BUMP OF CHICKEN、Creepy Nuts、Suchmosらがロック忘年会の幕開けに駆け付けた『FM802 RADIO CRAZY 2025』初日をDJ大抜卓人&ハタノユウスケが振り返る
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『RADIO CRAZY 2025』 撮影=Yoshiharu Ota
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』2025.12.26(FRI)インテックス大阪
撮影=桃子
大阪のラジオ局・FM802が主催する、毎年恒例の「ロック大忘年会」こと『FM802 RADIO CRAZY 2025』(以下、『レディクレ』)。今年は12月26日(金)から4日間にわたり、大阪・インテックス大阪にて開催される。FM802に所縁のあるアーティストが数多く出演する同イベントには、関西はもちろん、全国からたくさんのリスナーが駆けつける一大ロック・フェスティバルとなっている。
FM802DJ ハタノユウスケ、大抜卓人 撮影=松本いづみ
SPICE編集部では今年も、イベント終了直後のFM802の人気DJ陣に突撃! 朝から夜まで、止まることなく音楽が鳴り続けるステージの数々を振り返ってもらった。初日のアクトを振り返るのは大抜卓人&ハタノユウスケ。担当する番組はもちろん、DJとしての活動歴やステージを観る目線、アーティストへの思いなど、個性異なる2人のDJにたっぷりと語ってもらった。
と、その前に。まずは初日のタイムテーブルを見ながら、どのアーティストのステージを観てきたのかをチェックしてもらった。朝の番組『on-air with TACTY IN THE MORNING』(毎週月~木曜、朝6:00~11:00)を担当する大抜と、深夜の『RADIO∞INFINITY』(毎週木曜24:00〜27:00)を担当するハタノ。2人が選んだアクトは1組のアーティストを除いて、一切の被りなし! 大抜&ハタノをはじめ、FM802 DJsはイベント中に公開収録などへの出演も多く、観ることができなかったステージもあったりと、お互いにライブの振り返りコメントに興味津々の様子。
SPICEでは後日、ピックアップのライブレポートも公開!
【PICK UP ARTIST】FM802 DJ SHOW 大抜卓人(Z-STAGE)
DJ大抜卓人 撮影=渡邉一生
『レディクレ』初日のトップバッター。しかも最大キャパのZ-STAGEでのアクトを務めたのはアーティストではなく、FM802 DJの大抜だ。「初日のオープニングアクトは……僕です! お客さんは来てくれるのかな? と毎年思うんですけど、ありがたいことにすごく盛り上がって。今回出演するアーティストの曲を中心にかけたんですけど、コール&レスポンスをもらったりもして。『レディクレ』の始まりを感じることができましたね」(大抜)と、毎年恒例となっているDJ SHOWでのイベントスタートに確かな手応えを感じたよう。
【PICK UP ARTIST】TRACK15(L-STAGE)
TRACK15 撮影=桃子
ハタノが最初にチェックしたのは、高槻出身の4人組バンド・TRACK15だ。2024年11月にはFM802のヘビーローテーションにも選ばれるなど、その歌声と圧倒的なメロディセンスで若い世代を中心に注目を集めている。実はTRACK15のベーシスト・高橋凜とハタノは高校時代の友達同士であることは、番組ファンには周知の事実。学生時代の友人が『レディクレ』初日、「OPENING HEAVY ROTATION ACT」としてL-STAGEのトップバッターに登場する姿は感慨深いものがあったようだ。
