からあげ弁当、grating hunny、三四少女の3組が出演、FM802と大阪芸術大学・芸術計画学科の学生たちが企画・運営するライブイベント『超新星-SPARK FES2025-』オフィシャルレポート到着

2025.12.25
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『超新星‐SPARK FES 2025‐』2025.12.18(THU)大阪・阿倍野 ROCKTOWN

2025年12月18日(木)、大阪・阿倍野 ROCKTOWNでFM802が主催する音楽イベント『超新星‐SPARK FES 2025‐』が開催された。このイベントは、芸術計画学科の 2 年生と 3 年生が合同で、企画から運営までを担う演習授業「プロジェクト演習」から誕生したもの。今年のイベント名は『超新星‐SPARK FES 2025‐』。学生たちが中心となって創り上げるこのライブイベントには、特別な想いが込められている。「新星」とは、夜空で星が見えなかった場所に突然強く明るく輝く星のこと。その中でも特に強く輝くものを「超新星」と呼ぶ。出演アーティストは、からあげ弁当、grating hunny、三四少女の3組。来場者だけでなく、本イベントに関わるすべての人が、イベントを通して「人生の起点となる瞬間」を感じてもらいたい、芸大生だからこそ創り出せる時間と空間を届けたい――そんな学生たちの願いが、このイベントを支えている。そんなイベントのオフィシャルレポートが到着したのでお届けする。


12月18日(木)、大阪・阿倍野 ROCKTOWNでFM802が主催する音楽イベント『超新星‐SPARK FES 2025‐』が開催された。本イベントは大阪にある大阪芸術大学・芸術計画学科の学生たちが企画・制作を手掛けるもので、「夜空に突然強く明るく輝く超新星のように、来場者だけでなく、イベントに関わるすべての人がライブを通して人生の起点となる瞬間を感じてもらいたい」をコンセプトにしている。出演者はからあげ弁当、三四少女、grating hunnyの3組。高校生は無料招待ということもあり、学校帰りに会場に足を運ぶオーディエンスの姿も見られた。フロアには学生手作りのフォトブースも設置され、SNSフォローでステッカーをプレゼントするなど、単なる授業の一環に留まらない、音楽イベントとしての盛り上げる取り組みが展開されていた。

【板東さえか】

MC には FM802 の DJ 坂東さえかが登場。彼女もまた大阪芸術大学の卒業生だ。「フレッシュなエネルギーで作り上げられたイベントが楽しみ♪ 対バンならではのイベントを楽しんで」と思いを伝えた。また、開演前には、同校の学生が「1 年を通じて制作してきたイベント。学生たち自身が企画運営はもちろん、アーティストへの出演依頼なども行うなど、時間をかけて作ってきました。全身でエネルギーを感じてほしい!」と、イベントに懸ける思いを語ってくれた。

【からあげ弁当】

トップバッターは、滋賀発の 4 人組ロックバンド・からあげ弁当。2021 年の開店以来、“移動式お弁当屋”を名乗りながら、関西を中心に熱くて美味しい唐揚げを揚げ続け…、いや、熱い音楽とライブでお腹も心も満たし続けてきた彼ら。焼きそば(Vo/Gt)の「平日のライブハウスにようこそ。学生たちが大切に作り上げてきたイベント、大切に歌いたい。届いてくれ!やるぞ!大阪」の叫びで、1 曲目「チキン野郎」からストレートなロックンロールサウンドで豪快なスタートを切っていく。「ベルロード」の「大人になんてなってたまるかよ♪」なんて青臭くも感じる歌詞も、Ryu-no(Gt)のがっつりと攻め込んだギターサウンドで、すっと心が晴れ上がっていく。「オレの人生の曲です!」と、新曲「就職先はロックスター」。タイトル通り、メンバーの気迫も意気込みもまるっと全部閉じ込めた楽曲で、4 人の音がドカンと真正面から身体にぶつかってくるのが何とも気持ちが良い。

会場には、この日初めてライブハウスに遊びに来たという人の姿も。「苦しいも悔しいも、生きてて嬉しいこともライブハウスで感じられたら。ライブハウスはどんな人も受け入れてくれる場所。来年もどうかよろしくお願いします!」と、開放感いっぱいの「乾杯しよう」へ。ライブハウスでなくても、人生の戦場にも楽勝で打ち勝てそうな、ロックンロールの楽しさがぎゅっとつまったステージに魅せられ、観客の拳も高く突き上がる。「今日を楽しんで♪ 次のライブハウスで笑顔で会えることを楽しみにしています!」。一切の緩みなく、全 9 曲を全力疾走で駆け抜けた。

【三四少女】

続いては、大阪発男女混成 3 人組“ネオキューティーロック”バンド・三四少女。2022 年の活動開始以来、「閃光ライオット」への決勝選出など、早くから話題を集めている彼女たち。“イーアルサンスー”のご機嫌な掛け声で「たのしいさんすう」から、ポップで癖になるメロで観客の視線を釘付けにしていく。続く「大丈夫」、川田羽撫子(Vo/Gt)の強気な歌唱と“大丈夫”の言葉の繰り返し、あんどりゅー(Dr)のからりと弾むビートも相まって、観客も自然と体が揺れていく。「Stop!Drop!Roll!!」では、さっちゅー(Ba)のベースラインがスリリングなロックサウンドを描いていく。くるくる展開していくアニメーションを見ているような楽曲は、可愛さの裏にある凶器を見せつけられているようでドキドキが止まらない。

