【コラム】“音の魔術師”トッド・ラングレンの魅力に迫るーー昨年大盛況となった来日公演が今年も実現、今回の見どころとは

2026.1.20
コラム
音楽

2025.3.3 @Billboard Live TOKYO 撮影=cherry chill will.

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“音の魔術師”という異名を持つトッド・ラングレンの来日公演が、3月23日(月)に東京・NHKホールで、3月25日(水)に大阪・Zepp Nambaで開催される。

前回の来日からわずか1年ぶり。Billboard Live YOKOHAMAとBillboard Live TOKYOで開催された前回が大盛況かつ大好評だったことは、早いペースでの来日からも、そして会場の規模が格段に大きくなったことからも明らかだろう。大盛況の理由として、根強いファンの存在もさることながら、ここに来て、ファン層が広がったことも見逃せないだろう。

なんでも、もはや世界的なブームと言えるシティポップの源流として、1972年のヒットナンバー「I Saw The Light(瞳の中の愛)」に遡って、この曲の作詞・作曲・歌唱はもちろん、編曲と全ての楽器の演奏を一人でやってしまったトッド・ラングレンを“発見”した若いリスナーが少なくないらしい。3月の来日公演に25歳以下を対象にしたU25が用意されたことに加え、東京公演ではそのU25が早々にソールドアウトになった事実がそれを裏付けているが、もしかすると、そんな若いファンの中にはその後、ラングレンの作品を掘りながら戸惑ったという人もいるんじゃないか。なぜなら、昔からのファンはご存じの通り、シティポップの源流は、幅広い音楽性を持つラングレンの一面に過ぎないからだ。

2025.3.3 @Billboard Live TOKYO 撮影=cherry chill will.

1948年、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに生まれたラングレンは、1968年に4人組ロックバンド、ザ・ナッズのギタリストとしてデビューした。ナッズはバンド名の由来になったヤードバーズ、ビートルズ、ザ・フーといったいわゆるブリティッシュ・インベイジョンの影響を受けながら、ほとんどの曲を作っていたラングレンの主導によって、一歩も二歩も進んだポップロックを奏で、ガレージクラシックとして知られる「Open My Eyes」とともにロックの歴史に大きな足跡を残した。しかし、バンドの活動に限界を感じたラングレンはバンド解散後、すべての楽器を自ら演奏するワンマンレコーディングを基本にしつつ、曲によってはセッションミュージシャンも迎えるという形でソロキャリアをスタート。以来、「I Saw The Light」が収録されている傑作2ndアルバム『サムシング/エニシング?(ハロー・イッツ・ミー)』をはじめ、今日まで多くの作品をリリースしてきたが、その音楽性はメロウなポップスやロックンロールからサイケ、プログレ、メタル、さらにはシンセサイザーを駆使したエレクトロニックなものにまで広がっていった。

また、ラングレンはスタジオワークのノウハウとサウンドメイキングのセンスを買われ、サウンドプロデューサーとしてグランド・ファンク・レイルロードの『アメリカン・バンド』(1973年)、ニューヨーク・ドールズのセルフタイトルの1stアルバム(1973年)、ミート・ローフの『地獄のロック・ライダー』(1977年)、XTCの『スカイラーキング』(1986年)、バッド・レリジョンの『ザ・ニュー・アメリカ』(2000年)など、多くの作品を手掛けている。

そんなラングレンのキャリアを振り返りながら、改めておもしろいと思ったのが、ある意味マニアックなその作風から、スタジオワークに専念したいアーティストなのかと思いきや、その一方ではライブにも精力的に取り組んでいたことだった。しかも、1980年代以降はシーケンス音源を使って、たった1人でステージに立ったり、女性ダンサーを従えたりと、いわゆるバンド編成にこだわらないライブにも挑戦。スタジオ同様、ライブにおいても常に新しいものを追い求めつづけてきた。

2025.3.3 @Billboard Live TOKYO 撮影=cherry chill will.