「MCでも話していたんですけど、TRACK15は5年前の今日、京都・MOJOという小さなライブハウスがバンドにとっての初ライブ。友達数人を呼んで、やっと成立するようなライブだったけど、そこからみんなのおかげで去年はLIVE HOUSE Antenna(以下、Antenna)に出演して、今年はついにL-STAGEのステージに出演できたと語っていて。実は僕、彼らのその初ライブにも行ってたんですよ」(ハタノ)
「ヘビーローテーションにも選ばれているし、それはすごく物語があるね」(大抜)
「それが今ではこうやって『レディクレ』に出演して、今年はついにL-STAGEで観られるのはすごく良かったです。ヘビロに選ばれた「千年計画」はぐっと心に入ってきましたね」
【PICK UP ARTIST】BUMP OF CHICKEN(Z-STAGE)
BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota
『レディクレ』初日にはFM802のヘビーローテーションに選ばれたアーティストが数多く出演。今年12年ぶりに『レディクレ』出演となったBUMP OF CHICKENもまた、2001年3月度のヘビーローテーションに選ばれた「天体観測」で話題となったアーティストだ。『レディクレ』初年度からイベントを見届けている大抜にとって、彼らの出演は嬉しい報せだったが、若手DJの一人でもあるハタノにとって、BUMP OF CHICKENの存在はある種、雲の上に近い存在だったよう。
「「天体観測」は僕が生まれる前にヘビロになっていた曲。DNAに刻まれているといっても過言ではないですね」(ハタノ)
BUMP OF CHICKEN 撮影=Yoshiharu Ota
「『MINAMI WHEEL』に出演していた頃から観ていたアーティストをZ-STAGEで観られるのはうれしいですね。トリのステージが始まる前は独特の緊張感があって、「本当にバンプが出るの?」と思ってるお客さんも多かったみたい。あと、今年は出演アーティストが他のステージに観に行く、というのもすごく多いように感じて。特にBUMP OF CHICKENを観にいくアーティストの数はすごかった! 「バンプって本当にいるんだ!」と思った人も多かったと思うよね」(大抜)
【PICK UP ARTIST】Tele(Z-STAGE)
Tele 撮影=渡邉一生
2022年の『レディクレ』初出演からステップアップを重ね続け、2025年についにZ-STAGEへの出演を果たしたTele。「2年連続R-STAGEを経験してからのストーリーを知っている分、Z-STAGEでTeleのライブが観られるのはいいですよね!」と、ハタノも絶賛。Teleは2024年10月から2025年9月まで、アーティストがDJを担当する番組『MUSIC FREAKS』に出演。大抜はTeleのライブパフォーマンスはもちろん、彼が語る言葉が強く記憶に残ったという。
Tele 撮影=渡邉一生
「TeleのライブはMCがすごく印象的で。いろんなメディアがあるなか、ラジオという昔からあるメディアが好きなファンが集まって、『レディクレ』の景色になる。例えクラスで音楽やラジオが好きな人が少数派でも、こうやって集まった時にはマジョリティになり、熱狂やエネルギーがすごくなるんだって熱く語っていて。ライブ後半はすごく情熱的だったな」(大抜)
【PICK UP ARTIST】Chevon(L-STAGE)
Chevon 撮影=ハヤシマコ
ハタノが続いてチェックしたのはL-STAGEのChevonだ。ハタノは2022年4月のDJデビュー時に担当していた番組『LNEM 〜エルネム〜』から、所縁を繋げてきたChevonのステージは思い入れも強かったよう。
「僕が1年目に担当していた番組『LNEM』で、「すごいバンドがいるな」と思ったのがChevon。初めて全国初オンエアの楽曲をかけさせてもらったり、他のメディアに出演するときにも大阪が一番好きだと言ってくれたり、サブスクでも大阪が一番聴かれているエリアらしくて。熱狂的なファンが増えるなか、L-STAGEをパンパンに埋めているのがすごく良かった。一昨年はAntennaで、去年はR-STAGEに出演していたけど、完全には埋め切れていなくて。今年は目に見えて分かる成長を感じられたのが嬉しかったですね」