実は川田自身も大阪芸術大学に在学中。自身の高校生時代を思い返し、「言葉にできない思いがあるからライブハウスに集まっているはず、そういう人のためにある場所。音楽が好きで、ライブハウスという空間に助けられた。一生忘れられない日にするんで!」と、16 歳の自分自身に向けて作曲したという「さよならトランジスタ」を披露。揺るぎない自分自身への想いを音楽にブチ込め、鋭い視線を向けて歌う姿に誰もが目が離せない。この日のライブが 2025 年最後のステージだという彼女たち。ラスト曲「ユートピア」ではありったけの想いを爆ぜさせ、より一層アグレッシブなバンドサウンドを鳴らし、その存在感を見せつけた。

【grating hunny】

イベントのトリを務めるのは、平均年齢 19 歳と、この日の出演者で最若手。PUNK ROCK by YOUTH を掲げてパンクロックを鳴らす、大阪発の 4 人組バンド grating hunny だ。「音楽準備室」で始まったステージ、静寂から一気に爆発力のあるプレイを見せ、観客の視線を引き寄せていく。粗削りながらも感情を大いに放出させ、無心になって音を鳴らし、歌う姿が気持ちいい。スズキタイヨウ(Vo/Gt)もまた、大阪芸術大学に在学中の学生でもある。「友達が作れない僕は、大学のキャンパスを歩くときは一人で。キャンパスを歩いてたら、今日のライブのポスターが貼っていました。初めて、自分のバンドが大学まで届いているのが心の支えになって。」と、「君が見てる」へ続いていく。思春期ならではのうまく言語化できない鬱屈とした感情の渦の中に、燃え滾る音楽への思いをぶつけ、心のままに叫ぶ姿に、観客も拳を突き上げ共鳴していく。

「僕たちも去年まで高校生で。大学は楽しいけれど、僕にとっては少しだけ自己嫌悪を発動する場所かも」と、学生生活が決して晴れやかなものだけではないと正直な思いを吐露しつつ、「今日のイベントは一番年下の若手がトリ。“超新星”を体現できるのは grating hunny しかいないんじゃないですか!」と、誇らしく叫び「未成年だった」へ。濃縮還元ではなく、100%ストレートな感情。自分たちが鳴らす音楽に絶対の自信を持ってステージに立ち、何者にも代えがたい、エネルギーに満ちた4人の姿はとても眩しくて、学生たちは羨望にも似たキラキラとした表情でステージに夢中になっている。

「悩みすぎたりする。おかしくなりそうな日もある。大学でひとりぼっちの日も多い。でも、生きる証明の機会がある。生きる方法がいくらでもある。生きるのはだるいけど。ライブハウスでまた会いましょう」と、「インソムニアの底へ」で、感情を昇華させるようにギラギラとした熱量を音にぶつける 4 人。ラストは「超新星ってこういう意味やと思います!」と、「高槻」へ。音楽へ、ライブへの初期衝動を詰め込んだ、出身地名を冠した曲。音をかき鳴らし、ビートを叩き出し、全身で思いを歌い叫ぶ姿に誰もが心震わされただろう。

 

終演後、MC を務めた坂東さえかが語った「伝わるものに年齢は関係ない。互いに刺激、スパークのあったステージ。この先、それぞれのライブハウスで強く惹かれる瞬間に出会ってほしい」という言葉の通り、この日出演した 3 組はこれからもライブハウスで音を奏で続けていく。

からあげ弁当は2026年2月にEP「Road to the future」を配信予定で、EP2作を引っ提げての全国4ヶ所ツアーファイナルは 3月29日(日)大阪・Music Club JANUS で。三四少女は2026年1月17日(土)に大阪・ANIMA で初のワンマンライブ「おまじないっ!」を。grating hunny は年内にも複数の公演を予定し、初の東名阪ツアー&1月24日(土)には寝屋川 VINTAGEにて初のワンマンライブ。彼らの音に少しでも共鳴したなら、ぜひライブハウスへ足を運んでほしい。

取材・文=黒田奈保子 撮影=ハヤシマコ

イベント情報

『超新星-SPARK FES2025-』
●日時=12月18日(木)18:00 OPEN 18:30 START
●出演=からあげ弁当/grating hunny/三四少女
●場所=阿倍野 ROCKTOWN
●主催=FM802
●企画・運営=大阪芸術大学芸術計画学科

ライブ情報

からあげ弁当 pre. ダブルEPリリースツアー2026
「最高更新を更新 × Road to the future」

3月6日(金)福岡 Queblick OP 18:30 / ST 19:00
3月20日(金祝)東京 下北沢 Shelter OP 18:30 / ST 19:00
3月22日(日)名古屋 CLUB ROCK 'N' ROLL OP 17:30 / ST 18:00
3月29日(日)大阪 心斎橋 Music Club JANUS OP 17:30 / ST 18:00
※各地対バン予定

情報>
前売2,500円 / 当日3,000円(別途ドリンク代)

ライブ情報

三四少女 1st ONE MAN LIVE
『おまじないっ!』

日程:2026年1月17日(土)
会場:Live House ANIMA
時間:open 17:45/start 18:30

情報>
前売3,400円(別途ドリンク代)

三四少女『第四回 三四計画』
日程:2026年3月4日(水)
会場:大阪・Live House ANIMA
時間:open 14:30/start 15:00

情報>
前売3,400円(別途ドリンク代)

ライブ情報

grating hunny『体育館壊す』
1月9日(金)@名古屋・栄 Party’z
 w/ あいか:クラブ / Reinore / mogari
1月17日(土)@東京・下北沢 SHELTER
 w/ muk / and more…
1月24日(土)@大阪・寝屋川 VINTAGE
 初ワンマン!!
 
情報>
前売¥3,000(別途ドリンク代)
  • イープラス
  • からあげ弁当
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