また、1992年と1999年にはリンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドにも参加。基本、ライブが好きなのだろう。70代になった現在もラングレンのライブ熱が衰えていないことは、前述したとおり1年ぶりという早いペースで実現した今回の来日からも窺えるが、今回、ラングレンは前回の来日公演のバンドメンバーを一新している。

今回のメンバーは以下の5人。
カシム・サルトン(Ba.Vo)
プレイリー・プリンス(Dr)
ボビー・ストリックランド(Brass.Vo)
ギル・アサヤス(Key.Vo)
ブルース・マクダニエル(Gt.Vo)

歴の長いファンならこの顔ぶれに快哉を叫ぶかもしれない。前回の来日はオーストラリアツアーの流れだったこともあって、オーストラリアのロックバンド、ユー・アム・アイのギタリスト、デヴィッド・レーンをはじめ、彼が集めたオーストラリアのミュージシャン達を起用していた。しかし今回はラングレンが1974年からソロ活動と並行してやっているプログレロックバンド、ユートピアのメンバーでもあるサルトンとアサヤス、ラングレンがプロデュースしたバンド、チューブスのメンバーでもあるプリンスら、これまでラングレンと活動を共にしてきた名うてのプレイヤー達を招集している。そこがまず大きな見どころとなるのだろう。

2025.3.3 @Billboard Live TOKYO 撮影=cherry chill will.

同じメンバーで行なっていた昨年の北米ツアーでは、新旧のソロナンバーを中心にしながらナッズの「Open My Eyes」やユートピアの「Secret Society」「Rock Love」も織りまぜていたから、今回も全キャリアからの選曲になりそうだ。若いファンにとっては、まだ聴いたことがない曲に出会えるチャンスになるだろう。いや、それは昔からのファンにとっても同じかもしれない。なぜなら、デビューしてから58年間、活動を休むことなく、作品を発表しつづけてきたラングレンは単純に代表曲を並べるだけではつまらないと考えている節もあるからだ。因みに前述の北米ツアーでは、「I Saw The Light」は同曲と並んでラングレンの代表曲と言われている「Can We Be Still Friends?」「Hello It’s Me」とメドレーで披露していたが、今回は果たして……!?

新旧いつの時代の曲が飛び出してもおかしくないが、たとえどんなセットリストでも長年活動を共にしてきたメンバー達だ。きっと充実のパフォーマンスを楽しませてくれるに違いない。多くのファンがそう期待しているはずだ。

文=山口智男

イベント情報

Billboard Live presents Todd Rundgren Japan Tour 2026 
<開催日時・会場> 
【東京】2026年3月23日(月)NHK ホール 開場 18:00 開演 19:00 
【大阪】2026年3月25日(水)Zepp Namba 開場 18:00 開演 19:00 

<出演> 
Todd Rundgren(Vo/Gt)Kasim Sulton(Ba/Vo) Prairie Prince(Dr) Bobby Strickland(Brass/Vo) Gil Assayas(Key/Vo) Bruce McDaniel(Gt/Vo) 

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【東京】 
前方 SS 指定席 19,800 円(オリジナルグッズ付)※SOLD OUT
S 指定席 16,800 円
A 指定席 14,800 円
U25 
 5,000 円  ※SOLD OUT

【大阪】 
全席指定席 14,800 円
U25 
 5,000 円
※大阪公演は入場時に別途ドリンク代が必要です 
※U25 は入場時に本人確認ができる身分証明書の提示が必要です 

<公演公式サイト> 
https://www.billboard-japan.com/toddrundgrenjapantour2026/ 
主催/制作/招聘:Billboard JAPAN(阪神コンテンツリンク) 
後援:WOWOW 【東京】J-WAVE 【大阪】FM COCOLO 

<注意事項> 
※未就学児入場不可 
※枚数制限:おひとり様各公演 1 申し込み最大 4 枚まで 
※車椅子をご利用のお客様は、(東京公演は S 席)をご購入の上、下記お問合せ先までご連絡くだ さい 
はおひとり様 1 枚必要となります。を紛失された方、または当日お忘れになった方はご 入場できません 
購入の際は、必ず公式サイトに掲載している注意事項をご確認ください 

<公演に関するお問合せ> 
【東京】キョードー東京 0570-550-799(平日 11:00~18:00/土日祝 10:00~18:00)
【大阪】ビルボードライブ 

https://billboardlive.svy.ooo/ng/answers/toddrundgren20260325/ 
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