ハタノは2023年4月からはライブハウスシーンを追いかける番組『RADIO∞INFINITY』(木曜24:00〜27:00)を担当中。2001年生まれの若手DJとして、ライブハウスを中心に活動する同年代のアーティストが『レディクレ』のステージで邁進する姿は励みにもなるようだ。
「Chevonやシンガーズハイ、CLAN QUEEN、そしてTeleは2000年生まれ。2025年は、そんな彼らが当たり前のようにL-STAGEやR-STAGEに出演するようになった年。トップアーティストとしてライブをしている姿を見ると、一緒に歩んでいる気持ちにもなるし、自分も頑張らないとなと思いますね」(ハタノ)
【PICK UP ARTIST】NEE(LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-)
NEE 撮影=松本いづみ
『レディクレ』常連だったNEEが、2025年10月から新体制となり、Antennaステージに復帰! その知らせに喜んだファンも多く、会場には早くからたくさんのリスナーが駆けつけたようだ。
「3人体制での再スタートをAntennaでやる、まるで原点回帰ですよね。セットリストもすごく良くて、3人体制で初めて作った「マニック」では、ちゃんと自分たちの言葉で伝えてから演奏をしたり。「不革命前夜」の大団円で終わる感じもすごく良かったです。ここから来年はもっと大きいステージを目指すぞ! という熱量があって。再スタートの夜を観られて良かったですね」(ハタノ)
【PICK UP ARTIST】Suchmos(Z-STAGE)
Suchmos 撮影=渡邉一生
7年ぶりの『レディクレ』出演となったSuchmos。長年の付き合いのある大抜にとって、「おかえり!」と伝えるほど、彼らの復活は感慨深いものがあったという。
「ライブ終わりにYONCEくんと喋ったら、最初のひと言が「めっちゃ気持ちよかった!」と。お客さんのフィードバックもすごく良かったよね。Z-STAGEではタフなロックバンドが続くなか、グルーヴやうねりでしっかり魅せる姿が良かった!」(大抜)
Suchmos 撮影=渡邉一生
【PICK UP ARTIST】BIGMAMA(R-STAGE)
BIGMAMA 撮影=田浦ボン
大抜がさらにチェックを続けたのはBIGMAMAのステージだ。2026年でデビュー20周年の節目を迎える彼ら。今回のステージでは三原健司(フレデリック)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/TenTwenty)の2人がゲスト参加するなど、アーティストの祝祭を全力で応援するのも『レディクレ』ならでは。
BIGMAMA 撮影=田浦ボン
「金井(政人)くんとは、今日のR-STAGEのためにずっと物語を作っていたんです。友達を呼んでライブがしたいということで、三原くんと斎藤くんが出演してくれて。20周年を迎える仲間のお祝いのために出てくれる、しかもBIGMAMAの代表曲を仲間たちが歌う。それも『レディクレ』らしいし、まるで祝祭のようなステージでしたね。あと、三原健司というボーカリストの凄さも感じましたね」(大抜)
BIGMAMA with 三原健司(フレデリック)、斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN) 撮影=田浦ボン
【PICK UP ARTIST】MAN WITH A MISSION(Z-STAGE)
MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ
『レディクレ』のステージはもちろん、日々数え切れないほどのライブへ日参する2人。ラジオでオンエアする楽曲はもちろん、パフォーマンスの機微や、ライブの変化にもすぐさま反応!
