACKPINK)ちゃんは「最優秀アルバム賞」の方でも載ってましたけど、JENNIEちゃんのソロアルバム『Ruby』というアルバムは名盤でしたね。よく聴いたなという感じがします」と明かした。

ヒコロヒー ©CEIPA /MUSIC AWARDS JAPAN 2026


■「去年までの楽曲は入ってこないとなると、本当に今のリアルなHIP-HOPのヒットなどが見えやすくなるかなと期待しています」

最後に、主要部門以外で注目の部門について。柴が注目しているのは、「最優秀ガールズアイドルカルチャーアーティスト賞」(グループ/ソロ)。「今年ってガールズアイドルのカルチャーがどんどん更新された、新しい波が出てきた1年でもあるなと思っていて。例えばFRUITS ZIPPERさんとか、KAWAII LAB.勢。その中でもCANDY TUNEさんの「倍倍FIGHT!」とか、あれは今年流行ったなって思って見てみたらリリースが 2024年で、今回の集計には入らないとかそういうところもあって、アイドルカルチャーの更新に時代の方が追いつかないといけないみたいな、そういうことを思ったりしますね。あとは「最優秀デジタルカルチャーアーティスト賞」。これはボーカロイドとかVTuberとか、ネット発のカルチャーの楽曲が選ばれるカテゴリーなんですが、やっぱりボーカロイドって本当に日本の音楽文化の中でもすごくユニークだし、僕は『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』っていう本を書かせていただいたり、長年ボカロカルチャーは追っているんですけど。もちろん米津玄師さんとかYOASOBIさんとか、Adoさんとか、ボカロから本当にJ-POPのところで今活躍されている方はいるんですが、ボカロで今流行ってる曲って本当に独自なんですね。今J-POPで流行ってる曲、聴かれてる曲とボカロの今の流行りって全然違う。この全然違うのが逆にめちゃめちゃ面白いという風に思っているので、そこも注目しています」(柴) 

松島が注目している部門は、「私は HIP-HOP にまつわる賞の部分ですね。たくさんHIP-HOPが賞あるんですけども、そこは結構変わるかなとは思っています。新曲がどんどん出てくるし、カルチャーとしてもめちゃくちゃ大きいですし。今回、去年までの楽曲は入ってこないとなると、本当に今のリアルなHIP-HOPのヒットなどが見えやすくなるかなっていうところを期待している感じです。経済的にもHIP-HOP カルチャーは本当に今めちゃくちゃ大きくなってて、HIP-HOPアーティストはあっさり武道館に行く人たちがたくさん出ているので、それだけこのカルチャーが愛されて、支持されて、聴かれてっていうことだと思うので、そういったところが見えてくるとうれしいかなっていうのが楽しみです」。

今後、『MAJ 2026』は2026年3月にエントリー作品を発表、4月末にノミネート作品が発表される予定。そして授賞式は2026年6月13日(土) TOYOTA ARENA TOKYOにて開催される。なお、11月10日より『MUSIC AWARDS JAPAN 2025 振り返りスペシャル』がLeminoで独占無料配信される。MCは今年の授賞式「Premiere Ceremony」でもMCを務めた森香澄、ゲストにはSKY-HI、宅見将典、柴那典が出演する。

取材・文=岡本貴之

 

イベント情報

『MUSIC AWARDS JAPAN 2026』開催概要
日程:2026年6月13日(土)
会場:TOYOTA ARENA TOKYO

アワード開催ウィーク:2026年6月8日(月)~6月13日(土)

MUSIC AWARDS JAPAN 公式サイト
https://www.musicawardsjapan.com/
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