「MAN WITH A MISSIONは世界ツアーを経たこともあってか、もう一段次のフェーズに行ったなと感じるステージ。世界的にもブレイクした「絆ノ奇跡」で、はっちゃけて終わるライブが良かった!」(大抜)
MAN WITH A MISSION 撮影=キョートタナカ
【PICK UP ARTIST】Creepy Nuts(L-STAGE)
Creepy Nuts 撮影=ハヤシマコ
今回、大抜&ハタノの2人がそろってライブを観たのがCreepy Nuts。ライブの盛り上がりはもちろんのこと、今年は生放送でのテレビ中継も入り、全国に『レディクレ』の盛り上がりを届けることにも繋がった。
「彼らは『RUSH BALL』をはじめ、ロックバンドが数多く登場するフェスに出演している。徹底して現場主義だし、のし上がっているのが伝わる。今日のステージは、彼らが叩き上げでライブをやってきたというのを見せてくれた」(大抜)
「Creepy Nutsはフェスに強い!! 「助演男優賞」の歌詞に出てくる<ロックフェスでのCreepy Nuts>のまま、全てがカウンターになっている。年末ロック大忘年会なのに、オレらが最後を持って行く感じがズルい!」(ハタノ)
「日本の音楽シーンをこれから引っ張っていくであろうアーティストがL-STAGEやR-STAGEに出て、圧倒的なカリスマアーティストがZ-STAGEに出てくる。これからの未来と、いままさに活躍しているカリスマアーティスト、それを全部観られるのが贅沢! 映像もすごくかっこよかったよね。あと、特攻の火があがりすぎ(笑)」(大抜)
Creepy Nuts 撮影=ハヤシマコ
ライブステージだけでなく、公開収録など様々なイベントが開催されている『レディクレ』。境内STAGEではハタノがTRACK15との公開収録に、大抜は新日本プロレスのスペシャルマッチに実況アナとして参加するなど、多忙な時間を過ごしていたという。
境内ステージでの公開収録(TRACK15、ハタノユウスケ) 撮影=桃子
「今日はもう声が枯れました(笑)。場外乱闘で実況席にまで選手が飛んでくるから、巻き込まれないように必死で。この一週間は毎日、新日本プロレスの実況中継を見返して、解説を頭に叩き込んでいきましたよ。選手はみんな命をはってるなぁと感じると同時に、プロレスとロックはなんとなく親和性があるなと感じましたね」(大抜)
新日本プロレス スペシャルマッチ 撮影=キョートタナカ
新日本プロレス スペシャルマッチ 撮影=キョートタナカ
「僕はゴリラの横でティッシュ配りをしていました(笑)。2026年2月3日(火)にゴリラホールで『802 Jungle Attack Vol.8』が開催されるんですけど、その宣伝をかねて「バナナを配ります!!」と言って、黄色いティッシュを配ってました。メガホンなしで叫んでいたので、僕も声が枯れちゃいましたね(笑)」
『802 Jungle Attack』@ゴリラホールのPR活動 撮影=桃子
「こんな毎日があと3日間続くからね。出会いと再会を目一杯楽しみたいね」(大抜)
「BUMP OF CHICKENやCreepy Nutsがあれだけ盛り上げて。初日にしてフィナーレかというくらいのメンツがそろいましたね。まだあとこれが3日間もあるかと思うと、楽しみでしかないですね」
「『レディクレ』を4日間やるということで、アーティストがみんな駆けつけてくれたのがうれしいよね。毎年このイベントに欠かせないアーティストもいるし、FM802がやっていることが実を結んでいるんだなと感じる。あと、今年の大阪は『大阪・関西万博』でも盛り上がっていたし、その最後に打ち上がろうよという感じがあって。大阪がホットスポットなんだというインパクトが初日からあったと思います」(大抜)
「こんなにも満足感があるのに、まだ初日ということに驚きますね(笑)。僕がDJになって初めての『レディクレ』は、Antennaにしか番組と縁のあるアーティストはいなかったけれど、今年はL-STAGEやR-STAGEにまで進出している。今後の繋がりも楽しみです!」(ハタノ)
FM802DJ ハタノユウスケ、大抜卓人 撮影=松本いづみ
音楽愛にラジオ愛、ライブ愛と「愛」たっぷりに語ってくれた2人。『RADIO CRAZY 2025』はまだ始まったばかり。2日目にはどんな景色が広がるのか。気になる続報も引き続き、チェックしよう!
取材・文=黒田奈保子 写真=FM802提供
イベント情報
●日時=2025年12月26日(金)、27日(土)、28 日(日)、29 日(月)
●会場=インテックス大阪
●詳細=https://radiocrazy.fm/